労務相談


健康診断の結果を理由に採用を取り消すことはできるか?
先日、採用した従業員に入社時の健康診断を受診させました。
その結果によると、内臓に疾患が見つかり、激しい業務や長時間の業務は好ましくないとの診断でした。
本人は働くことには支障がないと言っていますが、今後悪化しても困るので、入社を取り消したいのですが、この様な場合、入社を取り消すことは出来ますか?
常時使用する労働者を雇い入れる場合、お店側は「雇い入れ時の健康診断」を受診させる義務があります。
この「雇い入れ時の健康診断」の目的は、労働者を雇い入れた場合における労働者の適正配置や、
入社後の健康管理に役立てるために実施するものであるとされており、
採用選考時に実施することを義務づけたものではありません。
また、応募者の採否を決定するために実施するものでもありません。

◆労働安全衛生規則第43条
「常時使用する労働者を雇い入れた場合は、規定される項目の健康診断を行なわなければならない」

この「雇い入れ時の健康診断」の目的から考えると、たとえ、「雇い入れ時の健康診断」の結果、病気が見つかったとしても、
それだけを理由に採用の可否を決定することは適切ではないと言えます。

つまり、見つかった病気等が「業務に差し支える病気」でなければ内定や採用を取り消す理由にはなりません。

この「業務に差し支える病気」であるかどうかを判断する根拠は、非常に難しく、明確に決められているものではありませんので、
産業医の判断等を参考に決定するのが適切でしょう。

例えばB型肝炎やHIV感染者も、通常の行為では他人に感染するものではありませんので、
健康状態が安定している限りは仕事を続けることが可能であり、必要以上に差別することは禁じられています。

ご質問の場合、今回の病気について「産業医」や「かかりつけ医」等に業務に差し支えるような病気であるかどうか相談の上、慎重に対応する必要があるでしょう。

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出張の移動を休日に行う場合、休日手当は必要なのか?
私は飲食チェーン店の本部で人事担当をしています。
毎月1回定休日の前日に全国の店長を集めて会議を行っていますが、
今回は会議が長引いたため、遠方の店長は1泊して翌日帰ることになりました。
その店長が休日の移動なので休日手当を請求してきたのですが、仕事をしているわけでもないのに支払いは必要なのでしょうか?
「労働基準法」において、「労働時間」とは使用者の指揮監督下におかれている時間とされています。
一方、「通勤時間」は使用者の指揮監督下に入っていない時間となりますので、「労働時間」とはされません。

これらを前提に考えてみると出張中の移動時間は、一般的には「通勤時間」とみなされるため、原則として「労働時間」にはなりません。
裁判例でも、「出張の際の往復に要する時間は、労働者が日常出勤に費やす時間と同一性質であると考えられるから、
所要時間は労働時間に算入されず、時間外労働の問題は起こり得ない」としています。

つまり移動時間中に、特に業務に関する指示・命令を受けておらず、労働者が自由に活動できる状態であれば、
「労働時間」とはならないとするのが妥当であるといえます。

ご質問のように、所定の休日が移動日に当たる場合についても、単に移動に要する時間であるとして「労働時間」として取り扱う必要はありません。

ただし、会社の指示で物品の運搬や物品の監視等の業務命令を受けている場合は、
使用者の指揮監督下におかれている時間として労働時間とみなされるため休日手当の支払いが必要となります。

出張に関する基準が不明確であったり、人によって取扱いが違う場合は、
トラブルに発展する可能性がありますので就業規則や出張規程などに「出張中の労働時間の取扱い」や「出張時の日当」、
「休日手当」等の出張に係わる基準を明確に明示し、従業員に対して充分に理解させておくことが望ましいでしょう。

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風呂に入らない従業員を解雇できるか?
先日入社した従業員の件で相談です。
最近、体臭がきつく感じたため、それとなく聞いたところ1週間以上風呂に入らないことが多く、
自宅にもたまにしか帰らないようなだらしない生活をしていることがわかりました。
客商売なので、クレームが出る前に解雇したいのですが、この様な理由で解雇できますか?
飲食店にとってはお客様に与えるイメージは重要です。
「見た目」や「におい」など清潔に保たれているのが当然ともいえる業種ですので、
不快感のある店員さんがいるお店には二度と行きたくないと思う人もおられることでしょう。

裁判例では「身だしなみに関する服務規律は、事業遂行上の必要性が認められ、その具体的な制限の内容が、労働者の利益や自由を過度に侵害しない合理的な内容の限度で拘束力を認められる」とされており、お店側が勤務中の服装や身だ しなみについて合理的な基準をもとに管理することは妥当であると言えます。

お店が従業員の身だしなみや服装を規制する場合、就業規則や勤務に関する規則等に出来るだけ具体的に規定されていなければなりません。
そして、採用時のオリエンテーションや、朝礼、ミーティング等で常にお店の接客サービスについての方針を従業員に浸透させることが重要です。
また、身だしなみに問題があるために、クレームが起きたり、周囲に悪影響を及ぼすおそれがある場合は、
本人に対する教育・指導を行い、何が問題なのかを理解させ、改善させるための努力が必要です。

ただし、業務命令として改善を指導したにもかかわらずお店の指示に従わない場合でも、その従業員を解雇処分にすることは実際には難しいでしょう。
お客様や取引先等からクレームが相次ぐなど従業員の身だしなみが原因である具体的な損害や悪影響が生じない限りは、
曖昧な理由で解雇処分を行うことは不当解雇となるおそれがあります。

特に体臭が原因の場合は、注意して対応しなければなりません。
「におい」は人それぞれにおいて感じ方や受け取り方が違い、体質や病気が理由であるケースもあるため、一概に悪影響を及ぼすとは立証しがたく、
改善指導や懲戒処分が行き過ぎると、「セクハラ」・「パワハラ」として訴えられる可能性もあります。

ご質問のケースは、私生活のだらしなさが原因と考えられますので、まずは就業規則やお店のルールとして「清潔な身だしなみ」が基本であることを教育し、
業務に影響を及ぼさないように私生活を改善するように指導してみましょう。
指導しても改善されない場合は指導した回数や程度に応じて段階的に懲戒処分を行うことも致し方ないかと思います。

◆身だしなみに関する規定例
◎髪型・服装・化粧等は華美なものは避け、職場・職務にふさわしいものとすること
◎サービス業にふさわしく身だしなみを整え、常に清潔を保つこと
◎周囲に悪影響を及ぼすような香水等をつけないこと

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タイムカードを使用しないと法律違反になるのか?
当店では、開業時からタイムカードは使わずに自己申告制で労働時間を管理していますが、
タイムカードを使用しないと法律違反になるのでしょうか?
タイムカードを使っていないからという理由だけで法律違反になるということはありません。
ただし、労働基準法においては、労働時間や休日、深夜労働等についての規定が設けられていることから、
使用者(事業主)は、労働者の労働時間を適正に把握するという管理上の責任があります。

具体的な労働時間の管理方法としては厚生労働省から次の基準「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置」が通達として出されています。

◆労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置
1.始業・終業時刻の確認及び記録
使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること。
2.始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
 A.使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
 B.タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。

ご質問では、自己申告制により労働時間を管理されているということですので、同じく通達により、次のような基準も示されています。

◆自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
1.自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の記録等について十分な説明を行うこと。
2.自己申告の労働時間が実際の労働時間と合致しているかどうか否かについて必要に応じて実態調査を実施すること。
3.労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。
  また、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因がないか確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善策を講ずること。

労働時間の適正な申告を阻害する要因として、例えば「時間外手当の予算枠や基準となる時間数を超える時間外労働を行った際には賞与を減額する」
というような措置は不利益な取扱いとなりますので、自己申告制の労働時間管理については、充分に注意して運用して下さい。

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退職金の計算期間には産休や育児休業の期間を含めなければならないのか?
今月退職する従業員の退職金を計算しているのですが、その従業員は産休と育児休業をあわせると2年以上休業しているため、
勤続年数に含めるか含めないかで金額が変わってきます。
産休や育児休業の期間は、含まなければならないのでしょうか?
今回の事例については、労働基準法と育児・介護休業法での取り扱いを基準に考えてみることが必要です。
労働基準法では、退職金は賃金と違って支払う事が義務づけられているものではなく、会社が自由に定めることが出来ます。

ただし、会社が退職金制度を定める場合は「適用される労働者の範囲」、「退職金の決定、計算及び支払の方法」、
「退職金の支払の時期」等に関する事項を就業規則に定めなければならないとしており、規定を根拠に従業員の権利として確定することになります。

次に育児・介護休業法では、育児休業等の取り扱いについて「事業主は、労働者が育児休業申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、
当該労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならない」と定めています。
しかし、育児休業期間中も、賃金の支払いには、ノーワーク・ノーペイの原則(「仕事をしなければ賃金が発生しない」という意味)が適用されるので、
賃金は支払わなくても問題ありません。以上から、退職金の計算時に、育児休業期間を勤続年数から除くことは、法律上問題ないと考えられます。
また、産前産後休業についても、同様です。

ただし、注意するポイントとしては、就業規則や退職金規程に産休や育児休業等の期間に対する取り扱いがどのように記載されているかが重要となります。
「産休や育児休業等の期間を除く」と定めていた場合は問題ありませんが、何も定めていない場合は、これまでに行った取り扱いが慣例となりますので、
過去に支払った退職金の計算の際に含めていた場合は、同様に取り扱うべきとなります。

その他退職金制度で育児休業等の取り扱いを定める際は、次のポイントに注意して定めましょう。

◆退職金制度で育児休業等の取扱いを定める際の注意ポイント
・育児休業等を取得したことにより、退職金の支給そのものが不支給となるような制度。
→育児休業等の取得を不当に抑制することになりますので認められません。
・退職金の計算にあたり、休業期間分を日割りで計算の対象期間から控除する際、実際の休業期間を超えて働かなかったものとして取り扱うこと。
→「不利益な取扱い」に該当するため育児・介護休業法で禁止されています。

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退職した従業員の私物は処分できるか?
先日、従業員から退職届が郵送されてきたため、その従業員が使用していたロッカーを整理していたところ、
私服やゲームなどの私物が残っていました。本人に電話しましたが、一向につながらず連絡が取れない状況です。
勝手に処分しても問題ないでしょうか?
従業員の退職または解雇の際に、私物を整理せずに辞めてしまい、いつまで経っても私物を持ち帰らず、
取りにも来ないというケースがよくあります。
私物の中に特にお金や時計など高価な物が含まれていると捨てるわけにも、そのままにしておくわけにもいかず、
お店側としてはどうすればいいのかと悩むところでしょう。

事業主には所有する建物、土地、設備などを包括的に管理する権利と権限があり、これを「施設管理権」といいます。
お店の所有するロッカーや机なども管理する施設の一部となりますので、退職した従業員がそれらを占拠し続けることはできません。

だからといって、無断で廃棄することについては問題があります。

まずは、その退職者に対して「私物が残っていること」「期日までに私物を引き取りに来ること」等について書面に記載し、通知をしておくべきでしょう。

この際に「内容証明」や「特定記録郵便」、「簡易書留」等により郵送すれば、通知したことを確実に証明することもできます。

本人と連絡が取れ、自宅への郵送を希望するのであれば、送料を本人負担にして送っても構いませんが、
連絡が取れないままの状況で送りつけるのはやめた方がよいでしょう。

手間はかかりますが、何度か繰り返し書面での通知を行い、最終的に「取りに来る意思が無いとみなして、自宅へ郵送します」と通知した上で、
それに対しても返事がなければ送付するという方法を取ってはいかがでしょうか。

どうしても受け取りに来なかったり、拒否する場合は、法務局への供託や訴訟を起こすという手段もあります。

今後はこのようなトラブルを防止するためにも、入社時に従業員から退職後の私物の扱いや引き取り期限、
処理方法等について誓約書を取っておくことをおすすめします。

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労働時間の特例とはどのような制度か?
当店は従業員数6名で飲食店を営業しています。
飲食店は労働時間の特例があると聞いたのですが、具体的にどのような内容ですか?
労働基準法では、原則として、「使用者は労働者に休憩時間を除き、1日について8時間、1週間について40時間を超えて労働させることはできない」と定められています。

しかし、規模が小さい一部の事業に限っては、原則どおりの労働時間の運用が困難であるとして、
1週間について44時間まで労働させることができるという「特例」が定められています。

この「特例」が認められるのは、常時10人未満の労働者を使用する次の事業に限られています。

◆労働時間「特例」の対象事業
1.商業(卸売業、小売業、理美容業、倉庫業などの事業)
2.映画の製作の事業を除く映画演劇業(映画の映写、演劇その他興行の事業)
3.保健衛生業(病院、診療所、歯科医院、保育所、老人ホームその他保健衛生の事業)
4.接客娯楽業(旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業)

ただし、この特例においても1日については原則どおり8時間までしか労働させることができません。
8時間を超える所定労働時間を組む必要があるのであれば、「1ヵ月単位の変形労働時間制度」を採用すれば可能となります。

これは、1ヵ月の期間を平均して1週あたりの所定労働時間が44時間以内であればよいという制度であり、
この制度を採用するためには就業規則もしくは労使協定にこの制度に関する規定を定めておく必要があります。

なお、「特例」と1年単位の変形労働時間制度および1週間単位の変形労働時間制度は併用できませんのでご注意ください。

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年末調整をした後に扶養親族が変わった場合どうすればよいか?
飲食店で事務をやっています。
年末調整の計算が終わった後に、子供が生まれた者や親が亡くなった者がいるのですが、この場合どのように処理したらよいのでしょうか?
年末調整は、1月1日から12月31日までの1年間に社員やパートタイマーなどの各従業員に支払った給与や賞与の総額に対する正確な所得税を計算し、
毎月の給与や賞与支払時に概算で徴収していた所得税の1年間の合計額との精算を行う手続です。

所得税は、名称のとおり「所得」に対してかかる税金ですので、給与などの収入から給与所得控除額を差し引いた金額(これを「給与所得」といいます。)に
一定の税率を掛けることにより正確な所得税額が決定することになります。

この所得税額を決める際には、その他に各種の所得控除を受けることが出来ますので個人毎に所得控除額を計算しなければなりません。
所得控除とは、所得税や住民税を計算するときに、所得額から差し引くことができるもので、
税金の負担をなるべく公平にするという目的で設けられており、次の内容が年末調整で控除することができます。

【年末調整で控除できるもの】
・基礎控除              ・扶養控除         ・配偶者控除
・寡婦(寡夫)控除          ・勤労学生控除      ・社会保険料控除
・生命保険料控除          ・地震保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除  ・住宅借入金等特別控除

例えば、妻子を扶養している者と独身者では、当然ながら家計の負担が大きく変わりますが、
このような場合に税負担も同じであれば扶養家族が増えると生活がますます苦しくなるという不公平感が生じてしまいます。
そのために、扶養家族が多い世帯の税負担を軽減するような仕組みになっています。
この控除の対象となる扶養親族は、その年の12月31日現在の状況により判断することになります。

