何度も恋しくなる
ちょっと不良なイタリア料理。

ドディチ マッジョ
オーナーシェフ 今村 光志氏(52才)

名古屋で20年続くイタリア料理の名店「ドディチマッジョ」。昨年、東区泉へ装いも新たに移転した。なかなか予約の取れない店でも知られている。食を通して人々を繋ぎ、幸せを繋げたい。そのためにも次世代料理人の育成に力を入れていきたいと今村シェフは語る。

トスカーナから国境をはずした
今村シェフが仕立てるイタリア料理


イタリアと日本の旬の素材を活かしきる今村シェフスタイル

イタリアと日本の旬の素材を活かしきる今村シェフスタイル

沖縄直送の食材を使った沖縄料理に、旬の素材を使った鉄板焼きも楽しめる。

ドディチマッジョプロデュースのスイーツカフェ「ジェンマ」ではその名の通り宝石のように美しいドルチェが楽しめる

料理だけでなく人間的魅力でもカリスマ的存在と言われる今村シェフ。彼から巣立った有名シェフも多い。

技術を深めるためイタリア・トスカーナへ渡ったのは独立してから3年後、30才の時。意外にも早くない。

「料理の世界に入ったのも早くないんですよ。もともとは家業の建築リースの仕事を手伝っていましたから。その傍ら好きでやっていた料理が高じて本格的に修行を始めたのが24才の時。まわりは、もっと若い時から修行を積んでいる仲間たちばかりでしたから、その差を埋めたいという思いが限られた時間の中で高い集中力と吸収力を発揮させたんじゃないのかな」

料理人に修行した経験の長さは関係ないと今村シェフはキッパリ言う。

何もないという飢餓感が逆に強さを生むのだろうか。

「日本で料理の専門学校に通っていた経験もなかったですからね。イタリアへ行った時も自分が気に入ったお店に三日間くらい通って、飛び込みで働きたいと懇願して修行させてもらってました(笑)」

時にワイルドで情熱的なイタリアでの修行は、あっという間に過ぎ去り一年後には帰国。後に縁あって静かな佇まいの住宅街、八事で「ドディチマッジョ」を新たにスタートさせた。

1991年頃、世の中はちょうどバブルが終わった頃だった。

今村シェフが仕立て上げるイタリア料理にはクラッシクなトスカーナ料理の系譜を汲みながらも、そこには頑固さではなく自由に解き放たれた感性がお皿の上で一つになっている。今まで経験したことのない「新しいオリジナル」が生まれ、ひたひたと今村シェフのファンが増えていった。

「トスカーナ料理はトスカーナの大地でとれる素材を活かし、トスカーナの気候の中で食べるからおいしいんです。そのままを日本で忠実に作ったとしてもおいしくないのは当然のこと。だから基本を大切にしながらも、自分のアイディアと工夫を添えることで、どのカテゴリーにも入らない世界でここだけのイタリア料理をつくるようにしていました」


20年の才月と人との繋がりが
新たなお店を誕生させた

イタリアのイメージの枠から飛び出したリッチカジュアル。新しいイタリアへようこそ

イタリアのイメージの枠から飛び出したリッチカジュアル。新しいイタリアへようこそ

最高の料理をつくり出すために料理人には快適な環境が必要。厨房はすべてオール家電。そして店内は地球に優しいLEDを導入

最高の料理をつくり出すために料理人には快適な環境が必要。厨房はすべてオール家電。そして店内は地球に優しいLEDを導入

八事という場所柄か、舌も目も最高に肥えたお客様ばかり。

そんなお客様の期待を一つひとつ越えていくことを一年、二年・・・と継続し続けてきた結果が力をつけることになったと言う。

「今時おいしいだけのイタリアンのお店ならどこにでもあるんですよね。ただ、それだけでは長きに渡りお客様から高い支持を得続けるのは難しいんです」

ファッションが時代と共に変化していくように、料理も常に変化している。お客様の期待を越えていくには、変化を先取りし勉強し続けるしかない。そして、従来とは違う新しいことに勇気をふり絞りトライを続けなければならない。

