進化は常にセオリーを
打ち破った所に誕生する。
それを証明したのが
「なにがし」だった。

株式会社ヒューマンディレクト
代表取締役 石原 裕二氏(39才)

なんてワガママな店なんだろう。それがなにがし一宮店の感想だ。150坪に及ぶ広大な敷地に建つ店内には、Barもあれば大人数の宴会ができる大広間もあり、プライベート感たっぷりの個室もある。和・洋・中のゴージャスな料理の数々はどんなワガママな女性も黙らせる。こんなお店を創ってしまう石原社長もさぞかしワガママな人なのかと思いきや、このワガママは「人を楽しませたい」と強く願う気持ちの裏返しだった。

それは、子供の頃のオモチャ箱を想い出させた


和・洋・中、料理の鉄人の華麗なる競演を彷彿とさせる。100種類以上の料理メニューはもちろんお酒の種類の多さもなにがしならではの特徴

和・洋・中、料理の鉄人の華麗なる競演を彷彿とさせる。100種類以上の料理メニューはもちろんお酒の種類の多さもなにがしならではの特徴

宴会の後の二次会はこんなBarで語らうもよし。同じ店内で時空を越えて楽しめる。送迎バスもあるので、とことん酔いしれて欲しい。

宴会の後の二次会はこんなBarで語らうもよし。同じ店内で時空を越えて楽しめる。送迎バスもあるので、とことん酔いしれて欲しい。

「決して裕福とは言えない家庭だったから・・・早く大人になってお金を稼ぎたかったんです。いや、それは大義名分で本当は受験勉強が面倒だっただけなのかもしれない」と笑いながら高校生だった頃を石原社長は振り返る。県下でも有数の進学校だったが、あえて大学へは進まず担任の先生の知り合いをつてにトヨタのディーラーヘ就職した。

一見、二枚目キャラを思わせるが取材を進めるうちに、弱さや心許なさも隠すことなく飾らず語ってくれる本当の意味での「強さ」を持った石原社長の人柄が徐々に現れてくる。

元々、車の営業マンだった石原社長が飲食店を始めるようになったキッカケはひょんなことからだった。

一軒一軒、個人宅を訪問しながら車を売るのは大変だという人もいるが、自分にとっては全く大変じゃなかったと話す。

営業会社に数パーセントは必ず存在する根っからのトップ営業マンに二十歳そこそこで石原社長はなっていた。そして、トップ営業マンにも少し退屈し始めていた頃からすでに経営者としての頭角を現し始めていたかもしれない。

21歳の時、自ら車の販売店を立ち上げた。

「ありがたいことに、いろいろ応援してくださる人がいて、会社は予想以上に上手くいっていました。そんな時、たまたま飲食店を経営していた後輩から資本をサポートして欲しいと言われたのが『なにがし』との出会いでした。学校を卒業してから本当に沢山の人に応援してもらったり、助けてもらってきましたから今度は自分がサポートしないと」

石原社長のビジネスの法則はいつも人とのつながりや人的資産がレバレッジ効果を生んで、成功を導いているように見える。俳優でいうと主役級のオーラを放っている石原社長。実は、「人を演出する」という意味を持つ社名のヒューマンディレクトのように名監督だったのだ。

はじめて『なにがし』に携わった時は、確固たるコンセプトなんてものはなかったという。

「ただ、自分がおいしいと思えるもの、楽しいと思えるサービスだけを信じ、妥協することなくそのすべてをお店に投入しました。飲食業界の教科書通りにお店を作っていたら、案外つまらないお店になっていたかもしれませんね」

ワガママに好きなものを集めたハコのように思われるかもしれないが、その先には全てお客様を最高に楽しませたいという顧客視点が焦点となってエンターテイメントが創られている。和・洋・中のカテゴリーに捕らわれることなく、おいしいと思えるメニューの数々が100以上にも及ぶという『なにがし』の素地はこの時から築かれていた。

はやらないワケがない。

店の前には絶えず行列が出来た。行列ができる店とは、のどかな美和町ではおそらく一つの事件だったに違いない。

このヒットを皮切りにその翌年、ヒューマンディレクトを設立し、本格的に『なにがし』の多店舗展開を開始させた。

そして、それ以上に大きなブレークスルーとなったのが、大型パチンコ店の跡地にオープンさせたなにがし一宮店だった。

飲食店にしては大き過ぎる・・・維持するのが大変、絶対成功しない等々まわりからの酷評も多かったが、それ以上に石原社長を悩ませたのが想定以上の改装費だった。それでも石原社長の人徳、人脈なのか。到底無理と思われたが、多くの人から融資を得てオープンを実現させた。

全てが常識の枠では納まらないことばかりだった。郊外ではかつて例を見ない店舗。一店舗の中に完全個室もあれば、バーもある。そしてロフトがあり、宴会広間まであるという。自由奔放な空間設計・・・。

初めてづくしのドキドキとワクワクは、常識の枠を破壊し爆発的な人気となった。

ちょうど8年位前になるだろうか。今でこそ個室もめずらしくはないが、占有面積に対して回転率が低くなりがちな個室も、複数の形態を持つ大型店ゆえに高稼働率の結果を招き、なにがし一宮店は業界の常識を新たに更新していった。