ご質問の場合、年末調整の計算が終わった後であっても、12月31日までに子供が生まれたのであれば、
扶養控除を受けることが出来ますので、再度年末調整を行って下さい。
また、年の途中で扶養親族が亡くなった場合でも、その年については扶養されていた親族として扶養控除を受けることが出来ますので、
扶養に含めて計算することになります。

なお、年末調整のやり直しは、原則として翌年の1月31日が期限となりますので、
それ以降に発覚した場合や年末調整のやり直しを行わない場合は、個人で確定申告を行ってもらうように指導して下さい。

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懲戒解雇の場合、解雇予告手当を支払わなくてもよいか?
当店の経理を任せていた者が横領していることが発覚しました。
本人も認めているため、即刻懲戒解雇を行おうと思いますが、この場合は解雇予告手当を払わなくてもよいでしょうか?
使用者が労働者を解雇する場合には、少なくとも30日前に予告をしなければならないと定められています(労働基準法第20条「解雇予告」)。
また、30日前に予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならないとされており、これを「解雇予告手当」といいます。
ただし、次の場合に限り「解雇予告」は不要とされています。

(1)天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
(2)労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合

労働者の行為が(2)の「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合」に該当するかどうかによって
「解雇予告」「解雇予告手当」が必要であるかどうかが決まりますが、この「労働者の責めに帰すべき事由」の認定基準は、
行政解釈として次の6つのいずれかに該当しなければならず、認定は非常に限定的で厳格的であるといえます。

◆「労働者の責めに帰すべき事由」についての認定基準
(1)極めて軽微なものを除き、事業場内での盗取、横領、傷害など刑法犯に該当する行為があった場合。
また、その行為によって会社の名誉や信頼の失墜、取引関係への悪影響、労使間の信頼関係の喪失などを招いた場合
(2)賭博、風紀紊乱(ふうきびんらん)等により職場規律を乱し、他の職員に悪影響を及ぼした場合
(3)雇用の際の採用条件の要素となるような経歴詐称をした場合
(4)他の事業場へ転職した場合
(5)2週間以上正当な理由がなく無断欠勤し、出勤の催促に応じない場合
(6)出勤不良等により、数回にわたって注意を受けても改めない場合

今回のケースでは、まず当該行為が懲戒解雇に該当する行為として就業規則に明記されていることが必要です。
そして解雇予告手当を除外するためには、「労働者の責めに帰すべき事由」について所轄労働基準監督署長に「解雇予告除外認定申請書」を提出し、
その認定を受ける必要がありますが、この除外認定には実務的に書類が提出されてから2週間程度を要することになり、必ずしも認定を受けられるとは限りません。
従って除外認定を受けるまでに即時解雇を行うのであれば、解雇予告手当は支払わなければならないということになります。

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自転車通勤を認める場合の注意点は?
今まで電車通勤していたスタッフが自転車で通勤したいと申し出てきました。
片道約20㎞以上あるのですが、拒否する理由も無いので認めようかと思います。
認めるにあたって何か注意点はありますか?
これまで通勤といえば都心では電車、郊外は自動車というのが一般的でしたが、
近年では、通勤距離にかかわらず自転車で通勤する人が増えています。

ただし、その自転車通勤者の増加と共に自転車事故の割合も増加しています。
転倒したり、自動車等に接触されたりという事故の被害者になるだけではなく、運転者自身が加害者となる場合も大いに考えられます。
会社としても使用者責任を問われる場合がありますので、自転車通勤のリスクを充分に検討し、
次のポイントを踏まえた労務管理を行っていくことが必要です。

【自転車通勤を認める場合の主なポイント】
(1)自転車通勤を許可する基準を設ける。
「自転車通勤規程」などの規程を作成し、許可する基準や通勤時の注意事項などを明確にしましょう。
自転車とはいえ道路交通法上は軽車両となりますので、「飲酒運転の禁止」「携帯電話を使用しながらの運転禁止」「道路交通法の遵守」等について徹底させ、
違反した場合は、「自転車通勤許可を取り消す」といった措置を定めておくことが必要です。
また定期的に「安全運転講習」を行うことも検討しましょう。

(2)民間保険に加入することを条件とする。
自転車事故に係わる裁判では、何百万、何千万という高額な損害賠償が必要となったケースは数多く存在します。
本人に支払い能力が無い場合は自転車通勤を認めていた会社にも使用者責任が及ぶことがあります。
このような場合の対策として「TSマーク付帯保険」などの民間保険に加入することを許可する条件に加えておいた方が良いでしょう。
TSマーク付帯保険とは、自転車搭乗者が交通事故により傷害を負った場合に適用される「傷害補償」と、
自転車搭乗者が第三者に傷害を負わせてしまった場合に適用される「賠償責任補償」とがあり、
このTSマークの貼られた自転車運転中の事故により相手を負傷させた場合、賠償責任保険金が最高2000万円を限度として支払われることになっています。

(3)通勤手当の支給基準を定める。
自転車通勤者に対して通勤手当を支払うのか、雨などで電車通勤をした場合は手当をどうするのか等(定期代を払う、実費で精算する、支払わない等)について、
あらかじめ明確にしておいた方が良いでしょう。

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従業員の所持品を検査することはできるか?
先日、当店の従業員がお店の備品やサービス券などを持ち出していたことが発覚しました。
今後の対策として、従業員の所持品を抜き打ちで検査しようかと考えていますが、問題ないでしょうか?
お店は従業員に対して当然に所持品検査を行えるわけではありません。
所持品検査を実施するためには、次の4つのポイントについて要件を満たしている必要があります。

【所持品検査を実施するための4つのポイント】
1.所持品検査を行う合理的な理由があること
・ 営業機密の漏洩を防ぐため
・ 高価な物品を取り扱っているため
・ 物品の持ち出しにより、業務に支障を来すため
2.所持品検査の方法や程度が妥当であること
・ 所持品の中身を見せるよう求める程度であって、屈辱感や侮辱感を与えないように配慮していること
・ 身体検査等を行わないこと
3.所持品検査が制度として画一的に実施されること
・ 特定の従業員だけ実施するのではなく、従業員全員に対して画一的に実施すること
4.就業規則等に所持品検査実施の根拠が示されており、周知されていること
・ 就業規則に所持品検査の根拠、方法などを明示していること
・ 定められた規定について従業員に周知されていること

所持品検査は、無闇に行うと人権侵害やプライバシー侵害となるおそれがあります。

過去の裁判例では、「特定の人だけへの実施」、「無理矢理、身体検査をした」など違法とされた判例も多くありますので、
以上の4つのポイントについて充分に注意した上で実施を検討して下さい。

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パートタイマーに対する就業規則は作成しなければならないのか?
当店は正社員が10名、パートタイマーが8名働いています。
現在は正社員に対する就業規則は作成していますが、パートタイマーは対象から外しています。
この場合、パートタイマーに対する就業規則を作成しなければならないのでしょうか?
労働基準法では、常時10人以上を雇用する事業所においては、就業規則の作成が義務づけられています。

この場合、パートタイマーについても、労働基準法上は正社員とかわらず労働者となりますので、
例えば正社員とパートタイマーが混在するお店であっても、それぞれを合わせて常時10人以上を雇用している事業所であれば、
労働者全員に適用される就業規則を作成する必要があります。

したがって、パートタイマーに適用される就業規則が作成されていない場合は労働基準法違反となります。

◆労働基準法第89条
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。
次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
(1)始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては
就業時転換に関する事項…以下省略

ご質問に対する対策としては、次の2点が考えられます

(1)パートタイマーに適用する就業規則を新たに作成する。
(2)正社員用の就業規則をパートタイマーにも適用させる。
  ただし、正社員とパートタイマーで待遇がかわる内容については、明確に基準を定めることとする。

就業規則の届出の際は、労働者の過半数を代表する者の意見を聞くこととなっていますが、
パートタイマーに適用される就業規則を作成する際には、
正社員の代表者だけでなくパートタイマーの代表者にも意見を聴くことが望ましいとされています。

また、就業規則は周知されていないと効力がありませんので、パートタイマーにも説明会などを開催し、
内容を確認してもらうようにしましょう。

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喫煙室設置に対する助成金とはどんなものか?
飲食店のたばこ規制に対応するため、当店でも喫煙室を新たに設置しようかと考えています。
この設置費用に対する助成金があると聞いたのですが、どんな内容ですか?
飲食業界では、厚生労働省の通達や各都道府県の受動喫煙防止条例の施行などにより、店内での喫煙・分煙対策が問題となっています。
多くの飲食店が、喫煙席と禁煙席に分けただけで、分煙対策をとっていないため、
店内にはたばこの煙が充満し、禁煙席に座っていても受動喫煙をさせられるというのが現状です。
条例などにより規制されても、現実問題として分煙施設の設置にはコストがかかるため、経営者の頭を悩ませることになっています。

◆受動喫煙とは?(健康増進法第25条)
「室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされること」

この様な環境の中で受動喫煙防止対策に取り組む飲食店などを財政面から支援するため、「受動喫煙防止対策助成金」が創設され、
平成23年10月1日より開始されることになりました。この助成金を受給するためには、次の要件を満たすことが必要となります。

【受給できる事業主の主な要件】
(1)旅館、料理店又は飲食店を営む中小企業事業主であること
(2)労災保険に加入していること
(3)空間分煙の設備設置等に係わる計画書を作成し、労働局に届出していること
(4)計画書に基づき喫煙室設置等による空間分煙を行う中小企業事業主
(5)喫煙室設置に係る書類を整備していること
(6)その他喫煙室等の要件を満たしていること(入口において喫煙室内に向かう風速が0.2(m/s)以上 など)

【助成金の額】
喫煙室の設置等に係る経費のうち、工費、設備費、備品費及び機械装置費等の4分の1。(ただし、助成金の上限額は200万円)

助成金は、事前に計画をしっかり立て、定められた手順に沿って行えば、受給できる可能性が大いにありますので、
受動喫煙防止対策を考えておられる飲食店の方は活用してみてはいかがでしょうか。

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パートが社員への転換を希望してきた場合、受け入れなければならないのか?
私は飲食店の経営者です。5年働いているパートのスタッフが正社員にしてほしいと言ってきました。
このところ経営状況が良くないので、人件費削減のために新規採用を見合わせており、今後もなるべく人員も減らしたいと考えています。
このような場合でも、希望を受け入れなければならないのでしょうか?
パートタイマーから社員への転換希望について、次に該当する場合は受け入れが必要であると考えられます。

・採用時、雇用契約時に社員への登用を期待させていたことがある場合
・新規採用を募集していたり、他のパートを社員登用したりしている場合
・本来社員であった者が、育児や介護のために一時的に短時間勤務になっている場合

これらに該当しなければ、申し出を拒否することで本人にとって労働条件の不利益変更になる余地がありませんので、問題はありません。
ただし、今後、新規採用の社員を募集する場合などは「パートタイム労働法(平成20年4月1日改正)」を留意する必要があります。
この「パートタイム労働法」は、パート労働者の雇用環境の整備が目的であり、パート労働者に対する労働契約、賃金、待遇等について定められています。
パート労働者(短時間労働者)とは、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(正社員)の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」
とされています。
例えば、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」など、呼び方は異なっても、
この条件に当てはまる労働者であれば、「パート労働者」として「パートタイム労働法」の対象となります。
この「パートタイム労働法」の中では、パートから正社員への転換を推進するために次のような措置を講じることが義務化されています。(第12条)

【労働基準法第16条】
・正社員を募集する場合、募集内容を既に雇っているパート労働者に周知する。
・正社員を社内公募する場合、既に雇っているパート労働者にも応募機会を与える。
・パート労働者が正社員へ転換するための試験制度を設ける等、転換制度を導入する。

ご質問の場合、現状においては社員への転換希望を拒否することは問題ありませんが、今後、新規に正社員の募集を行うことがある場合などは、
「パートタイム労働法」の均衡待遇に注意して、先にパート労働者に機会を与えるなどの措置を取らなければなりません。

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年次有給休暇の計画的付与とはどのようなものか?
私は飲食店で事務を担当していますが、当店の従業員はほとんど有給休暇が取れず、不満が出ています。
有給休暇の計画的付与という制度があると聞いたのですが、どのように行うのですか?
年次有給休暇(以下「有給休暇」)は、原則として労働者の請求に基づき、本人の希望する日に取得することが出来るものです。

ただし、会社と労働者の過半数を代表する者との間で労使協定を結ぶことにより、
あらかじめ取得する時期を特定することが出来ます。これを有給休暇の「計画的付与」といいます。

◆年休の計画的付与を行う場合に必要な要件
1.労使協定を結んでいること
労働者の過半数で組織されている労働組合があればその組合と、組合がない場合は労働者の過半数を代表する者との書面による協定が必要。
2.従業員の有給休暇のうち、5日を超える部分のみ付与可能
従業員が保持している有給休暇のうち、5日を超える部分についてのみ付与可能。
有給休暇が6日以上残っていない従業員を、「計画的付与」により休業させた場合には休業手当(労働基準法26条)を支払う必要がある。

◆労使協定に盛り込むべき内容
計画的付与は次の方法があり、それぞれの方式に応じて定めるべき内容があります。
1.事業場全体の休業による一斉付与方式…具体的な有給休暇の付与日
2.グループ別の交替制付与方式…グループ別の具体的な有給休暇の付与日
3.有給休暇付与計画表による個人別付与方式…計画表を作成する時期、手続等

以上の内容について労使協定を締結すれば、有給休暇の「計画的付与」を行うことが出来ます。
「計画的付与」を行うことにより、有給休暇の取得率を促進したり、労働時間の短縮等の効果は期待できますが、
従業員から「有給休暇が減らされている」「自由に有給休暇が取れない」等の不満の声があがらないためにも、制度の趣旨、内容を十分に説明しておくことが必要です。

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研修直後に退職する従業員に対して研修費用を返還させることはできるか?
当店では、正社員に対して入社後1ヵ月間の宿泊研修を行っており、研修にかかる受講料・宿泊費・交通費などの費用は全額を会社で負担しています。
しかし、今回の研修が終わり、2?3日経過後に正社員の1名が突然退職を申し出てきました。
会社としては、研修の意味がなく、負担も大きいので、このように研修後すぐに辞める従業員については研修にかかった費用を返還させたいのですが、
問題ありませんか?
「退職する場合は違約金を支払うこと」や「退職による損害賠償金を請求する」等のように、
退職する従業員に対して違約金や損害賠償を予定した労働契約を締結することは、
労働者の退職の自由を奪い、不当な身分拘束により強制労働させられることになりかねないため禁止されています。
これに関して労働基準法では、次のように定められています。

