東海においてレストランウエディングの先駆け的存在と言っていい。名古屋郊外の緑豊な丘にある「RAPPORT(ラポール)長久手迎賓館」、栄にある都会の中のオアシス「LE TIMBRE(ル・タンブル)」、そして8月、名駅にオープンしたばかりの「The Opera(オペラ)」を展開する同社。不動の存在感と揺るがない支持は、いったい何処から来るのだろうか。
「RAPPORT(ラポール)長久手迎賓館」丘の上に佇む白亜の邸宅。空と緑の下、ガーデンウエディングも一軒家ならでは
煌きと祝福のスターダストが降り注ぐ。そんなステージを創り上げていく舞台裏は、晴れの舞台を一層輝かせるために様々な職人が影となり、地道な努力と知恵を絞り汗を流す。
「そう、私たちは人を喜ばせるための職人。アーティストじゃなくて、職人の意味を持つアルチザンなんです」と藤巻社長はいう。
華やかな業界イメージと重なるように藤巻社長の持つオーラや笑顔はその場の空気を瞬時に明るくしたが、自身を職人と言い切る藤巻社長の華やぎは表層的な所から発せられているのではないことが、解る。
派手婚で有名な名古屋だが、レストランウエディングもすっかり知られるところになった。レストランでもウエディングができるということではなく、自分達らしいウエディングをしたいということでレストランウエディングが選ばれている。
ここ10年位だろうか。東海でも実に様々なスタイルのレストランウエディングが誕生したが、残念ながらすでになくなってしまっている会場もある。
変化と淘汰のスピードは加速して止まることがない。
「本物しか残らないんです」、と一言。
ゴージャスさだったり逆にカジュアルさだったりというスタイルやカタチをただ競うのではなく、結婚する二人とゲストに永遠に読み継がれる物語を紡ぎ、喜ばせることだけに一生懸命になりたいという。
それを実現させるのにレストランウエディングだからできるホスピタリティーに藤巻社長は、ずっとこだわってきた。
とにかく子供の頃から人を喜ばせるのが好きだったという。学生の頃はホテルの結婚式場でアルバイトをしていたが、卒業後は旅行代理店のツアーコンダクターとして就職した。
レストランウエディングとのきっかけは、ツアーコンダクター時代、よく知るお客様と旅先の温泉にのんびりとつかっていた時だった。フレンチレストランでウエディングのできる店をオープンさせるため創業メンバーとしてぜひ、力を貸して欲しいと頼まれたのだ。
1997年。レストランウエディングなど、ほとんどなかった頃である。
そこで年間150組以上の結婚式を取り仕切る中、無我夢中に3年が過ぎた頃、またしても支援をするから独立しないかと不意に声を掛けられた。
新たなチャンスを掴み長久手に一番目のレストランウエディング、「RAPPORT(ラポール)長久手迎賓館」を2002年にオープンさせた。
「The Opera(オペラ)」バンケット。海外の有名オペラハウスをモチーフに現代的なデザインを融合。オペラシート、ブライズルーム、ゲスト控え室等、多機能な設備も充実
「The Opera(オペラ)」にはチャペルも設けられている。柔らかな光と水のせせらぎに包まれ、聖なる水の中に陽光が差し込み神々しく十字架が浮かび上がってくるような空間。
新郎新婦が育った郷土を慈しみ地産地消をテーマにした料理にもこだわったレジョナール・キューイジーヌ
藤巻社長の職人魂は事業を着々と拡大している今も決して揺らぐことはない。
しかし、ある友達の結婚式でブラジルの高台にあるリゾートレストランに招待された時は、今までにない大きな衝撃を受けたという。
「もう、頭をかち割られた感じでした。レストランに着くやいなや友人である新郎が駆け寄り『飛行機で疲れたよね。ゆっくりしてってな』と出迎えてくれ、まわりを見渡すとガーデンでシャンパンを楽しむゲストがいれば、プールを楽しむ新郎の親族・・・。とにかく形式などないけれど、すべての人達が心の底から新郎新婦の晴れの日を祝い楽しんでいるのがわかりました」
気づかぬうちに、自分たちのおもてなしのスタイルや形式に枠を作り、その中で考えていないだろうか。大事なことは、二人が大切にしたい想いや伝統を重んじながらも、心底喜んでもらうにはどういうストーリーと思いがけないサプライズを仕立て上げればいいのか。新郎新婦と共に、皆で力を合わせ一から考えることなのだ。
一つとして同じストーリーはない。
そんな職人魂に一層磨きがかかったプランナー、シェフ、フローリスト等々、各分野を極めた仲間達が集結し、「オペラのようにお二人と一緒になってウエディングという最高の舞台を創り上げる」をコンセプトに8月、新たに「The Opera(オペラ)」が誕生した。
名駅徒歩4分の「名古屋プライムセントラルタワー」の2F。アクセス便利でありながら、不思議と街の喧騒から遠のいた、二人の門出にふさわしい品格のあるタワーの中にある。
1Fのフーディング・バー、「HUGU(ハグ)」ではカクテルやシャンパンを楽しめるというアプローチから、期待の予感をほんのりと胸に2Fの披露宴会場であるバンケットへと辿り着く。中央には無数のクリスタルがあしらわれたシャンデリアの輝きと光の演出で、華やかだが優しい自然光に包まれているような気分にさせてくれる。気づくとそこが都心のビルの中にあることをすっかり忘れていた。
さて、今後の展開はどのように考えているのだろうか?
