人柄を隠せない、
どこまでも純度の高い料理が
人を惹きつけてやまない。

株式会社円相フードサービス
代表取締役 武藤 洋照氏(39才)

現在、8業態13店舗を展開する同社。伝統の技と斬新な発想を活かした和食をはじめ、アジアン料理、カレー、らーめん等、コンセプトの異なるどの店も、一貫して感じられるのが「今の空気をしっかり捉えているのに、どこか素朴で親しみのある、小手先ではない地に足のついた料理」を出してくれるということ。「食にマジメ」をモットーにしている同社の、そして経営者であり料理人でもある武藤社長の魅力に引き寄せられ、集ってきた魅力的な人達が、調和のとれたひとつの円となって成しているのが株式会社円相フードサービスなのかもしれない。

偶然の出来事から、料理への情熱は生まれた。
18歳の時だった。


「ちょうど、高校を卒業して浪人中でした。両親共に、教育者という家庭の中で育ったせいか、より理想的な大学に入り、社会人になるということが当たり前という気持ちと、18歳の青年らしく自分の人生は、この当たり前にそって流れていっていいのかという、どちらともつかない気持ちで過ごしていた頃、たまたま知り合いがやっていたBarから、スタッフの急な休みのため、ピンチヒッターで来てくれないかと呼ばれたんです。何もかもが初めてのことで…とにかく必死に、そこにある調味料で下味を自分なりにイメージして作った鶏の唐揚が、思いの他お客さんに喜ばれたんです。今まで経験したことのない『うれしいという感情』、何かが急激に目覚めていった瞬間だったと思います」

自覚的というより、何かに魅せられるがままに料理の武者修行がその日から始まった。懐石からイタリアン…さまざまなジャンルに渡って4年の月日が流れた。普通、懐石料理は10年学んで一人前と言われるところを武藤氏は一日のほとんど四六時中、いろいろな店に頼み込み修行することで10年を凝縮した4年で修行を果たした。

大学に通っていたら、ちょうど学生時代を過ごした分だけ、武者修行の旅に出たことになる。その後、言わずと知られる料理人として着実に力をつけ、店舗開発に携わる経験を積み、1997年27歳の時、同社を立ち上げた。

食材に対して、料理に対して、そして何よりもお客様にウソをつくことなく、きちんとシゴトをほどこすという「食にマジメ」がモットー。本物を五感で知るためにも、社員、アルバイトを含め無農薬の野菜を一から育て収穫するといったことも実施。

食材に対して、料理に対して、そして何よりもお客様にウソをつくことなく、きちんとシゴトをほどこすという「食にマジメ」がモットー。本物を五感で知るためにも、社員、アルバイトを含め無農薬の野菜を一から育て収穫するといったことも実施。

この仕事をしていく喜びは、どこまで行っても、どんな時でも、あの18歳の時の純粋な気持ちと同じ。「カウンター一枚挟んで、お客さんに喜んでもらえる、笑顔を見ることができる」、に全て帰結するという。

「だから、経験が有るとか無いとかはensoではあまり関係ないんです。お客様にできる限り地元の旬な食材を使用し、安心しておいしく召し上がっていただく。そのためにはどんな素材を仕入れて、どのようにお出ししたら喜んでもらえるのか。どういうお店を創ればいいのかを、一生懸命考えられるか。そういう才能のほうのが将来、この会社で成長できるのびしろは大きいかもしれませんね。もちろん経験者ならそれを長所にして、自分の新しい可能性にチャレンジする勇気があれば、今いる場所より才能が開きやすい環境かもしれません」

確かに、同社には様々な経歴やユニークな経験を持つ社員が多い。多彩な個性が集っているがゆえにこれから同社がどのように発展していくのか、そのポテンシャルとジャンプ力の大きさは計り知れない。


現在、8業態13店舗を展開。
2009年春から、新たな仕掛けが始まる。


09春に「鯛めし ちどり」の4号店が上小田井ワンダーシティーにオープン予定。秋田県大潟村で特別栽培している純正あきたこまちと厳選した新鮮な鯛を一からおろし、無添加で作られたおだしで炊き上げる。徹底したensoイズムがいきづいている。