【労働基準法第16条】
使用者は労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない

この条文の趣旨は、違約金や損害賠償の予定を禁止することによる強制労働の防止です。
ご質問のケースにおいても、研修費用を返還させることは、これらの「違約金・損害賠償の予定」に該当すると考えられるため、
研修直後に退職するからといって返還を要求することはできません。
しかし、お店側にとっては、せっかく充実した研修を行っても、すぐに辞められたのでは何のメリットもなく、経費を無駄にしたと感じるでしょう。
今後の対策として考えられる方法は、研修費用の貸付・立替制度を作り、この制度に基づいて社員の宿泊研修を計画することです。
ただし、この場合でもお店側が自由に定められる訳ではなく、次の要件を満たす必要があります。

・従業員本人の自由意思で参加する研修であること
・研修にかかる費用が、合理的な金額の範囲内であること
・研修費用の貸付金・立替金を返還すればいつでも自由に退職できること
・一定期間勤務すれば、貸付金・立替金の返還が免除され、かつ、その期間が不当に長くないこと

この制度を整備するのであれば、事前に研修目的、研修費用、免除となる期間、
貸付金・立替金の返還方法等について具体的に規定し、研修希望者に対して説明が必要です。
ただし、研修が業務に必要不可欠なものであり、強制参加の場合は、その研修費用はお店側が全額負担すべきものとなりますのでご注意ください。

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採用時に住民票の提出を義務づけることはできるか?
飲食店の総務担当者です。当店では、身元や家族構成を確認するために採用時に「住民票」の提出を義務づけているのですが、
今回の採用予定者から法的に提出義務はあるのかという問い合わせがありました。
住民票の提出は法的に問題があるのでしょうか?
従業員を採用するにあたって、会社側は事務手続きや労務管理上の確認等を目的に様々な書類の提出を求めることがあり、
採用予定者の身元確認を行うために公的書類の提出を求める場合もあります。
公的書類の提出を求める行為自体は差し支えありませんが、この場合「戸籍謄本」や「住民票」を求めないように行政指導が行われています。

これは、「戸籍謄本」や「住民票」を求めることにより、記載されている国籍や本籍等が明らかとなるため、
それによって労働基準法第3条に定められている「均衡待遇」に抵触する差別的取り扱いが行われるおそれがあるからです。

◆労働基準法 第3条(均等待遇)
使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

厚生労働省では次のような通達を出しています。

(1)戸籍謄(抄)本および住民票の写しは、画一的に提出または提示を求めないようにし、
  それが必要となった時点(例えば、冠婚葬祭等に際して慶弔金等が支給されるような場合で、その事実の確認を要するとき等)で、
  その具体的必要性に応じ、本人に対し、その使用目的を十分に説明の上提示を求め、確認後速やかに本人に返却すること。
(2)就業規則等において、一般的に、採用時や慶弔金等の支給時等に戸籍謄(抄)本や住民票の写し等の提出を求める旨を規定している事例があるが、
  可能な限り「住民票記載事項の証明書」により処理するよう変更すること。

以上のように「住民票」等の提出を義務づけることは問題がありますが、会社側は労働者名簿の作成、
雇用保険・健康保険等の加入手続きなどで正確な情報を入手する必要もありますので、ご質問のケースでは今後「住民票」の代わりに
「住民票記載事項証明書」を提出させて、氏名、現住所、生年月日など必要な事項だけ確認できるようにするのが望ましいでしょう。

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4月から6月が忙しいと社会保険料が高くなるというのは本当なのか?
私は飲食店を経営しており、今年の1月から社会保険に加入しました。
先日、知り合いから「4月から6月が忙しいと社会保険料が高くなる」と聞いたのですがこれは本当ですか?
当店は春先が特に忙しく、その他の季節は比較的落ち着いています。
社会保険の負担は大きいのでなるべく社会保険料を安くしたいのですが、良い方法はありませんか?
社会保険(健康保険・厚生年金保険)の保険料は毎年4月、5月、6月の3ヵ月間に被保険者に支払われた給与の平均額を、
標準報酬月額表という表にあてはめて標準報酬月額等級を決定し、その標準報酬月額に保険料率を掛けて算出します。
これを「定時決定」といい、ここで決定された保険料が、その年の9月分から翌年8月までの1年間の保険料となります。

ご質問の通り、4~6月が忙しく通常よりも残業手当などが増える場合は、その期間の給与支払額が増加するため、
高い標準報酬月額等級で決定され、保険料も高くなってしまいます。
繁忙期に残業を押さえることは難しいと思われますが、社会保険料を節減するのであれば、アルバイトやパートの方々をうまく活用して、
社会保険加入者の残業手当が極端に増えないように配慮する必要があります。

また、本年4月からの法改正により、「定時決定」時において次の要件に該当する場合は、
1年間の給与平均額に基づいて標準報酬月額を決定してもらうよう申し立てが出来るようになりました。

【申し立ての基準】
「当年4~6月の3ヵ月間に受け取った報酬の月平均額から算出した標準報酬月額」と
「前年7月から当年6月までの間に受けた報酬の月平均額から算出した標準報酬月額」の間に2等級以上の差を生じた場合であり、
その差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合(いずれも給与支払い基礎日数が17日未満の月を除く。)」

つまり、「(1)1年間で4月~6月が特に忙しく残業代等の増加により標準報酬月額が高く算定されてしまう場合。」であり、
「(2)業務の性質上、例年(1)の状況が見込まれる場合。」については、申し立てを行い認められれば、「1年間の平均」で保険料を決定してもらうことが可能です。

【申し立てに必要な書類】
(1)業務の性質上例年見込まれる者である理由を記載した申立書
(2)被保険者の同意書
(3)当年4~6月の報酬額等と前年7月~当年6月の報酬額等を比較した書類

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育児休業からの復帰は従前の職務に復帰させなければならないのか?
当店では、来月、育児休業から復帰予定の社員がいます。
以前は、店長として1店舗を任せていたのですが、育児休業後に新たな店長を採用しており、新体制で業務が円滑に進んでいます。
そこで、今回復帰する社員には店舗ではなく、本社の営業事務で復帰してもらいたいと考えていますが、問題はありますか?
育児や家族の介護を行う労働者の仕事と家庭生活との両立が図られるよう支援することを目的に
「育児・介護休業法」という法律があり、「育児休業・介護休業に関する制度」、「子の看護休暇に関する制度」、
「育児及び家族の介護を行いやすくするための短時間勤務制度」等について定められています。
「育児・介護休業法」では、必ずしも休業前の職務への復帰が義務づけられているわけではありませんが、出来る限り配慮することが求められています。
また、育児からの職場復帰の際にやむを得ず配置転換する場合には、配置転換後の労働条件が労働者にとって不利益にならないように配慮する必要があります。

今回のご質問のケースのように休業期間中に代替要員を補充する会社も多く、現職に復帰させるのが難しい場合も多いでしょう。
そのような場合であっても、できるだけ現職に近い仕事や職場環境を用意し、復帰した従業員に対して充分に説明をすることが求められます。
また、育児休業をしたことを理由に労働者にとって不利益な取扱いを行うことを禁止していますので、やむを得ず配置転換を行うことになった場合であっても、
この配置転換が不利益取扱いに該当しないように注意しなければなりません。

■「配置転換」が不利益な取扱いに該当するかどうかの判断基準
通常の人事異動のルールからは十分に説明できない職務又は就業の場所の変更を行うことにより、
当該労働者に相当程度経済的又は精神的な不利益を生じさせること。
(1)妊娠した労働者が、従事する職務において業務を遂行する能力があるにもかかわらず、賃金その他の労働条件等が劣ることとなる配置の変更を行うこと。
(2)妊娠・出産等に伴い、従事する職務において業務を遂行することが困難であり配置を変更する必要がある場合において、他に適当な職務があるにもかかわらず、
  特別な理由もなく当該職務と比較して、賃金その他の労働条件等が劣ることとなる配置の変更を行うこと。
(3)産前産後休業からの復帰に当たって、現職又は現職相当職に就けないこと。

育児休業からの復帰に際し、現職に復帰させるのが難しく、配置転換を行わざるを得ないような場合には、
トラブル防止のために事前に本人へ充分な説明を行ない、了承を得ておくことが重要なポイントとなります。

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月ごとに勤務日数が違うパートタイマーへの有給休暇はどうなるのか?
当店では、パートタイマーを数名雇っていますが、勤務はすべてシフト制なので月によって出勤日数が異なります。
先日その中の1人が有給休暇を申請してきたのですが、出勤日が自由に選択できるのに、有給を与える必要はないと思いますが、問題ありますか?
有給休暇とは本来、「労働の義務」がある日に労働者が休暇を申し出る事により、「労働の義務」を免除する制度です。
シフト制の勤務で、事前に労働日を自由に選択できるパートタイマー等の場合、有給休暇は発生しないと思われている方も多いようですが、
労働基準法ではシフト制のパートやアルバイトであっても、有給休暇の付与要件(6ヵ月以上の継続勤務、80%以上の出勤率)を満たせば
所定の有給休暇を取得する権利が発生します。(参照:パートタイマーでも年次有給休暇を請求できるか?)

通常、有給休暇の付与日数は、労働契約時に定められた1週間の所定労働日数により決定する事になりますが、
シフト制で1週間の所定労働日数が特に定められていない場合は、1年間の所定労働日数を基準として付与日数を決定します。
この場合、1ヵ月のシフト表による所定労働日数を12倍して1年間の所定労働日数を算定しますが、ご質問のように月ごとに勤務日数が増減する場合、
計算した月の勤務日数が極端に少ないときは、従業員の不利益になるおそれがありますので、月平均による出勤日数をもとに算出する必要があります。

例えば1ヵ月の平均出勤日数12日、勤続2年のパートタイマーの場合、12日×12月=144日となりますので、
下の表の1年間の所定労働日数「121日~168日」、勤続年数「1年6ヵ月」の欄にあてはめると年間6日の有給休暇が発生することになります。

※1週間の所定労働時間が30時間未満または1年間の所定労働日数が217日未満の場合
週所定労働日数 1年間の
所定労働日数
勤続年数
6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月以上
4日 169~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

ご質問の場合、個人毎の平均出勤日数をもとに有給休暇の付与日数を算出する事になりますので、
申請された有給休暇について拒否したり、与えないとする事は出来ません。

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自宅マンションの階段でケガをしたら通勤災害になるのか?
先日、当店のアルバイトが出勤する際、急いでいたため自宅マンションの階段を踏み外して転倒し、ケガをしました。
マンションの共有スペースでの災害ですが、これは通勤災害になるのでしょうか?
通勤災害の判定基準としては「住居」と「通勤経路」の境界がどこであるかが重要なポイントになります。
通常、一戸建て住宅であれば、門を一歩出た道路からが通勤経路となりますので、
玄関ドアから門までの間で起こった災害は自宅住居内での災害とされるため通勤災害とは認められません。

しかし、マンションやアパートなどの集合住宅の場合、道路に出るまでに階段やエレベーター、
エントランスホールなどの共有スペースがあります。
この共有スペースは、居住者以外の人々の通行が自由にできるため、「住居」とはみなされず、
自宅玄関のドアが「住居」と「通勤経路」の境界となります。
従って、ご質問の場合は共有スペースである自宅マンションの階段で起きた通勤途上のケガになりますので、通勤災害として認められます。

ちなみに最近ではオートロック式のマンションが数多く見受けられますが、
オートロック式のマンションの場合、見解が分かれることがあります。

というのも共有スペースであっても、マンション内部は居住者以外の人々の通行を自由に行うことができないため、
自宅玄関のドアからマンション出入り口であるオートロックドアまでに起こった災害については通勤災害と認められない、との見解があります。
一方、本人以外の居住者は自由に出入りが出来るので通勤災害として認めるべきという見解もあります。

ただし、この様な事例がまだまだ少ないため、その都度、被災状況を見て管轄の労働基準監督署の判断に委ねられているというのが現状です。

◆「住居」と「通勤経路」の境界線の判断ポイント(行政解釈より)
・労働者が居住するアパート等の外戸が「住居」と「通勤経路」との境界であるので、アパート等の階段は通勤経路と認められる。
・「住宅」と「通勤経路」との境界線は公道から被災労働者の所有する敷地に入る地点であると考えられる。

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経歴詐称を理由に内定を取り消せるか?
私は飲食店の採用担当をしています。今回、採用内定の通知を行ったのですが、その内の1人が履歴書で経歴を偽っていることが分かりました。
当店では、一から教えたいので飲食業の未経験者を採用することにしているのですが、その者は半年ほど勤務経験があるらしいのです。
本人は「勤務期間が短いので省略しました」と言っていますが、経歴詐称に当たるので内定を取り消しても問題ないでしょうか?
採用に至るまでの流れは、一般的には次のようになります。

(1)就職希望者が応募→(2)書類選考(履歴書や職務経歴書など)→(3)面接や採用試験(会社によって回数は様々)
→(4)条件提示、内定通知→(5)労働契約、採用

内定を通知した時点では、まだ働き始めたわけではありませんが、内定通知の記載内容や、内定者への説明、
就業規則等による採用手続きの定め方等によっては労働契約が成立したとみなされる場合があります。

その場合に内定を取り消すことは、労働契約を解除することになりますので、解雇と同様、合理的理由が必要となり、
合理的な理由がない場合には内定取り消しが無効とされます。

◆内定取り消しが有効と認められる事例
(1)採用内定通知、入社誓約書等に記載されている内定取消事由があるとき
(2)経歴詐称など履歴書等の提出書類に虚偽の記載を行っていたことが発覚したとき
(3)内定者本人の健康状態が悪く、勤務が困難であると判断されるとき
(4)採用内定後、内定者本人が逮捕・起訴されたとき
(5)卒業予定だった高校、大学等を卒業できなかったとき
(6)業務の縮小など経営上の都合による事由で採用が困難なとき(この場合、内定を取り消すには、「整理解雇の要件」を満たさなければなりません。)

ご質問の場合、内定取り消しを有効とするには(1)及び(2)の事例に該当する必要があります。
内定通知等に飲食業の未経験者であることが採用の条件であると明示していたり、面接時に確認しているにも関わらず、
故意に虚偽の記載を行っていたのであれば重大な経歴詐称となり、内定取り消しが有効と認められる可能性が高くなります。

しかし、そのような内定取り消し事由がはっきりとしていない場合は、内定取り消しが無効とされ、
慰謝料等の支払いが命じられることがありますので、安易に内定取り消しができると判断しないよう注意が必要です。

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役員になったら、雇用保険は加入できないのか?
私は飲食業の会社で店長として働いていますが、来月より取締役に就任することになりました。
ただし、仕事内容は今まで通りで変わりません。
役員になったら雇用保険には加入できないと聞きましたが、これは本当ですか?
雇用保険とは、労働者が何らかの事情により職を失ったときに失業給付を支給することにより、
再就職するまでの間の生活の安定を補償したり、失業を予防するために育児休業中や介護休業中の労働者に給付金を支給したり、
教育訓練を行う者に給付金を支給して求職活動を支援する、等の事業を行うために国が運営する保険の制度です。