不景気は企業として
醸成していくための好機


三河エリアに展開。大切な人を招待したくなる空間と料理のなにがし知立店

三河エリアに展開。大切な人を招待したくなる空間と料理のなにがし知立店

郊外型店舗とは異なる特徴とサービスの都心型店舗、なにがし名駅西口店

郊外型店舗とは異なる特徴とサービスの都心型店舗、なにがし名駅西口店

現在、11店舗。同社はもうじき9年目を迎える。

長蛇の行列ができる店、予約が取れない店・・・数々生まれた伝説。石原社長のラーメン好きが高じてラーメンのFC店も始めた。この時もあまりの繁盛ぶりに石原社長自らが店舗に立ち7kgも痩せたとか。そして、三河エリアに店舗進出、郊外から名駅へ都心型店舗の挑戦と、とにかく走り続けている。

今、石原社長はどんなゴールを見据えているのか。

「飲食業界の経験があったワケでもなく、頼まれて始めたこの仕事。すべてはお客さんの一番の代表は自分だという気持ちが源泉で店を作り、それが支持を得て、その成功体験と持論でまた新しい店を作りまた支持を得て、楽しいからまた挑戦する。なにがし流のノウハウはそうやって集積された。競争に勝ち抜くためには上場を視野に店舗を拡大していくという考えもありますが、こういう時代だからこそ、今は店舗拡大するのではなく、人材に磨きをかけ充実させていくことで企業として強靭な筋力をつけたい。そして、自分がそうだったように、好奇心とエネルギーのある若い人達に、今自分達が楽しい!オモシロイ!と思う店作りに挑戦して欲しいのです。その右脳の感度を今度は私が左脳でキャッチボールしたら最強のお店が創れるんじゃないかと思っています。」

店を成功させるには、どんな店をやったらいいのかという以上に「戦略1割、9割が人材」だと言い切る。これが石原社長経験の中で出した結論だ。

ちなみに飲食業界を目指す人に必要な絶対条件は何かを訪ねてみた。

「努力が継続できる人」と答えが返ってきた。

当たり前のことかもしれないが難しい。

「昔、かなりやんちゃなこともして、努力を避けてきた頃もあるんですよ」という石原社長自身を振り返り、出てきたこの応えには皆もガンバレという応援のメッセージが一緒に聞こえてきた。

成功に秘策も特効薬もないが、飲食業界を目指す人には誰にでもチャンスがあるということだ。

「お客さんも社員も豊かな時間を過ごして欲しい。・・・そしていつかは、社員一人ひとりが自分の給料で無理をすることなく休みを取って、ふらりとハワイにいけるくらい、ゆとりのある会社にしたい」そう最後に石原社長は夢の楽園計画を語ってくれた。

楽園はきっと、そんなに遠くない。


石原 裕二氏(39才)
株式会社ヒューマンディレクト 代表取締役
PROFILE

石原 裕二氏(39才)
株式会社ヒューマンディレクト 代表取締役

高校を卒業後、トヨタのディーラー会社に勤務。経験を活かし若くしてディーラー会社を興す。後に、後輩に頼まれ始めた飲食店「なにがし」を独自のノウハウと感性で11店舗までに展開させる。おいしい食事とお酒と仲間を何よりも愛する兄貴的存在。45年生まれ、愛知県出身


PROFILE
社名 株式会社ヒューマンディレクト
住所 〒491-0934
愛知県一宮市大和町苅安賀字狭間65番地4
TEL 0586-47-7898
FAX 0586-47-7899
資本金 5,000万円
従業員数 272名 (平成21年7月現在)
事業内容 飲食店業を中心にフランチャイズチェーンのシステム開発、フランチャイズ店の加盟店募集及び指導業務、企業における従業員の人材育成及び教育飲食店への経営コンサルタント業務
PROFILE
■なにがし 一宮店
愛知県一宮市花池3丁目25番10号
電話/0586-46-7204
■なにがし 知立店
愛知県知立市谷田町本林2丁目17番1号
電話/0566-83-7204
■なにがし 尾西店
愛知県一宮市開明郷東21番1号
電話/0586-43-7204
■なにがし 美和店 (フランチャイズ)
愛知県海部郡美和町大字木田字沼中切8番1号
電話/052-449-5771
■なにがし 江南店
愛知県江南市高屋町清水67番地
電話/0587-55-7204
■なにがし こころ
愛知県稲沢市下津宮西町77番地
電話/0587-33-7204
■なにがし 豊田コモ・スクエア店
愛知県豊田市喜多町3丁目110番地コモ・スクエアイースト2F
電話/0565-35-7204
■なにがし 名駅西口店
愛知県名古屋市中村区椿町2丁目7番地
電話/052-453-7204
■なにがし 栄店
愛知県名古屋市中区栄3丁目9番27号
電話/052-251-7204
■なにがし はなれ
愛知県豊田市若宮町1丁目8番7号
電話/0565-35-8707
■なにがし 名駅店
愛知県名古屋市中村区名駅2丁目37番13号
電話/052-564-7204
■カラオケダイニングNANIGASHI
愛知県名古屋市中村区名駅2丁目37番13号
電話/052-564-7799

2009年8月掲載


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