素材はインスピレーションを与えてくれるからと食材の仕入れに毎朝3時に市場へ出かける今村シェフ。新しいアプローチを試みるために仕事の合間を見て寿司屋で修行したこともあった。

「楽じゃないですよね。一皿ひと皿が勝負なんです。思案に思案を重ね、メニューづくりをギリギリまで粘るなんてこともしょっちゅうですよ(笑)。でも感動をつくるということはそういうことなんです」

一生懸命をさぼらない。そうやって走り続けて20年、今村シェフをお客様は見逃さない。それどころか強力な応援者となってあらわれた。

2010年、お客様の熱いオファーによってドディチマッジョは装いも新たに東区泉へ移転。リニューアルオープンを果たした。

大らかで、少し無骨なイタリアンというイメージからは程遠い。店内はむしろ繊細でクール。それでも所々のディテールからはラテンな遊び心がのぞき、人を思わず和ませてくれる。

「期待していたイメージと全然違うでしょ」、と今村シェフは悪戯っぽく笑った。

料理も同じで、おいしいだけじゃつまらない。遊び心が必要だ。

「おやじもがんばってるんだから、若い人にはもっとアグレッシブに挑戦した料理をつくって欲しいんです。基本はしっかりしているのに、どこかおとなしいというか。上手いだけじゃなくて、少しくらい不良っぽさがあったほうのが人も料理も魅力的なんじゃないのかな(笑)」

予約がなかなか取れないお店の不思議な魅了が少しだけ見えた気がした。


今村 光志氏(52才)
ドディチ マッジョ オーナーシェフ
PROFILE

今村 光志氏(52才)
ドディチ マッジョ オーナーシェフ

1959年生まれ、愛知県出身。高校を卒業後、家業を手伝いながら料理にのめり込んでいく。24才の時、飲食の世界へ。イタリアン、フレンチの店で修行を積んだ後に27才で独立。3年後にはイタリアへ渡り名店で修行を積み、31才の時、八事でイタリア料理の店「ドディチマッジョ」をオープン。20年の才月を経て2010年6月に「ドディチマッジョ」を東区泉へ移転。装いも新たにリニューアルオープンさせる。他にも姉妹店としてパスタをメインにした「ドディチ・マッジョ ウリボ」、スイーツカフェの「ジェンマ」がある。


会社概要
社名 有限会社セリエ ディ マッジョ
代表取締役 今村 光志
事業内容 本格イタリアン・カフェ・ケーキ専門店

◎Dodici Maggio〈ドディチ マッジョ〉
本格イタリアンがカジュアルに楽しめるレストラン
◎URIBO〈ウリボ〉
Dodici Maggioのパスタが楽しめるパステリア
◎Gemma〈ジェンマ〉
イタリアンドルチェのカフェ&テイクアウト
本社所在地 〒461-0001 名古屋市東区泉1-22-7 IZUMI 1ビル1F
URL http://www.maggio.jp/
店舗情報
■ドディチ マッジョ
名古屋市東区泉1-22-7
[TEL]052-951-0550
[営業時間]ランチ11:30~L.O14:00 ディナー18:00~L.O21:00
[アクセス]地下鉄名城線・桜通線「久屋大通」駅より徒歩5分
■ウリボ
名古屋市中区栄4丁目2-17
[TEL]052-259-2324
[営業時間]ランチ(月~金)11:30~L.O15:00 (土日)11:30~L.O15:30
ディナー(月~土)18:00~L.O21:30 (日)18:00~L.O21:00
[アクセス]地下鉄東山線・名城線「栄」駅より徒歩5分
■ジェンマ
名古屋市中区栄4丁目2-17
[TEL]052-259-2323
[営業時間]11:30~22:00
[アクセス]地下鉄東山線・名城線「栄」駅より徒歩5分

2011年10月掲載


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