この雇用保険には一定の要件を満たした労働者が加入対象となりますが、原則として会社の役員(取締役、監査役)は「労働者」とは見なされない為、
雇用保険に加入することはできず、失業保険等の給付を受け取ることはできません。

しかし、登記上は役員になっていたとしても、実態は労働者の身分を併せ持っているというケースもよくあります。
このように役員であっても同時に労働者としての身分を有する者は「兼務役員」としてハローワークに申請し、
次の判断基準を満たせば雇用保険に加入することが可能です。(ただし、代表者は除きます。)

◆「兼務役員」としての主な判断基準
(1)報酬の支払の面から見て労働者的な性格の強いもの
→労働者としての賃金が役員報酬以上であること
(2)事業主と労働者として雇用関係があると認められるもの
→労働者としての勤務実態があり、次の帳簿で実態が確認できること(労働者名簿、出勤簿、賃金台帳で確認できること)
(3)次の書類等により、労働者性が確認できること
・取締役会議事録  ・登記簿謄本  ・定款
・就業規則  ・人事組織図
・法人税関連資料14号「役員報酬手当等及び人事費の内訳書」 等

ご質問のケースでは、仕事内容が以前と全く変わらず、実態として労働者としての性格が強いと思われますので、
書類をそろえて申請すれば継続して雇用保険に加入することが可能でしょう。

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退職証明書を請求された場合、交付しなければならないか?
退職する従業員から、次の就職先に提出するため「退職証明書」が欲しいとの請求がありました。
今までこのような証明を出したことがないのですが、交付する必要がありますか?
労働基準法第22条では、労働者が退職時に証明書を請求した場合、使用者に証明書の交付を義務づけています。
この書類を一般的に「退職証明書」と呼んでいます。

「退職証明書」は、退職理由をめぐるトラブルの防止や労働者の再就職活動に役立てることを目的としていますので、
使用者が労働者より「退職証明書」の交付を請求された場合に、これを拒否したり、理由もなく交付を遅らせたり、
労働者から請求されていない事項(例えば解雇理由など)を証明書に記入したときには、使用者は罰則が科せられます。
(30万円以下の罰金:労働基準法第120条第1号)

この「退職証明書」において、使用者が証明しなければならない事項は、次の(1)?(5)の項目の中で労働者が請求した事項です。

【証明しなければならない事項】
(1)使用期間
(2)業務の種類
(3)その事業における地位
(4)賃金
(5)退職の事由(退職の事由が解雇の場合は、その理由を含む)

労働者が請求しない事項について記入することは禁止されていますので、
労働者は、(1)?(5)の各項目の中で記載して欲しいものを指定して、「退職証明書」の交付を受けることができます。

以上により、事業主には退職時の証明を行う義務がありますので、従業員に記載を希望する事項を確認して、退職証明書を交付して下さい。

【その他のポイント】
(1)退職証明書の用途は、労働者に委ねられている。
(2)雇用保険の離職票の交付をもって、退職証明書に代えることはできない。
(3)退職証明書を求める回数については制限はない。
(4)退職証明書の請求権の時効は、退職時から2年。

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ネット上にお店の批判を書き込んだ従業員を解雇できるか?
当店の若手従業員が、自分のブログに店の批判や、上司への中傷を数回に渡って書き込んでいたことが判明しました。
本人に問いただしたところ、事実を認めたのですが、
「自分のブログに書いただけなので何を書こうが自由ではないか」と反論しています。
このようなことをされるとお店の評判も悪くなるので、解雇したいのですが問題ありませんか?
ブログやツイッターの普及により、様々な情報が簡単に発信できる時代になりました。
最近では、インターネットを利用し、会社に対する批判や誹謗中傷をする人も目立つようになっています。
この様な批判・誹謗中傷により、会社の信用が失われる可能性も高くなりますので、
特に飲食業などのサービス業では直接消費者に悪い印象を与えてしまうことにもなりかねないでしょう。

しかし、ブログなどでの批判や誹謗中傷の行為が、解雇事由に該当するかどうかは慎重な判断が必要となります。

ブログに書かれた批判の内容、上司への誹謗中傷の程度、その内容が事実なのかどうか、
そしてそれによってお店が失った社会的信用の程度などを総合的に判断し、どのような懲戒処分をするのが妥当であるかを検討しなければなりません。
労働者の勤務時間以外についてはお店が拘束することはできないため、基本的には何を行おうが労働者個人の自由となります。
その一方で、労働者は労働契約と共に誠実に労務を提供するという義務も負っていますので、
お店の機密情報や個人情報を漏らしたり、イメージを損なう誹謗中傷を行う等、お店の利益に反する行為は許されません。

ご質問のケースでは、ブログで書かれた内容が事実である場合や書かれた内容が極めて軽微な場合は、
その行為によりお店の運営に支障をきたすような相当重大な事実が認められなければ、
「減給」や「出勤停止」などの懲戒処分までは行えても、「解雇」の処分を行うのは難しいでしょう。
また、懲戒処分を行う場合でも、「どのような行為が懲戒処分に値するか」、
「外部への流出を禁止する個人情報・機密情報の範囲は具体的にどの程度か」等について就業規則等で明確に明示しておかなければなりません。

今回は解雇以外の懲戒処分に留め、今後このような行為を行わないという誓約書を取ってはいかがでしょう。
それにも関わらず繰り返す場合は「解雇」処分を検討してはどうでしょうか。

【今後の防止対策】
●就業規則に遵守すべき機密情報を明確に規定し、ブログ等への機密情報に係わる書き込みやお店・上司への誹謗中傷を禁止する。
●入社時及び退職時に機密情報保護誓約書を交わし、情報漏洩等の防止を意識づける。
●従業員に対して、定期的に機密情報等の取り扱いについての教育を徹底する。

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計画停電に伴い休業させる場合、賃金の支払いは必要か?
私は飲食店のオーナーをやっています。
東京にもお店を出しているのですが、この度の東北地方太平洋沖地震の影響による計画停電の日は営業が出来ないので、
その日は計画停電の時間帯にかかわらず従業員を休ませています。
この場合、賃金の補償は必要なのでしょうか?
この度の東北地方太平洋沖地震で被災された方々にお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

今回の震災のような突発的な大災害時には都市機能が麻痺してしまうため、
停電による操業停止や通勤不能など、様々なところで業務活動にも影響が出ています。

ご質問のように、計画停電に伴い、従業員を休業させる場合の取り扱いについては、厚生労働省から次のような通達が発表されています。

【計画停電時の取り扱いについて】
(1)計画停電の時間帯に事業所に電力が供給されない理由により休業する場合は、原則として使用者に責任のある休業には該当しない。
(2)計画停電の時間帯以外に休業する場合は、原則として使用者に責任のある休業に該当する。
  ただし、計画停電が実施される日に、計画停電の時間帯以外も含めて休業とする場合に、
  「他の手段の可能性」、「休業を回避するための具体的努力」等を総合的に判断し、
  計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と認められるときは、
  計画停電の時間帯以外を含めて、原則として使用者に責任のある休業には該当しない。
(3)計画停電が予定されていたため休業したが、実際には計画停電が実施されなかった場合については、
  計画停電の予定、その変更の内容やそれが公表された時期を踏まえ前記(1)(2)に基づき判断する。

ご質問の場合、原則として計画停電により休業させた時間帯は休業手当を支払う必要はありませんが、計画停電の時間以外も併せて休業させる場合には、
お店が休業を回避するための努力をどの程度されていたかによって、休業手当の支払いが必要かどうかが判断されます。

この判断については、今後も計画停電地区の細分化など政府の対応の変更も予想されますので、
計画停電の時間帯以外も併せて休業する場合は慎重に判断して下さい。

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私生活で逮捕された従業員を解雇できるか?
当店の従業員が休日に泥酔し、他人の家の庭に入り込み暴れていたため、住居侵入罪として逮捕されました。
当店の就業規則では「犯罪行為により、著しく店の名誉または信用を失墜させた場合は懲戒処分を行う」
と規定されていますので、解雇しても問題ないでしょうか?
原則として業務外の行為は、懲戒処分の対象とはなりません。
通常の労働時間以外に労働者が何を行うかについては全く労働者の自由であり、事業主の指揮命令が及ばないからです。

しかし、事業主の業務上の利益を著しく侵害したり、
事業主の信用を著しく低下させるような社会的評価に重要な影響を与える行為を行った場合は、
業務外であっても懲戒処分の対象とすることも可能です。
ただし、この場合であっても私生活の自由は十分に保障されるべきものですので、業務外の非行に対する懲戒処分の行使は、
合理的な範囲内に限定されると考えられるため、「当該行為の内容・性質」、「刑罰の程度」、「職場での地位・立場」、
「行為と処分の均衡」等の諸事情を考慮して、総合的に判断することが必要です。

◆懲戒処分の主な判断ポイント
(1)問題となった行為が就業規則の懲戒事由に該当するのか。
(2)本人に弁明の機会を与えて事件の状況・経緯を確認。
(3)従業員の会社における地位、職種、立場はどうなのか。
(4)会社の経営方針、社会に占める立場、事業の種類・規模はどうなのか。
(5)当該行為が会社の社会的評価に重要な影響を与える行為と言えるのか。

ご質問のケースでは、あくまで従業員の私生活上の事件であり、刑罰もそれほど大きくはならないと思われますので、
お店の信用や社会的評価に影響を与えたとは言えないでしょう。
過去の裁判例でも「業務に関係のない私生活の範囲内で行われたこと」、「刑罰が軽い」、「指導的な地位にない」等に該当する場合は、
懲戒解雇処分が無効とされています。
懲戒事由に該当するとしても解雇処分を行うことは不適当であると考えられますので、「始末書の提出」や「出勤停止」程度までの懲戒処分を行い、
今後はこのようなことを起こさないよう指導してはいかがでしょうか。

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労災保険に未加入中の事故でも給付を受けることはできるか?
宅配専門の弁当屋を経営しています。
私の他には学生アルバイトを3人雇っているだけでしたので、今まで労災保険に加入していませんでしたが、
先日、アルバイトの1人がバイクで宅配中に転倒して大けがを負ってしまいました。
今からでも労災保険に加入することはできないでしょうか?
労働者の業務上や通勤途上で起きた事故等は労災保険で給付を受けることになっており、
原則として労働者を1人でも雇っている事業主は必ず労災保険に加入しなければなりません。
この労災保険に加入していない事業所で発生した事故であっても、労災保険は労働者を労働災害等から保護することが目的ですので、
労災保険の給付請求をすることができます。
そして、労災と認定されれば治療費や休業補償などの保険給付を受けることができます。

しかし、労災保険の加入義務があるにも関わらず、加入手続を行わない事業所も多く、
適正に手続きを行い保険料を納付している事業所との間で費用負担の公平性を確保するための対策として、「費用徴収制度」が強化されています。

◆費用徴収制度のポイント◆
(1)労災保険の加入手続きについて行政機関からの指導等を受けたにも関わらず、手続きを行わない期間中に労災事故等が発生した場合。

事業主が「故意」に手続を行わないものと認定して、支給された保険給付額の100%を徴収。

(2)労災保険の加入手続きについて行政機関からの指導等を受けてはいないが、
  労災保険の適用事業となった日から1年を経過してなお加入手続きを行わない期間中に労災事故が発生した場合。

事業主が「重大な過失」により手続きを行わないものと認定して、支給された保険給付額の40%を徴収。

ご質問の場合、労災申請を行い認定を受ければ労災から保険給付を受けることが出来ますが、
未加入期間中の労働保険料(最大2年間)と追徴金(保険料の10%)が徴収され、さらに前述の要件に該当する場合は、「費用徴収」が行われる可能性があります。

しかし、労災保険は事業主の義務ですので、今からでも適正な手続きを行いましょう。

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残業時間の割増賃金支払いの義務とは?
飲食店の経営者です。
最近アルバイトの残業が増えてきたのですが、今のところ「時給×総労働時間」で給料を支払っているため、割増賃金を支払っていません。
残業させた場合、割増賃金は必ず支払わなければならないのでしょうか?
労働基準法では、1日及び1週間に働かせることができる時間(これを「法定労働時間」といいます)について1日に8時間、1週間に40時間までと定められており、
この時間を超えて労働者を働かせた場合は「割増賃金」を支払わなければなりません。

この「割増賃金」は「時間外労働」させた場合、通常の賃金の2割5分以上の率で計算した「割増賃金」を、「休日労働(法定休日)」させた場合、
通常の賃金の3割5分以上の率で計算した「割増賃金」を支払わなければならないとされています。

また、午後10時から翌朝午前5時までは「深夜労働」となり、この場合は通常の賃金の2割5分以上の率で計算した「割増賃金」を支払わなければなりません。

以上をまとめると次の表のようになります。

■時間外労働等の割増賃金計算
(1)時間外労働 1時間あたりの賃金×1.25
(2)休日労働 1時間あたりの賃金×1.35
(3)深夜労働 1時間あたりの賃金×0.25
(4)深夜+時間外 1時間あたりの賃金×1.5(=1.25+0.25)
(5)休日+深夜 1時間あたりの賃金×1.6(=1.35+0.25)
ご質問の場合、アルバイトの残業が法定労働時間を超えていなければ、通常の時給を支払うことで問題はありませんが、
法定労働時間を超えた場合や、法定休日に働かせた場合、または深夜労働させた場合は、
表に記載した割増率以上で計算した賃金を支払わないと労働基準法違反となります。

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時給者の社会保険料はどのように決定されるのか?
私は飲食会社の総務で働いている者です。
今度、時給の従業員を社会保険に加入させることになりましたが、この場合社会保険料はどのように決まるのでしょうか?
健康保険(介護保険を含みます)と厚生年金保険をあわせて社会保険と言い、
個人毎の給与月額に応じて決定された保険料を、事業主と労働者が半額ずつ負担することになります。

この社会保険料は、月単位で定められており、その月の分を翌月の末日までに納付しなければなりません。

社会保険料は原則として次の3種類の方法により決定することになります。

【社会保険料の決定方法】
(1)資格取得時決定
  従業員が入社した際に、今後支払われる1ヵ月分の給与予定額を健康保険・厚生年金保険料額表(法律で定められた月額表)にあてはめ、
  標準報酬月額を決定します。この標準報酬月額に保険料率を乗じて、毎月の保険料が算出されます。
  ここで決定した標準報酬月額は、入社日に応じて対象期間が定められています。
  ・入社日が1月1日?5月31日の場合はその年の8月まで
  ・入社日が6月1日?12月31日の場合は翌年の8月まで
(2)定時決定
  7月1日に在籍する健康保険・厚生年金の全被保険者を対象に、4月・5月・6月に支払われた給与額の平均額により、
  その年の9月からの標準報酬月額を決定します。
  この場合、7月1日現在に在籍する全被保険者が対象ですが、(1)の資格取得時決定でその年の6月1日以降に資格を取得した方は対象外となります。
(3)随時改定
  固定的な給与(基本給、役職手当、家族手当など)に変動があった場合で、
  その変動があった月から3ヵ月間の給与の平均額が従前の標準報酬月額と比べて2等級以上の差が開いた場合に、
  変動月から4ヵ月経過後に標準報酬月額が改定されます。