「店舗数を増やすのではなく、店舗が文化として継承していける、お客様の想い出にふさわしいロケーションや街並み、そして私たちのスピリッツに共感しがんばってくれる人材がそろえば出店を考えてきました。今までも、そしてこれからも、それは変わりません」
正しいことを正しくやりたいだけ。私たちは人を喜ばせる職人なのだから。その信念が同社のフラッグシップとなり人材が集り、そこから創造されるサービスが世の中の人達に支持され続けているのだ。
藤巻社長の想いに惹かれ、毎年新卒採用では300名以上の応募があるという。
「当社のスタッフはみんな情熱と素直さを持ち、お客様のためには努力を惜しまない。本当に、いいやつらばっかりなんですよ」、とこの上なくうれしそうに笑う。
自分たちの会社は自分たちで創るというのが同社のやり方だ。社内にはいくつかの委員会があり自立的に組織が運営されている。就業規則等もやはり働くスタッフの創意工夫が込められている。
「60歳位を過ぎたら、全てを社員に任せて自分は一日数組だけに最高のおもてなしをする(予約が取りにくくなってしまうんですけどね)宿泊タイプの小さいなレストラン、オーベルジュなんかをやりたいですね。そこでお客様用のバスタブを汗をかきながらうれしそうに洗っていたりして・・・それが夢というか、そんな生き方ができたらシアワセです(笑)」
気負いなど全く感じさせない。どこまでも、人を喜ばせることに純粋な人。社名の「Eau-de-Vie(オー・ド・ヴィー)」が表すように、藤巻社長は“聖なる水”のような人なのだ。
藤巻 満氏(36才)
株式会社オー・ド・ヴィー 代表取締役
学生の頃、ホテルの婚礼式場でアルバイトの経験を積むが卒業後、旅行代理店に就職。その時、お客様であるレストランウエディングのオーナーに引き抜かれ婚礼業界に入る。2002年に独立。まかないを食べながらスタッフと他愛のない話をする時間が何よりも好きだという。サーフィンをする社員が多い中、負けじと16年のサーフィン歴を持つ。群馬県高崎市出身、36歳。
| 社名 | 株式会社オー・ド・ヴィー |
|---|---|
| 本社 | 〒451-0045 愛知県名古屋市西区名駅2-27-8 名古屋プライムセントラルタワー18F |
| 創業 | 2002年8月 |
| 設立 | 2005年4月 |
| 資本金 | 3,000,000円 |
| 事業内容 | 1 ホテル・レストラン・ウエディングバンケットの経営、運営、企画 2 ホテル・レストラン・ウエディングバンケットのプロデュース、コンサルティング |
| 事業所 | 長久手/ラポール長久手迎賓館 栄/ル・タンブル 名古屋/オペラ |
| アライアンス | 名古屋ブルーノート |
| ■クーヴェール・ア・ラ・メゾン |
|---|
| 〒465-0026 愛知県名古屋市名東区藤森2-285-1 |
| ■ペコリ |
| 〒465-0026 愛知県名古屋市名東区藤森2-285-1 |
| ■ボビン |
| 〒465-0026 愛知県名古屋市名東区藤森2-285-1 |
| ■ビストロ グリグリエ |
| 〒489-0825 愛知県瀬戸市祖母懐町45 |
2009年10月掲載
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