09春に「鯛めし ちどり」の4号店が上小田井ワンダーシティーにオープン予定。秋田県大潟村で特別栽培している純正あきたこまちと厳選した新鮮な鯛を一からおろし、無添加で作られたおだしで炊き上げる。徹底したensoイズムがいきづいている。

八十八商店のカウンター。伝統と斬新さを併せ持つenso和食はすべてのブランドの基礎となっていると共に多くのお客様から支持を得ている。

八十八商店のカウンター。伝統と斬新さを併せ持つenso和食はすべてのブランドの基礎となっていると共に多くのお客様から支持を得ている。

09春には上小田井ワンダーシティに「鯛めし ちどり」が、引続き中区錦にワインバーをプロデュース、更には台湾にて和食のプロデュースが決定するなど新春からとにかく創造しい同社。

今後の未来予想図をどのように描いているのだろうか?

「岐阜を中心に店舗を展開してきましたが、当社の第二ステージとして東海・関東エリアへの多店舗展開を考えています。多店舗展開していくためには、高い品質の均一化が図れる業態でなければいけません。そこで、システム化を図っても職人の味が実現可能な、スパイシーカレー専門店「ERICK CURRY」と「鯛めし ちどり」を中心に出店を図っていきます。これは、単に拡大路線を図ることが目的ではなく、スケールメリットを得ることで、より良い素材の料理をリーズナブルな料金でお客様に提供できる、食に携わる者の責任として「食にマジメ」を今より広く、世の中に伝え浸透させていくという私たちの使命、ひいては売上拡大が働くスタッフの待遇や環境の向上につながるということを目標としています」

素材の本来の持ち味を限界まで引き出し、おいしい料理を作っていくように、個人の才能を最大限引き出せる会社でありたい。「いい環境がいい人材を育てる」のだという。

「スタッフひとり一人の可能性を信じて、ensoの可能性も探し、広げていきたいと思っています。まだ未完成ですが、自分たちで作りあげていける楽しみがこの会社にはあります。私たちの生き方に共感してもらえるのなら、独立も応援したいですし、新しいお店を一緒に作りたいと思ってもらえる方にも、大勢お会いしたいですね。これからの縁が楽しみです」


武藤 洋照氏(39才)
株式会社円相フードサービス 代表取締役
PROFILE

武藤 洋照氏(39才)
株式会社円相フードサービス 代表取締役

18歳の時、料理の魅力に目覚める。ジャンルにこだわることなく、割烹、懐石、イタリアン…とさまざまな経験を積み27歳で独立。また、経営だけでなく、高校の非常勤講師を務め、幼稚園の給食にも携わる等、食育にも力を入れている。休みには仲間を募って、田畑を耕し収穫を楽しむことも。岐阜県出身。


PROFILE
社名 株式会社円相フードサービス
住所 岐阜県岐阜市高野町5-19(本社)
創業 1997年3月31日
設立 2001年9月3日
資本金 7330万円
従業員数 174名(内社員28名)2008年6月現在
事業内容 飲食店の経営、イベントの企画・運営、飲食店の経営コンサルタント業
店舗及びインテリアデザインの企画・設計・施工、惣菜の製造・販売
店舗 8業態13店舗
・鯛めし ちどり「美味しいお米の美味しい鯛めし専門店」
・円相「和の伝統の技から斬新な創作料理まで」
・UDON DINING あお井 「コシが自慢の美濃細打うどんと旬菜和食」
・八十八商店「伝統を大切にしながら、ここにしかない和食」
・Lotus Garden 「本能を刺激する本格アジアンダイニング」
・ERICK CURRY「本格スパイシーカレーの専門店」
・らーめん 龍の鱗「シンプルで味わい深いさっぱり系らーめん」
・ENSO はしもと 「和食の新スタイルを提案」

2009年1月掲載


←前の記事へ 一覧へ戻る 次の記事へ→