ご質問の場合は「(1)資格取得時決定」に該当しますので、加入者の時給と予定される労働時間から1ヵ月の給与見込額を計算し、標準報酬月額を決定して下さい。
なお、通勤手当も月額に含んで算出しなければいけませんのでご注意下さい。

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表彰制度は一方的に廃止できるか?
当店では、勤続表彰として5年、10年、15年というように5年ごとに金一封を渡していましたが、
今年からは表彰制度を廃止しようと思います。
就業規則には、詳しい内容は記載していないので、一方的に廃止しても問題ないでしょうか?
飲食店に限らず、中小規模の職場では、就業規則などで定められていない取り扱いが行われていることがよくあります(例えば、お年玉、大入り袋、金一封など)。
こうした文章では明示されていないけれど、実際には行われている取り扱いを一般的には「労使慣行」と言われています。

店舗ごとに就業規則を作成していても、就業規則で定められた内容と違った取り扱いを長期間繰り返しているような場合は、
実態である「労使慣行」が就業規則より優先されることがあります。

■「労使慣行」が成立する要件
「労使慣行」として成立するためには、下記の要件をすべて満たす必要があります。
(1)制度や取り扱いが相当長期間に渡って反復継続している。
(2)制度や取り扱いの内容等について従業員が認識(承知)している。
(3)事業主側が制度や取り扱いについて明示したり、是認している。
(4)制度や取り扱いが、事実上のルール化とされている。

ご質問のケースでは、「勤続表彰」は従業員に「表彰制度」として認識されており、実際にもしばらく運用されていたということですので、
例え就業規則に細かく記載されていなかったとしても、「労使慣行」として制度化された規則であると考えられます。

従って、「表彰制度」を廃止する場合、従業員にとって「不利益変更」となる可能性が非常に高いため、事前に従業員の同意を得なければなりません。

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1週間の繁閑の差が激しいお店に適した労働時間制度は?
当店は従業員数10名で営業していますが、
週末とそれ以外の曜日の繁閑の差が激しいため、シフトを組むのに苦労しています。
何か当店に適した良い方法はありませんか?
労働基準法で定められている労働時間は、休憩時間を除き1週間に40時間、
1日に8時間までとなっており(これを「法定労働時間」といいます)、この時間を超えて労働させる場合は、
労働基準監督署に「時間外労働・休日労働に関する協定届(これを36協定といいます)」を提出しなければなりません。

また、超過した労働時間については、時間外手当として割増賃金を支払う義務が生じます。

しかし、1週間の中で繁閑の差が激しい事業の場合は、毎週割増賃金を支払わなければならなくなってしまう可能性が高くなり、
経営者にとっては非常に非効率であるといえます。

このような、業務に繁閑の差がある場合などは、その特殊性を考慮して労働時間の配分を行える「変形労働時間制度」という制度があり、
一定の条件のもと認められています。

その中の1つ「1週間単位の変形労働時間制」を採用した場合、1週間について40時間以内であれば、1日あたり10時間まで労働させることができます。

◆「1週間単位の労働時間制度」を採用するための要件
・労働者数30名未満の小売業、旅館、料理・飲食店であること。
・変形労働時間制度の労使協定を締結し、労働基準監督署に届け出ること。
・お店の規模が10名以上の場合は、就業規則に変形労働時間制度について定め、労働基準監督署へ提出すること。
・各日の具体的な労働時間について、前週の末までに労働者に通知すること。

この制度を使えば、忙しい週末は労働時間を長く、暇な曜日は労働時間を短縮したシフトを組むことが可能ですので、
このような労働時間制度を上手に使い、効率的な時間管理を行ってみて下さい。

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「扶養控除」の改正によって所得税はどう変わるの?
私は飲食会社で給与計算の事務を担当しています。
来年から扶養控除が改正されると聞いたのですが、どのように変わるのでしょうか?
皆さんが働いて得た給与等の収入には所得税がかかり、その所得税や社会保険料などを差し引いた後の手取額の中から生活費を捻出することになりますが、
子供や高齢の親など収入のない家族を養っていれば、その人数が多いほど生活費の負担も増えます。
所得税法では、このような扶養家族の人数に応じて所得税の負担を軽くするため、「扶養控除」という制度があり、
扶養している人数に応じて税金の徴収額が決められています。

今回は、この「扶養控除」について平成23年の1月1日以降に支払われる給与からは大きく改正されることになりました。
まず、16才未満の扶養親族に対する「扶養控除」は、今までは38万円となっていましたが、廃止になります。
これは、子ども手当の支給に伴う財源確保のためとされています。
次に16才以上23才未満の扶養親族については、「扶養控除」の上乗せとして25万円が加算されていました(これを「特定扶養親族」といいます)が、
16才以上19才未満の扶養親族についてはこの上乗せ部分が廃止され、特定扶養親族の範囲が19才以上23才未満の扶養親族に変更されます。
これは公立高校の授業料無料化に伴う改正とされています。

平成22年の4月より子ども手当が支給されていますが、平成23年は所得税、平成24年には住民税が増税されることになりますので、
今後、給与の手取額は減ってしまうことになります。
本年度の年末調整までは変更ありませんが、来年の1月以降の給与計算は、「扶養控除」の改正に気をつけて計算して下さい。

【扶養控除の改正内容】
年令 改正前控除額 改正後控除額
16才未満 38万円 0円
16才以上19才未満 63万円
(38万円+25万円)
38万円
19才以上23才未満 63万円
(38万円+25万円)
変更なし

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従業員が残業を拒否してきたら?
当店は、アルバイトを含め10人程度で営業している居酒屋です。
年末の忙しい時期は従業員に残業を頼むことがよくありますが、先日、最近入社した従業員に残業を頼んだところ
「友人と約束してるので残業できません」と拒否されました。
他の従業員への影響もあるので、何とか対処できないでしょうか?
会社(お店)は、従業員に対して業務命令を行う権利を持っていますが、
いつでも自由に残業(時間外労働)命令を行えるわけではありません。

労働基準法では、「1日について8時間、1週間について40時間を超えて労働させてはならない」と定められており、
業務命令についても原則としてこの定められた時間の範囲内でのみ権利を有している事になります。

但し、次の要件を満たしている場合に限っては、法定の時間を超えて残業の命令を行うことが出来ます。

◆ポイント:残業命令を行うための要件
(1)36協定(時間外労働及び休日労働に関する協定)が締結され、労働基準監督署へ届出している場合
(2)就業規則等に「業務上の必要により、時間外労働を命ずる事が出来る」旨の規定が定められている場合
(3)時間外労働を命令することが、業務上必要な場合

また、これらの要件と併せて、法律で定められた時間を超える時間外労働を実際にさせた場合は、
超過した労働時間に対して、通常賃金の25%以上の割増賃金を支払わなければ違法となります。

ご質問の場合、以上の要件を満たしているのであれば、従業員が残業を拒否することは出来ません。
それにも関わらず、たびたび残業命令を拒否するのであれば、業務命令違反として一定の懲戒処分を行う事も可能です。

但し、従業員に残業を行えないような合理的な理由(保育園の送迎が必要な場合や家族の介護が必要な場合など)がある場合は、
強制的な残業命令は権利の濫用となるおそれがありますのでご注意下さい。

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採用前に前職へ勤務状況を問い合わせることは許されるか?
私は飲食業を営んでいる者です。現在、社員を採用するため面接を行っています。
出来るだけ良い人材を採用したいので、履歴書に記載されている前の職場に、
応募者の勤務態度や退職した理由などを問い合わせたいのですが、法的に問題ありませんか?
採用する側にとって、応募者の前職での「勤務状況がどうだったか?」や、
「退職理由は何だったのか?」等は非常に気になるところだと思います。
そして出来るだけ良い人材を採用し、会社とトラブルを起こすような人材は避けたいと誰でも考えるでしょう。

しかしご質問の様に、応募者の前の職場に対して勤務状況等を問い合わせることは、個人情報保護法により規制されています。
個人情報保護法の第23条では、「本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならない」と規定されていますので、
本人の同意がない限り、個人データをやりとりすることは違法行為となる可能性が高いでしょう。
ここでいう個人データとは、「特定の個人を識別することができる情報」が対象となっていますので、個人の勤務成績や病歴、家族の状況などもこれに含まれます。

どうしても前職への確認を行いたいのであれば、面接時に本人の同意を求めるか(ただし、強制は出来ません)、
または本人より前職の退職理由証明書を提出してもらう様にしてはどうでしょうか。

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学生アルバイトでも労災の休業補償は受けられるか?
当店のアルバイトが仕事中にやけどを負ったため、2週間ほど休むことになりました。
この者は学生なのですが、労災の休業補償は受けられるのでしょうか?
労災保険は社員、アルバイト、パートタイマーなどの身分にかかわらず、
「業務上」や「通勤途上」で被災した場合に適用されますので学生アルバイトについても労災保険の給付を受けることができます。

労災保険の給付の中には、「休業補償給付」(通勤災害の場合は「休業給付」といいます)という制度があり、
業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができない場合に次の要件を満たせば、休業4日目から負傷又は疾病が治癒するまで支給されます。

◆ポイント:休業補償給付を受給するための要件
(1)業務災害又は通勤災害のため療養していること
(2)その療養のため労働することができないこと
(3)労働することができないため、賃金を受けていないこと

ご質問の場合は、この3つの要件を満たしていれば、休業補償給付の対象となります。

2週間(14日)休業した場合、最初の3日間は使用者が平均賃金の60%以上の支払いが義務づけられており、4日目から休業補償給付が支給されます。
支給日数は、アルバイトの勤務予定日が少ない場合でも関係なく4日目から休業終了日(14日目)までの11 日分が支給されることになります。
また、休業補償給付の額は、原則として平均賃金の80%(特別支給金含む)となります。

<計算例>
直近3ヵ月の賃金合計額 120,000円(時給者)
直近3ヵ月の勤務日数  30日
休業補償給付支給日数  11日として

1日あたりの額 (120,000円÷30日)×0.8=3,200円
支給額合計   3,200円×11日=35,200円

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アルバイトにも解雇予告手当が必要か?
居酒屋を経営しています。
雇って約1年になるアルバイトが、度々、個人的な都合で他のアルバイトとシフトを変わってもらっていましたが、
先日も忙しい週末に「用事があるので他の日と替えてほしい」との申し出がありました。
何度か頼んでも無理だと言うので頭にきて「それならもう来なくていい」と怒鳴り、即日で解雇してしまいました。
後日、本人から手紙で解雇予告手当の請求書が届きましたが、アルバイトでも解雇予告手当は払わないといけないのでしょうか?
労働基準法の第20条では、解雇予告手当について次のように定められています。
「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくても30日前にその予告をしなければならない。
30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなくてはならない。」
これについては、社員だけではなくパートタイマーやアルバイトにも適用されます。

ただし、次に該当する者については、解雇予告の適用除外とされてますので、解雇予告や解雇予告手当を必要としません。

【解雇予告の適用除外者】
(1)日々雇い入れられる者(但し、1ヵ月を超えて引き続き使用されるに至った場合は解雇予告が必要)
(2)ヵ月以内の期間を定めて使用される者(但し、所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合は解雇予告が必要)
(3)季節的業務に4ヵ月以内の期間を定めて使用される者(但し、所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合は解雇予告が必要)
(4)試用期間中の者(但し、14日を超えて引き続き使用されるに至った場合は解雇予告が必要)

ご質問のケースでは、勤続年数が1年以上あり、即日解雇していますのでアルバイトという身分であっても、
平均賃金の30日分の解雇予告手当を支払わなければなりません。

ちなみに、(4)の「試用期間中の者」についての補足ですが、「試用期間中だから解雇予告手当がいらない」と勘違いされるケースが多く見受けられますが、
雇用されて15日目以降は試用期間中であろうと、一般の従業員と同じように解雇予告手当の支払い義務が発生しますのでご注意下さい。

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従業員の髪型やひげを規制することは出来るか?
私は飲食店を経営しています。
従業員の身だしなみについての相談ですが、これまで髪型やアクセサリーなどについては、特に規制はしておらず、
本人の常識に任せていましたが、最近、髪型(茶髪・長髪)・ひげ・ネイルなどかなり派手になってきているため、
接客にふさわしくないような容姿については規制を設けたいのですが、可能でしょうか?
最近ではファッションは多様化しているので、流行によるファッションや個性の演出のために、茶髪や金髪、ひげ、ネイルなどは当たり前の光景になってきました。
本来、髪型や服装などの外見に関わることは自分自身で自由に選ぶ権利があり、他人が干渉できるものではありません。

しかし、仕事をする上において、どんな髪型や服装をしてもいいというわけではありません。
例えば飲食店の従業員においては、「長髪を束ねていない」、「無精ひげを生やしている」、「派手なネイルを装飾している」などの場合は、
お店に対して不衛生なイメージを持たれたり、お客様に不快感を与えたりしてしまう可能性があり、集客や営業面で悪影響を及ぼすことにもつながりかねません。

このように会社やお店に経営上の必要性があり合理的な理由があれば、
就業規則等で服務規律について定めることによって、身だしなみについての規制を設けることは可能です。

ただし、どのような身だしなみが接客にふさわしいかは個人ごとに判断基準や受け止め方が違いますので、
出来るだけ具体的に基準を設け、採用面接時や入社時に説明したり、現在のスタッフを集めて説明会を行うなど、
従業員の身だしなみに対する意識を変えていくことが必要です。

(服務規定の記載例)
(1)服装・身だしなみを常に清潔に保ち、不快感をあたえないように留意すること。
(2)お客様や他人に不快感を与えるような髪型、無精ひげ、派手な化粧、華美なアクセサリー等をしないこと。
(3)髪の長い従業員は、業務中髪を束ねるなど、身なりを清潔に整えること。…等

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社員旅行の参加を義務づけることは出来るか?
当店では、毎年秋頃に数日間お店を休業にして社員旅行を行っているのですが、
最近いろんな理由をつけては旅行に参加しない社員が増えてきました。
今回も新入社員が「用事があるので参加しません。」と申し出てきました。
社員旅行を通じてコミュニケーションを図ろうという目的もありますので、
全員参加にしたいのですが、何か良い方法はありませんか?
「社員との親睦を深めるため」、「慰安のため」、「研修のため」など様々な目的で社員旅行を行っている企業も多いと思いますが、
最近では、このような会社の行事には参加したくないという人も増えてきているようです。

この社員旅行などの社内行事に参加することについて、従業員に「義務」があるかどうかを考えてみましょう。
一般的にはその旅行が「業務命令」によるものであり、次の2つの基準を満たしているのであれば、その時間は「労働時間」となりますので参加義務があるといえます。

