廻転寿司「にぎりの徳兵衛」「アトムボーイ」、和食「えちぜん」、とんかつ「かつ時」、焼肉「カルビ大将」「味のがんこ炎」、居酒屋「甘太郎」「NIJYU-MARU」「TAPA」…しゃぶしゃぶ「濱ふうふう」等々、28業態266店舗。2008年上半期にも7店舗を新たにオープンさせた。中京エリアでトップクラスの元気企業アトムを率いる植田社長とは、どんな人物なのか。アトムのその先の未来と、人への思いについて尋ねた。
6月、8月に連続オープンさせたNIJYU-MARU。
9月には栄に居酒屋店舗がオープン
実家が割烹料理屋だったという。育った環境がそうさせるのか…。はじめて会う人にも、心の垣根を簡単にはずしてしまうような明るさと柔らかい空気をまとってアトムの社長は現れた。真摯に会社のことや人に対する思いを語りながらも、聞き手を楽しませようという精神が随所に顔を出す。口調や話題は最近流行の映画で交わされる会話まじりだったりと感性の幅広さを感じずにはいられない。根っから人が大好きで、サービス業体質の人なのか。東海エリアで28のブランドを266店舗展開している最大クラスのチェーン店、アトム。そこで働く多くの社員やお客様のハートをたちまち掌握してしまう魅力の根源はそこにあるのかもしれない。
アトムの社長に就任したのは、2005年の6月、41歳の時。
全国1000店舗、東証一部上場の総合フードサービス企業であるコロワイドグループとがんこ炎とのコラボレーションを成功させスケールもバリューもパワーアップさせるという大役を任された。
飲食業界に入ったのは意外にも30代。大学卒業後は輸入食品や酒類等の仕入販売の会社に一度入社をしている。そこでは大きな組織の、決められた小さな枠組みの中でしか仕事ができなかった。そんな頃、1995年阪神大震災を目の当りにする。大好きな街が崩壊し衣食住に苦しむ大勢の人達を見て非常にショックを受けた。
「多くの人達が笑顔になれたり、元気になれるような裾野の広い仕事をしたいという気持ちが震災のショックと同時に強くなりました。だから、ごく一部の人達のための店じゃなくて、幅広い年齢層が楽しめる外食チェーン店で働くことは自分の思いに叶っていたんです。それだけじゃなく、チェーン店のいい所は早い時期から店長として1店舗の経営を任されるということ。人は任されることで成長が加速します。そして、和洋中他、一言では語れない多彩なブランドを多店舗展開しているアトムで働くということは、いろいろな個性を持つ人達との出合いが実に多いということ。当然、個性はぶつかり合います。これが、大変だったりするんですけどね(笑)。でも、ぶつかり合いながら相手を受け入れることや自分の思いを理解してもらうための努力を学んでいくんです。そんな経験の繰り返しが人間としての幅を広げ、『人間力』を深めていく。だから人もついてくる。職位も上がって、給与も上がる。また前を向いて走り続けることに一生懸命になれると思うのです。飲食業界には様々な店(会社)があるけれど、どこを選ぶかは『自分自身がどう生きたいか』で決まるんじゃないのかな。過去のキャリアとか年齢とか、そんなのは全然関係ないです。派手さはなくてもいいから当たり前のことをコツコツとやり続けられる人、一度でも何かに情熱を持って走り抜けた瞬間のある人なら、アトムには必ず輝ける場所があるし、地道ながんばりを見逃さない評価制度も備えています。過去の経験よりも飲食業界で働きたいと熱い想いを持っている人々に来て頂きたいですね。アトムなら光るだろうなというダイヤの原石みたいな人、結構いると思っているんですよ。」
最近、特に女性スタッフの活躍が会社や
他のスタッフにも刺激を与えている
アトムとがんこ炎とコロワイドグループが一つになり、新生アトムになって3期になる。
社会で働くということは、どこまで行っても競走かもしれないが、前向きに一生懸命がんばっていると、人がついてきて皆で助け合い一致団結する。…少々口幅ったい言い方になるが温かい気持ちがそこに流れる。会社が人が、人を成長させる。そんな文化がジワジワッとできつつあるという。これがどんな時も強い企業であり続けるアトムの礎になることは間違いない。
アトムでは「多業態地域ドミナント戦略」を推進している。価格やコンセプトの異なる店を一定の地域に集中展開することで仕入れコストを下げ、お客様の多様な目的に応じたサービスが提供できるという戦略だ。そして最近はマーチャンダイジング戦略にも力を入れている。新しい商品開発を推進するために、SVや店舗プランナーの積極採用もスタートさせた。
「3期を迎えて、いろいろな個性や、やり方がイイ感じに融合し始めている。今度はこれをアトムならではの独自のカタチやスタイルにリノベーションしていく段階に来たと思っています。恵まれた話なんですが、私たちには全国でもトップクラスであるコロワイドグループが持つ優れたシステムや資本力があります。産地や漁場と提携し、またキッチンセンターの活用により、365日・24時間体制でロスなく安全で新鮮な食材を調達することができるのです。ただ、それに依存するのではなく、グループ全体のメリットを共有し活かしながら、生み出されるアトムの新しいノウハウやサービスをグループへ提案し、グループ全体をリードしていける力をつける必要があるのです。でも、どんなに優れた戦略や理論があっても“家族や周囲の人達を大切にできる働き方が普通にできる”企業でなければ、それは全くのナンセンスだ」という。
「飲食業界は残業が多く大変な業界だと思い込んでいる人達がいます。まずはその考え方を払拭して欲しい。健全に働くための仕組みは自分達で作ることができるのですから。」
植田 剛史氏(44才)
株式会社アトム 代表取締役
大学卒業後、輸入食品・酒類販売をする小売業に就職。その後外食チェーン店(コロワイドグループ)へ。2003年コロワイド常務、2004年コロワイド東日本取締役第2営業本部長を経て2005年にアトムの現職に。東京都出身。
2008年9月掲載
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