(1)その社内行事(社員旅行等)が、社会通念上事業の運営に必要なものであること
(2)その社内行事(社員旅行等)への参加が、事業の運営に必要なものと考えて、事業主が参加を強制していること

「労働時間」となれば通常の賃金の支払いはもちろんのこと、休日に行う場合などは休日手当の支払いが必要となります。
参加しない場合は、賃金の控除も行うことができます。そして、通常の勤務と同じ扱いとなれば、有給休暇の取得も可能となります。
ただし、有給の取得が事業の妨げになる場合には、会社側は取得時季を変更させ、当日の有給取得を拒否することが出来ます。

今回のケースでは、社員旅行に業務研修や会議などが含まれている場合であれば、
今後の事業運営上必要なものであるとして「業務命令」による「強制参加」とすることについては問題ありませんが、コミュニケーションを図ることだけが目的なら、
「業務命令」としては取り扱いにくいため、「強制参加」ではなく「任意参加」とするのが望ましいでしょう。
どうしても全員「強制参加」としたいのであれば、社員研修を兼ねた研修旅行として計画を立て、従業員に周知することが必要です。
ただし、体調不良や育児・介護の為に参加できないというような合理的理由がある場合には、配慮するようにしましょう。

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ライバル店への転職を禁止することはできるか?
私は創作料理店を経営しています。
最近、近くにライバル店が新規出店してきたため、数名の社員やアルバイトが当店からライバル店へ転職しているという噂を聞きました。
これ以上引き抜かれないためにも、ライバル店への転職を禁止することは出来ないでしょうか?
従業員が使用者とライバル(競合)関係にある会社に就職したり、自ら同業の会社を設立・運営をしたりしない義務の事を「競業避止義務」と言います。
この義務は、在職中であれば「企業秘密の漏洩」や「顧客の競合」など事業主の利益を損なうおそれがありますので、
労働契約に付随して義務を負わせることは出来ます。

しかし、退職した労働者については、労働契約が終了しており、また、「職業選択の自由」が憲法で定められていますので、転職を禁止することは原則として出来ません。

退職した労働者に対して「競業避止義務」を課すためには、就業規則で特約を定める等の法的な根拠が必要となります。
そして、就業規則で定めていても、その特約に合理性がなければ有効とはならないとされています。

競業避止義務規程の合理性を判断するため、裁判例では次の事項について検討を要するとされています。

◆競業避止義務規程の合理性の判断基準
(1)競業制限の対象期間…長期間に渡っていないか
(2)競業制限の場所的範囲…広範囲に渡っていないか
(3)事業主の正当な利益確保を目的としたものか…ノウハウ、営業上の秘密、顧客情報等の保護を目的としているか
(4)退職前の従業員の職種、地位等…営業秘密等に接する立場であったか
(5)代償の提供…秘密保持のために手当等が支給されていたか

ご質問の場合、アルバイトや一般社員の方については、同業への転職を禁止することは難しいでしょう。

役員や役職者など経営的に重要なポストにある者に対しては、前述の判断基準を満たした就業規則を整備することにより、
一定の制限を設けることは可能ですので、規程がどのようになっているか見直してみてはいかがでしょうか。

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職場のパワー・ハラスメントはどのように対応すればよいのか?
数件の飲食店を経営している者です。先日、そのうちの1店舗の女性社員(20才)が女性店長(40才)からパワハラを受けているという申し出がありました。
このようなケースは初めてですので、どのように対応すればよいでしょうか?
「ハラスメント」という言葉の意味は、「いじめ」「嫌がらせ」等を指します。
職場においては、「セクハラ」という言葉が有名ですが、これは「セクシャル・ハラスメント」の略で、
職場などにおいて「相手の意志に反して不快や不安な状態に追いこむ性的な言動や行為」のことを指します。
そして、その後様々な「ハラスメント」が問題視されてきましたが、その中の一つが「パワー・ハラスメント」です。

一般的にパワー・ハラスメントとは、「上司等の職務上上位の者が、職場内での立場・権限を悪用して、部下や同僚に権力(パワー)を使い、人権を侵害する言動・行為などの職務とは関係のない嫌がらせを繰り返し、精神的苦痛を与えること」とされており、略して「パワハラ」とよく言われています。
上司から部下だけでなく、先輩から後輩、同僚間などで行われていることもよくあります。
このようなパワハラ行為が職場内で行われれば、被害者が精神的苦痛で病気になったり、
中には思い詰めて自殺する人がいたりと深刻な問題に発展するおそれがあります。
そして、会社の管理責任を問われることになりますので、裁判を起こされ、巨額の損害賠償をしなければならないというケースもあります。
また、業務の効率も悪くなり、会社にとっても、社員にとっても大きな悪影響をもたらす要因になってしまいます。

【対応策は…】
パワハラの原因として多いのが、「仕事で高い成果を求められた管理者などが、思うように成果が上がらないため、自分の責任回避のために部下を犠牲にする場合」や
「部下を対等な人間と思わず、自分より劣っているという思いから行われる場合」です。
まずは、パワハラの原因を究明するため、当事者からの事情確認を行い、対応策としては「管理者教育の実施」、「苦情相談窓口の設置」、
「就業規則の整備」、「従業員に対する研修」などが考えられます。
そして何より、事業主が率先してパワハラを撲滅させるという明確な意思表示を従業員に示していくことが大切です。

◆パワー・ハラスメントの対策例
(1)就業規則で、パワハラ等の防止と加害者に対する処分について記載する。
(2)パワハラ等の相談窓口を社内に設け、相談しやすい体制を整える。
(3)パワハラ撲滅のポスターを事業所内に貼り付ける。
(4)定期的に管理職研修を行い、部下の指導方法などを検証する。
(5)意見交流会を実施したり、事業所内のコミュニケーションを高める。
等々

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行方不明になった従業員の対応はどうすればよいか?
当店の従業員が突然無断欠勤し、もう1ヶ月間連絡がとれません。
今後の対応をどうしようか困っています。この従業員を解雇しても問題はないのでしょうか?
このところ、アルバイトや社員にかかわらず、突然の失踪に対する相談を受けるケースが増えてきました。
会社としては、本人の意思が確認できないため、「解雇」しようか、「自然退職」としようか、若しくはもうしばらく様子を見ようかと、
決断が出来ないまま時間が過ぎていくというケースが目立ちます。
このような従業員を「解雇」ができるかという問題点については、原則として、無断欠勤に対する理由がわからないまま、
一方的に「解雇」の手続きを行うことは出来ません。

この場合において「解雇」ではなく「自然退職扱い」とするのであれば、
まず就業規則に「○日以上無断欠勤の場合は、就業の意思がないものとして自己都合退職(自然退職)の手続きを行う」という規定が制定されており、
それが周知されている必要があります。
そのような手続きを行っている場合は、解雇手続をすることなく労働契約を終了させることが可能です。

次に「解雇扱い」とするのであれば就業規則に「無断欠勤○日以上で解雇する。」
等という規定が必要であり、この「解雇」を実行するという意思表示が従業員本人に到達する必要があります。
ただし、本人の居場所がわからないため、内容証明などを本人宅へ郵送するだけでは、意思到達しているとはみなされません。
このような場合は、簡易裁判所において「公示送達」の手続きを行い、法的な効力を得る必要があります。

「公示送達」とは、従業員の最後の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てを行い、裁判所の掲示板に掲示するほか、
掲示したことについて官報および新聞に少なくとも1回掲載します。
そして最後に掲載した日から2週間が経過すれば、従業員に会社の解雇の意思表示が到達したものとみなされます。

しかし、「公示送達」は手続きが煩雑であり、また時間もかかりますので、現在、就業規則に規定されていない場合は、
今後の無用なトラブルを回避するためにも、事前に就業規則に行方不明に対する措置を明確に規定しておくことをお勧めします。

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賞与は必ず支払わなければならないのか?
当店の今期の売上は、不景気の影響を受けて、かなり減収となっています。
毎年、夏・冬の2回に分けて賞与を支給していたのですが、今年は支給するのをやめようかと考えています。
このような場合でも賞与は必ず支払わなければならないのでしょうか?
賞与とは「定期または臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであり、その支給額があらかじめ確定されていないもの」
のことです。

会社によっては、ボーナス、寸志、報奨金、一時金、期末手当、夏季手当、冬季手当など、
様々な名称と条件により支給されることがありますが、それらを総称して賞与といいます。
この賞与は、一般的には会社の業績や労働者の勤務評価・能力評価等によって決まり、
その支給額があらかじめ確定されているものではありません。
また、法律で規定されているものではありませんので、必ず支払わなければならないというものではありません。

ただし、就業規則、労働契約、労働協約等で賞与の支払いについて定めている場合は、支払い義務が発生します。
この場合、就業規則等の記載内容によって取り扱いが異なりますが、
「会社の業績により、支給額が変動し、または支給しないことがある」と明記していれば、業績不振を理由に賞与を不支給とすることも可能です。

就業規則等に賞与について記載がない場合は、お店側の判断ということになりますが、
ご質問のケースでは、過去から継続して賞与が支給されているため、賞与の支給は「慣習」となっていると考えられます。
それを支給しないという事は、「労働条件の不利益変更」になる可能性が高いため認められません。

まずは就業規則等をよく確認してください。
そして、賞与を減額したり、支給しないのであれば、トラブルを回避するためにも、事前に従業員に対してよく説明し、
理解を得られるように努めることが重要です。

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従業員が見たことがない就業規則により解雇することは可能か?
当店のホールスタッフの1人が、上司の指示に従わず、遅刻・欠勤も多いなど勤務態度が悪いため、就業規則に基づき解雇を通知しました。
ところが、このスタッフは「就業規則なんて見たことがないから解雇はおかしい」と抗議してきました。
従業員には見せてはいなかったのですが、労働基準監督署には届けています。
この場合、解雇は出来ないのでしょうか?
就業規則とは、簡単に言えば「使用者」と「労働者」の間のルールを決めたものです。
野球やサッカーなどのスポーツにルールがあるように、会社の中で「労働時間はどうするか?」「休日はいつか?」「守るべき事は何か?」
「給与の支給日はいつか?」等々のルールを決めることは、労使間のトラブルをなくし、
円滑な職場環境を整備するために必要なものであるといえます。
ところが「就業規則は作成しているが、社員に見せたことはない」「見せてくれと言われていないので見せない」という会社は意外に多く、
このような就業規則が有効になるのかどうかでトラブルになるケースも多く見受けられます。

原則として就業規則の効力が発生するためには、次の3つの要件が必要となります。

(1)就業規則の意見聴取義務(労働基準法第90条)
  使用者が就業規則を作成するにあたって、労働者の「意見聴取」を義務付けています。
  この場合「意見聴取」とは、労働者としての意見を求めるということであり、同意を得ることが必要なわけではありません。
  意見を聴いた結果、労働者代表の意見を採用するかどうかは、最終的には使用者の判断に委ねられています。
(2)就業規則の届出義務 (労働基準法第89条)
  常時10人以上の労働者を使用する事業場においては就業規則を作成し、これを労働基準監督署長に届出することを義務付けられています。
(3)就業規則の周知義務(労働基準法第106条)
  使用者は、就業規則を次のいずれかの方法によって労働者に周知しなければなりません。
  1.常時、各作業場の見やすい場所へ掲示するか、又は備え付けること
  2.書面を労働者に交付すること
  3.磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること

これまでの裁判例では、(1)「就業規則の意見聴取義務」、(2)「就業規則の届出義務」については、
これが不足していたとしても就業規則は「有効」としていますが、(3)「就業規則の周知義務」を怠った就業規則は「無効」となるケースが多いようです。
従って、今回のご質問のように、労働者が見たことがない就業規則の規定に基づいて解雇などの処分を行うことは「無効」とされる可能性が高く、
解雇することは難しいでしょう。

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会社を合併した場合の社会保険の手続きは?
当社は従業員100人の飲食業の会社です。
このたび経営合理化のため、子会社を吸収合併することになりました。
この場合、社会保険等の手続きはどのようになるのでしょうか?
会社を吸収合併する場合、吸収される子会社は消滅することになりますので、
今まで加入していた労働保険や社会保険については次のような手続きが必要となります。

◆社会保険(健康保険、厚生年金保険)の手続き
年金事務所・健康保険協会にて次の手続きを行ってください。
・子会社管轄の年金事務所で子会社の被保険者全員の資格喪失手続と事業所廃止の手続(全喪届)を行う。(併せて健康保険協会に健康保険被保険者証を返納する)
・親会社を管轄する年金事務所で、吸収合併する子会社の従業員について資格取得手続きを行う。(新しい健康保険被保険者証の交付)

◆雇用保険の手続き
原則として、被保険者の同一事業主の認定手続きを行います。
この手続きを行えば、被保険者の資格取得・喪失の手続きをすることなく、親会社と子会社を同一事業主とみなしてもらえるため、
子会社に勤務していた期間についても親会社の勤務期間として通算することができます。
同一事業主認定手続きを行う場合、合併契約書、株主総会議事録、取締役会議事録、営業譲渡契約書、商業登記簿謄本、
移籍労働者の名簿など公共職業安定所が指定する書類が必要となりますので事前に管轄の公共職業安定所の窓口でご確認ください。

◆労働保険料に関する手続き
子会社の管轄の労働基準監督署にて、労働保険の廃止と労働保険料の精算手続きが必要となります。
労働保険料の精算については、子会社管轄の労働基準監督署に当年度に納付している労働保険料(労災保険料・雇用保険料)の金額から
子会社が廃止になる日までの期間について計算した労働保険料を差し引き不足額が生じればこれを納付し、過払いが生じれば還付の手続きを行います。

以上のように、それぞれの役所等にて手続きが必要となりますので、事前に必要書類等を確認の上、従業員に不利益が生じないよう注意して手続きを行ってください。

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不正に受給した通勤手当を返還させることは出来るか?
当店の従業員で、「電車通勤」で申請していた者が、
実際は定期代を浮かすために「自転車通勤」している事が判明しました。
この場合、すでに支払った通勤手当を返還させることは出来るでしょうか?
通勤手当とは、従業員が通勤する際に必要な費用の全部または一部を会社が負担し、賃金として支給する制度です。
この通勤手当については労働基準法で定められたものではなく、
支給するかどうかや支給額・支給条件など会社が自由に決定することができますが、
多くの会社が福利厚生の一環として、通勤経路の届出に基づいて支給しています。

この通勤手当の不正受給に対して、従業員に返還する義務があるかについてですが、
まず、就業規則等でどのように定められているかがポイントになります。

「合理的な経路に基づく実費を支給する」というように、実際にかかる金額を支給すると定めている場合は、
不正に受け取った通勤手当は「賃金の過払い」となり民法の「不当利得返還請求権」に基づいて(民法第703条)過去10年以内の不正受給金額を返還請求することができますので、返還義務が生じます。

これに対し、「通勤手当は、公共交通機関を利用した場合に相当する金額を支給する」と規定している場合や、
一律に定額の通勤手当を支給している場合などは、実費に基づいているわけではなく、
通勤の行為自体に対して支給している賃金になりますので、返還義務はないと考えられます。

不正受給を防ぐためには、就業規則で支給条件などの詳細や、
虚偽の申告に対しては懲戒処分の対象にするというように明確に規定する必要があります。

また、届出と違う経路での通勤中に交通事故に遭遇したり、負傷した場合などは労災保険の通勤災害として認められない可能性もあります。

以上の点をふまえて、通勤手当の支給規則を見直すとよいでしょう。

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給与計算の締切日と支払日を変更する際の注意点は?
当店では、給与を毎月20日に締め切り25日に支払っていますが、計算期間が短いため毎月給与計算の時期がとても忙しく大変です。
また、取引先との兼ね合いもあり、月末締め切りの翌月25日支払いに変更したいのですが、問題はありませんか?
給与計算の締切日・支払日をいつにするかは、会社ごとに自由に取り決めることが出来ます。
ただし、一度定めた締切日や支払日を変更することは、従業員の生活に大きく支障を来す場合が考えられますので、
次の点に注意して行う必要があります。

(1)「賃金の毎月1回以上払いの原則」を守ること
労働基準法では、賃金の支払いについて次の5原則が定められています。
・通貨払いの原則
・直接払いの原則
・全額払いの原則
・毎月1回以上払いの原則
・一定期日払いの原則
たとえば6月分の給与から締切日を月末に変更する場合について考えてみましょう。
5月21日から繰り下げた6月30日までの賃金を7月25日に一括して支払う場合、
6月中に支払われる給与がなくなるため、「毎月1回以上払いの原則」に違反することになります。
この場合の対策としては、5月21日から5月31日までで給与計算をいったん締め切り、6月25日に支払う。
そして6月1日から6月30日までの給与を7月25日に支払えば、「毎月1回以上払い」についてはクリアすることが出来ます。

(2)変更月の給与の保全
前述の例の場合、変更月の給与は11日分しか支払われないことになり、
次の給与まで通常の3分の1程度の給与で生活をしなければならなくなってしまいます。
そうなると住宅ローンの返済や生活費の出費などで従業員の生活に支障を来すことが考えられますので、
次のような対策を行うことが必要です。
1.変更月を賞与の支給時期にあわせる。
2.貸付金など無利子で給与の差額を補填する。

(3)就業規則等の変更
「給与の締切日および支払日」については、就業規則に必ず定めないといけない事項ですので、
就業規則の変更を行い、労働基準監督署へ届け出なければなりません。
以上の点について、従業員の方々と充分に話し合い、不利益な取り扱いにならないよう配慮した上で、締切日・支給日の変更を行ってください。

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禁煙の実施に従わない従業員を処分できるか?
当店では、世間の流れに合わせて、全面禁煙を実施しています。
数名の従業員が隠れて喫煙しているようですが、懲戒処分を行ってもよいですか?
近頃、飲食店の禁煙指向が広がり、全面禁煙の飲食店を探すサイトや禁煙で表彰される店等をよく見かけるようになりました。
また、健康増進法という法律では、事務所や飲食店等の多数の人が利用する施設の管理者は、
「受動喫煙(まわりにいる人がたばこを吸うために、たばこを吸わない人が、間接的にその煙を吸ってしまうことで、健康上の影響を受けてしまうこと。)」
を防止するための措置を行うように努めなければならないと定められており、使用者に対して、
分煙の徹底や損害賠償を求めた訴訟を起こされるケースがでてきています。
このように国の動きも今後は、「受動喫煙」から労働者を守るために全面禁煙に向けての法律改正の動きもあり、
喫煙者には肩身の狭い時代になってきたのではないでしょうか。
ご質問のケースでは、まず就業規則で「事業所内は全面禁煙である」という事と「違反した場合の措置」について定めていること、
そしてその内容について従業員に周知されていることが必要となります。
それらの条件を満たしていれば、就業規則に基づき、規則違反をした従業員に対して懲戒処分を行うことは可能でしょう。
この禁煙に関する規定についてですが、事業主は施設管理権があり、その施設で働く人々の安全に配慮しなければなりませんので、
就業規則で「事業所内は全面禁煙である」と定めること自体、問題はありません。
ただし、休憩時間中については自由に使用させなければなりませんので、
「従業員は休憩時間中に『店外でも』喫煙を禁止する」という規則は無効になる可能性があります。

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同居の親族は雇用保険に加入できるか?
私は、店員5名のパン屋を個人で経営しています。
来月から私と同居している娘を店員として雇う予定なのですが、雇用保険に加入させることは出来ますか?
ちなみに勤務時間や給料などは他の従業員と同じ条件で考えています。
事業主と同居している親族は、原則として雇用保険に加入することはできません。
というのも、事業主と同居しているということは、一般的に生計が同一であり、
事業主と利益を共にする立場にあると考えられているからです。

ただし、「同居の親族」であっても、「同居の親族」以外の労働者を常時使用する事業において、
次の条件を満たせば、雇用保険の被保険者として加入できる場合があります。

(1)業務を行うときに、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること
(2)就業の実態が当該事業者における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること
(3)就業規則その他これに準ずるものの定めるところにより、特に以下の事項についてその管理が他の労働者と同様になされていること
  1.始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等
  2.賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期等
(4)事業主と利益を共にする地位にないこと

ご質問の場合、勤務時間や賃金については他の従業員の方々と同条件ということですが、
その他残業時間管理、休憩時間、休日等についても他の従業員と同様に管理されていることが必要となります。

以上の条件を満たす場合は、それらの証明書類をハローワークへ提出することによって雇用保険の加入手続きを行うことが可能です。
その他、必要書類等の詳細につきましては事業所管轄のハローワークに一度確認してみて下さい。

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退職後に不正が発覚した場合、懲戒解雇にすることはできるか?
先日、自己都合で退職した社員が、在職中にレジのお金を不正に操作していたことが判明しました。
この社員には、既に退職金を支払っているのですが、今から遡って懲戒解雇処分を行い、支払った退職金を返還させることはできるのでしょうか?
転職するつもりで退職届を提出したけれど、
既に退職した従業員を不正発覚後に懲戒解雇に切り替えることができるかという問題ですが、
懲戒解雇等の懲戒処分権は、会社と従業員との間に雇用関係が存在していることを前提に行われるものですから、
退職して雇用関係がない者に対しては、原則として遡って懲戒解雇を行うことはできません。

次に退職金の返還についてですが、就業規則や退職金規定等に懲戒処分に係わる退職金の返還や減額について明記されている場合は、
返還請求を行うことは可能です。
例えば「退職後に懲戒解雇事由に該当することが判明した場合には、懲戒解雇にならなくても、支払済の退職金の全部または一部の返還を求めることがある」
などといった規定を設けておくことが必要となります。

ただし、規定があるからといって必ずしも返還や減額が認められるわけではありません。
退職金の返還・減額に係わる規定が「懲戒解雇されたとき」に限られている場合は、懲戒解雇自体が認められませんので、退職金の返還請求は難しいと考えられます。
また、裁判例から見ても、「過去の功績を打ち消す程の重大な不正行為が生じた場合」でない限りは、退職金の全額を返還させることは認められにくいでしょう。

まずは、会社の就業規則や退職金規定がどのようになっているか確認してみて下さい。
もし、規定がない場合は、退職金の返還請求はできませんが、損害の内容・程度に応じて損害賠償請求を検討してみてはどうでしょうか。

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退職届の撤回に応じる必要はあるのか?
私は、社員とアルバイトを併せて10名程度の飲食店を経営しています。
先日、退職届を提出してきた社員が、後日、退職を撤回したいと申し出てきました。
しかし、既に後任を採用しており、当店の規模ではこれ以上正社員を雇うことは難しい状況です。
この退職の撤回は応じなければならないのでしょうか?
転職するつもりで退職届を提出したけれど、
「後になってよく考えてみると、転職先もなかなかみつからないし、退職は無かったことにして下さい」と申し出てくるケースを聞くことがあります。
このような場合、退職の撤回を応じるか否かは、「退職」の趣旨がどのようになっているかによって異なります。

この「退職」について考えてみると、次の3つに分けることができます。
(1)辞職(労働者からの一方的な退職の申し出)…「○○日で会社を辞めます。」
(2)合意解約(労働者から使用者へ退職の承諾を求める)…「会社を辞めたいので、認めてもらえませんか。」
(3)退職勧奨(会社から退職をすすめる)…「会社をやめてもらえないか。」

(1)の「辞職」の場合は、労働者の一方的な退職の意思表示により、労働契約が終了しますので、
それが使用者(社長などの人事権限者)に伝わると、伝わった時点で退職の効力が生じ、使用者の同意がない限り撤回できないものとされています。

一方、(2)の「合意解約」については、使用者側が承認の意思表示をすることにより、「合意解約」が成立しますので、
退職届が承認される前であれば、退職の撤回が認められることになります。
(3)の「退職勧奨」は、使用者からの申し出に対し、労働者が退職届の提出などを行うことにより承諾の意思表示をした場合は、
「合意解約」が成立するため、その後は退職の撤回は認められません。

今回の御質問のケースでは、労働者の一方的な退職の意思表示(「辞職」)であると考えられますし、
例え、労働者の趣旨が「合意解約」の申し出であったとしても、社長自身が退職届を受理・確認しているため、「合意解約」が成立したと考えられます。
従って、会社側は、退職の撤回に応じる義務はありません。

また、次のような場合については、従業員が退職の意思表示を取り消すことが可能となりますのでご注意下さい。
●退職届を強要されたり、本人の意思に反して退職届を提出した場合
●会社に騙されたこと等により、退職届を提出した場合

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改正労働基準法とは、どんな内容ですか?
私は、従業員20?30名程度で飲食業を営んでいる者です。
4月から労働基準法が変わると聞いたので内容について教えて下さい。
長時間労働の抑制、労働者の健康確保、就業環境の整備によりワークライフバランス(仕事と生活の調和)を確立させる、という目的で、
改正労働基準法が平成22年4月1日より施行されました。
今回の労働基準法の改正は、次の3つが大きなポイントになります。

◆ポイント1 : 「時間外労働の限度に関する基準」の見直し関係
限度時間を超える時間外労働に対して、特別条項付き36協定を結ぶ際に、
割増賃金率を2割5分を超える率に引き上げるように務めることとされます。(努力義務です。)
※平成22年4月1日以降に協定を締結、更新する場合が対象です。

◆ポイント2 : 法定割増賃金率の引き上げ関係
(1)月60時間を超える時間外労働に対して、割増賃金率を50%以上として計算しなければなりません。
(2)引上げ分の割増賃金の代わりに代替休暇制度を設けることが出来ます。
(※(1)(2)とも中小企業は、当分の間、猶予されます。)

◆ポイント3 : 年次有給休暇の時間単位の付与が出来るようになります。
労使協定を締結することにより、1年に5日を限度として、時間単位の有給を与えることが可能となります。
(※制度を設けた場合に限ります。)

【猶予される中小企業とは】
法定割増賃金の引き上げについては、下記のいずれかに該当する企業には、しばらくの間、適用が猶予されることになっています。

御質問者の事業規模であれば、中小企業に該当するため、取り急ぎ対応しなければならない事項はありませんが、
今後に向けて、時間管理が適正に行われているか等現状の社内体制を見直してはいかがでしょうか。

業種 資本金の額または出資の総額 常時使用する労働者数
小売業 5,000万円以下 または 50人以下
サービス業 5,000万円以下 または 100人以下
卸売業 1億円以下 または 100人以下
その他 3億円以下 または 300人以下

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外国人留学生を雇用する場合の注意点は?
先日、アルバイトを募集したところ、外国人留学生が応募してきました。外国人留学生を雇用する場合の注意点はありますか?
外国人の労働者は、年々増加傾向にあり、飲食業界においても珍しいことではなくなりました。
しかし、それと共に不法就労者も増加している傾向にあります。
外国人には、入国の際に「在留資格」が与えられており、その「在留資格」の範囲内で活動することが認められています。
「留学」や「就学」の「在留資格」を持った留学生は、大学などで教育を受けることが本来の活動であり、
アルバイトを行う場合には、法務大臣の「資格外活動許可」が必要となります。
御質問のように留学生をアルバイトとして雇う場合には、その外国人が所持する旅券(パスポート)や外国人登録証により「在留資格」が「留学」か「就学」であるかを確認し、さらに資格外活動の許可を受けているのかを確認することが必要です。
仕事の内容が「在留資格」の範囲内の活動であるか、また、在留期間を過ぎていないかを確認して下さい。
ただし、「在留資格」に問題が無くても、アルバイトが可能な時間は別表の通り定められており、その範囲内で就労させなければなりませんので、併せてご注意下さい。
なお、留学生・就学生であっても労働基準法等の法律は適用されますが、雇用保険については、学業が本業であるため加入出来ません。

1週間のアルバイト時間 教育機関の長期休業期間中のアルバイト期間
留学生 大学等の正規生 1週間につき28時間以内 1週間につき28時間以内1日につき8時間以内
大学等の聴講生・研究生 1週間につき14時間以内 1日につき8時間以内
専門学校等の学生 1週間につき28時間以内 1日につき8時間以内
就学生 1日につき4時間以内
◆留学生・就学生がアルバイト可能な時間

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始末書を提出しない従業員に、懲戒処分を行うことは出来るか?
お客様とトラブルを起こした従業員に対し、再三始末書の提出を求めましたが、一向に提出しようとしません。
他の従業員にも示しがつかないため、何らかの懲戒処分を行おうと思うのですが、問題ありませんか?
会社の規則を破ったり、問題を起こした従業員に対して、始末書を提出させることはよく行われる行為です。
始末書の提出については、本人の行為について反省を促し、再発の防止と社内秩序を維持するための誓約をとることが目的であると考えられます。
この始末書の提出を本人が任意で行えば問題ありませんが、本人が提出を拒否する場合に、提出を強制したり、
提出しないことによってさらに懲戒処分ができるか、という事については問題があります。
「反省」や「謝罪」は、それ自体が本人の意思に基づく行為であるため、「反省」・「謝罪」に応じないことにより、「減給」や「出勤停止」などの懲戒処分を行うことは、
間接的に「反省」・「謝罪」を強要していることになるとされており、裁判例の多くは、始末書の提出を強要することについて、
本人の自由意思にかかわる問題として認めていません。
しかし、実際に起きた不祥事やトラブルに対して始末書の提出を拒否されたら、何も出来ないというわけではありません。
始末書の中身を区分すると、「事実に基づき顛末を書かせる部分」と、「謝罪を書かせる部分」の2つに分けられます。
「反省」・「謝罪」を拒むのであれば、事実関係を報告書や顛末書として提出させることは出来ます。
さらに、この報告書や顛末書の提出を拒否する場合には、業務命令違反として懲戒処分を行うことも可能でしょう。
従って、始末書を提出させる場合には、次のポイントに基づいた慎重な対応が必要となります。

◆始末書提出についてのポイント
(1)事実報告に重点を置き、正確に記載されていること
(2)無理矢理に謝罪文や反省文を書かせないこと
(3)会社側が納得する内容になるまで書き直させる等の行為を行わないこと
(4)本人が自分で書いたものであるということを明確にしておくこと
(5)始末書を拒むのであれば、報告書・顛末書として記録しておくこと

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試用期間を延長することはできるか?
当店の就業規則では、試用期間を3ヶ月として定めています。
現在、試用期間中の従業員がいるのですが、遅刻が多く、勤務態度もあまり良くないため、
試用期間を延長したいのですが、法律上問題にならないでしょうか?
「試用期間」とは、雇い入れた労働者の勤務態度、能力、技能、適性等を実際の業務を通して把握し、
正式に採用するかどうかを決定するための判断期間のことをいいます。
「試用期間」の期間設定や条件については、労働基準法などの法律では特に規制が無く、必ず設けなければならないものではありません。
ただし、「試用期間」を設定するのであれば、トラブルを防止するためにも労働者の雇い入れの際、「試用期間」があること、
その期間中の処遇、本採用にするための条件等を説明する必要があります。
また、ご質問のように「試用期間」を延長することがあるのであれば、「事情によっては延長又は短縮することがある」ということも併せて説明し、
就業規則にも記載しておく必要があるでしょう。
裁判では「試用期間の設定」に合理性があるかどうかが争われることがあり、あまりにも長期間にわたる試用期間を設定した場合は、
合理性がないと判断される可能性がありますので、最長でも6ヶ月程度とするのが一般的であると考えられます。

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雇入れ時に健康診断をしないと違法になるのか?
今度4月1日付けで新入社員を採用するのですが、雇入れの際には健康診断を受けさせなければならないと聞きました。
当店では、毎年7月頃に定期健康診断をしていますので、入社した後にまとめて健康診断を受けさせようと思っているのですが、
問題ないでしょうか?
職場での健康診断には、1年以内ごとに実施する一般定期健康診断の他に、雇入れ時の健康診断についても実施を義務づけられており、
常時使用する従業員を雇用する場合、その雇入れの直前またはその直後に次の項目の健康診断を行わなければなりません。

◆雇入れ時の健康診断の項目◆
(1)既往歴・業務歴の調査
(2)自覚症状・他覚症状の有無の調査
(3)身長、体重、腹囲、視力および聴力の検査
(4)胸部X線検査
(5)血圧測定
(6)尿検査(尿中の糖および蛋白の有無の検査)
(7)貧血検査(赤血球数、血色素量)
(8)肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP)
(9)血中脂質検査(総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド)
(10)血糖検査
(11)心電図検査

雇入れ時の健康診断は、採用後の健康管理や適性配置についての基礎資料とするために実施するものであり、
3ヶ月以内に健康診断を受けた従業員が、その証明書を提出した場合は、既に実施した項目は除かれます。

ご質問の場合ですが、定期健康診断の7月に実施するとなると雇入れ時から3ヶ月以上経過していますので雇入れの直後とは言えず、
労働安全衛生法に抵触するおそれがあります。
万が一何か起こった場合、事業所の責任になりますので、入社の際に健康診断を実施するか、入社前に本人に健康診断を受診してもらい、
その結果を提出してもらうようにして下さい。

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求人の際に年令制限をすることができるか?
求人広告でスタッフを募集する際に、当店の客層にあわせて、できるだけ若い人材がほしいのですが、年令制限をすることは出来ないのでしょうか?
人材の募集・採用の際に年令制限を設けることは原則として禁止されています。
募集・採用は「年令により一律」に扱うのではなく「個々の労働者の適性、能力等」に基づいて行うべきという主旨から「雇用対策法」では「労働者の募集・採用について年令に関わりなく均等な機会を与えなければならない」と定められています。

ただし、合理的な理由があり、次のいずれかに該当する場合は例外的に年令制限が認められます。
(1)号…定年年令を上限として、当該上限年令未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
(2)号…労働基準法等法令の規定により年令制限が設けられている場合
(3)号(イ)…長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
(3)号(ロ)…技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年令層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
(3)号(ハ)…芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請がある場合
(3)号(ニ)…60才以上の高年令者又は特定の年令層の雇用を促進する施策(国の施策を活用しようとする場合に限る。)の対象になる者に限定して募集・採用する場合

例えば、「35才未満の方を募集(職務経験は一切問いません)…(3)号(イ)該当」とすることは可能ですが、
「35歳未満の方を募集(契約期間6ヶ月)」や「35才未満の方を募集(調理経験のある方)」などとすることはできません。
また、「スタッフ全員20才代です」というような表現などについては、20才代を優先して募集しているとの誤解を生じさせないように注意する必要があります。

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年次有給休暇を買い上げは認められるか?
うちのお店で働いていたホールスタッフが月末で退職するのですが、使い切れなかった有給休暇を買い取るように求められています。
お店は残った年次有給休暇を買い上げる義務はあるのでしょうか?
労働基準法で定められている年次有給休暇の趣旨は、「労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図る」とされていますので、
有給休暇に労働することを条件として有給休暇を買い上げることは違法となります。
また、労働者側から事業主側に買い上げを要求することもできません。

ただし、次の3つの場合は、例外として「有給休暇の買い上げ」が可能とされています。

【1.法定日数分を超える部分の休暇日数】
労働基準法の定める付与日数を上回って付与されている年次有給休暇については、就業規則等に定めることにより付与されたものであり、
法律上の規則はありませんので、その日数分については、買い上げが可能となります。

【2.時効によって消滅した休暇日数】
労働者が年次有給休暇を請求しなかった場合、付与日から2年で時効により権利が消滅します。
したがって、時効で消滅した年次有給休暇を恩恵的に買い上げることは可能です。
ただし、「時効消滅した分を買い上げる」ことをあらかじめ就業規則等に定めることは、違法となりますのでご注意ください。

【3.退職により消滅した休暇日数】
退職する労働者の年次有給休暇が、退職日に残っている場合には、退職後にその残りの日数を買い上げても違法とはなりません。
年次有給休暇は、本来労働日に有給休暇を取得することにより労働の義務を免除するものですから、退職後にはその権利を行使する余地がないためです。

以上の場合、法律上の規制がないため買い上げることは可能ですが、お店側に買い上げる義務が生じるわけではありませんので、
買い上げるかどうかは本人との話し合いになります。
また、買い上げを規則で定めることは事前予約となり法律に触れる可能性がありますので、あくまで、労働者の退職時の諸事情により、
個別に検討する必要があるといえます。

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退職したアルバイトの給与を代理人に支払うことは可能か?
当店では、アルバイトの給与は現金で支払っていますが、先日、退職したアルバイトの給与を、本人の奥さんが取りに来られました。
「給与は本人にしか渡せない」と伝えたのですが、「本人はどうしても受取にこれないので、代わりに取りに来た。」と言われました。
このような場合、奥さんに給与を預けても問題はありませんか?
労働基準法では、「賃金は、通貨で、直接労働者に、全額を支払わなければならない」と定められています。
この条文では、本人以外の者に賃金を支払うことを禁止しており、
労働者の親権者や労働者の委任を受けた代理人に支払うことは、原則として違反になります。
これは、かつて横行した職業紹介や親などが労働者の給与をピンハネすることを防ぐための法律で、
例え親でも「代理(本人の承諾がない場合)」で受け取ることは認められていません。
ただし、本人が病気で入院中の場合や長期出張中などで受取に行けない場合に同居の配偶者や子供が単に「使者(本人の意思がある場合)」として受取に来た時に限っては、その「使者」に対して支払うことが許されています。

「代理」か「使者」かを区別することは困難な場合が多いですが、本人に支払うのと同一性が認められる者であるか否かによって決定されます。

しかし、本人が行方不明の場合等は、配偶者であっても、「使者」とすることは困難ですので、配偶者に支払っても有効な支払いとみられない場合があります。
まずは本人に電話などで連絡を取り、奥さんを「使者」として、給与を預けて良いか確認してから、お渡ししてはいかがでしょうか。

確認がとれない場合、本人が受取にくるまで給与を管理(時効は2年間)するか、
法務局の供託制度を利用するという方法(給与を法務局に渡して、従業員に給与を支払ったと同じ効果を発生させるという制度です。)をとることが考えられます。

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高校生のアルバイトを雇うときの注意点は?
今度、簡単な調理補助やホールスタッフの仕事については、高校生のアルバイトを雇おうと思っています。
当店では高校生を雇うのは初めてですので、その際に法律上で注意しなければいけないポイントはありますか?
◆ポイント1:年令確認書類の備え付け
満18才未満の従業員(年少者といいます)を雇う場合は、雇用形態にかかわらず、その年令を確認し、
事業所ごとに「戸籍証明書」を備え付けなければなりません。
年令を確認する書類としては、「住民票」「住民票記載事項証明書」「戸籍謄本」などになりますが、個人情報に関わりますので、
取扱いや保管については注意して下さい。

◆ポイント2:労働契約の締結、賃金の支払い方法
未成年者(満20才未満の者)を雇う場合、労働契約に関しては親権者等の同意が必要とされています。
しかし、労働契約の締結については必ず本人と結ばなければなりませんので、親権者や後見人が本人に代わって、労働契約を締結することは禁止されています。
また、賃金の支払いについても親権者や後見人が、未成年者に代わって受け取ってはならないとされていますので、直接本人に支払わなければなりません。

◆ポイント3:労働時間の制限
年少者については、原則として「変形労働時間制度」「フレックスタイム制」「時間外労働・休日労働」「休憩の特例」などは適用されませんので、
労働基準法に規定された労働時間・休憩時間に従わなければいけません。
また、深夜(午後10時から午前5時まで)の業務や、危険・有害な業務などに就かせることも原則禁止されています。

以上のように、高校生等を雇う場合は様々な制限や保護規定がありますので、事前に十分な確認をしておくことが必要です。

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従業員の副業を認める場合の注意点は?
飲食店を経営していますが、今年に入って売上げが激減しています。
経費削減のため、従業員の短時間勤務制度を実施したのですが、収入が減るため、
副業のアルバイトをしたいという申し出が多くなってきました。
副業を認める場合、何か注意すべき点はありますか?
一般的には、副業を禁止したり、違反した場合の罰則規定を設けている会社が多いと思われます。
副業を禁止する理由としては、次の理由があげられます。

(1)精神的、肉体的に疲労するので、会社の勤務に全力投球ができなくなる
(2)残業ができなくなるおそれがある
(3)会社の秘密、情報が漏れるおそれがある
(4)場合によっては会社の対外的信用、体面を傷つけるおそれがある

副業を認めるのであれば、業務に支障が起こらないように、就業規則等で「副業する場合は、事前の届出及び許可制とする」と規定し、
副業先での労働時間などの勤務実態を把握できるように管理することが必要です。

なお、労働基準法では、法定労働時間として1日8時間・1週間40時間が定められています。
この法定労働時間は、別の事業所で働く場合も通算されますので、例えば、副業のアルバイト先で4時間勤務した後、本業で6時間勤務した場合、
本業の事業所が法定労働時間を超えた2時間分の時間外労働に対する割増賃金を支払うことになりますので、ご注意下さい。

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従業員のまかない食には、税金がかかるのか?
当店では、従業員の昼食や夕食として、まかない食を提供していますが、現在、従業員からは食事代を全く徴収せず、全額を福利厚生費で計上しています。
先日、知人から食事代にも税金がかかると聞いたのですが、本当でしょうか?
今のままでは税法上問題ありますか?
飲食店の多くは、昼食や夕食として、従業員にまかない食を出したり、仕出し弁当を取り寄せて提供している場合があると思います。
この食事にかかる費用は、福利厚生費として計上できる場合と、給与所得として課税される場合があります。

労働基準法では、賃金は「労働の対償として使用者が支払うもの」としていますが、所得税法では給料、賞与など金銭で支給されるものだけでなく、
物または権利その他の経済的利益の供与も課税対象とされています。
原則として、福利厚生費と認められた場合は課税されませんが、お店等から福利厚生のために支給されたものでも所得とみなされ、課税の対象となる場合があります。
食事代が福利厚生費と認められるかどうかの判断基準は、次の要件を両方とも満たした場合です。

■課税されないための要件
(1)役員や従業員が「食事代」の半額以上を負担していること
(2)従業員に支給した「食事代」のうち、会社が負担した金額が、月額3,500円(税抜き)以下であること

■「食事代」とは
(1)飲食店のまかない食や社員食堂のように自社で調理した食事を提供している場合には、食材や調味料等食事を作るのに直接かかった費用の合計額
(2)仕出し弁当等を取り寄せて支給している場合には、業者に支払った金額

例外として、残業した場合などに支給する食事は、従業員に無料で提供しても所得税はかかりません。

このように「まかない食」であっても、課税されないための要件を満たさない場合は、所得税を追加で支払わなければならなくなるケースもありますので注意が必要です。

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個人経営のお店は社会保険の加入義務はあるのか?
従業員が7人の飲食店を個人で経営しています。
現在、社会保険(健康保険・厚生年金保険)には加入していませんが、従業員数が多くなると加入しなくてはいけないのでしょうか?
個人経営の飲食店の事業は、従業員が何人いても法律上は加入義務はありません。
ただし、事業主が申請し、社会保険事務所等の認可を得ることにより社会保険に加入することはできます。(任意適用事業所といいます。)

〈任意適用事業所となる場合の要件〉
(1)事業所で働く2分の1以上の人(被保険者から除外される人を除く)が適用事業所となることに同意していること
(2)事業主が申請して社会保険事務所 長等の認可を受けること

認可を受けると、お店で働いている人は全員(被保険者から除外される人を除く)が社会保険に加入することになります。(ただし、事業主は加入することができません。)

ちなみに、法人(株式会社や有限会社など)の事業所は、人数や業種に関係なく強制適用事業所となりますので、社会保険に加入しなければなりません。

従って、個人経営の飲食店は社会保険に加入しなくても違法ではありません。
また、従業員の2分の1以上の希望があったとしても、申請するかしないかは事業主の自由です。
従業員の希望状況や社会保険料の負担等をよく考えた上で、加入を検討してはどうでしょうか?

社会保険の適用事業
人数 適用業種 任意適用業種
法人 個人 法人 個人
5人以上 強制 強制 強制 任意
1人以上5人未満 強制 任意 強制 任意
※任意適用業種…農林水産業、サービス業、飲食業、法務、宗教など

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年次有給休暇を他の日に変更してもらうことができるか?
当店では年末の多忙な時季に有給休暇を申請する従業員が多くて困っています。他の日に変更してもらうことはできますか?
年次有給休暇は、労働者が自由に利用できますので、有給休暇をいつ取るか、また、それを何の目的で利用するかは、労働者の自由となります。
ただし、一度に多数の労働者が有給休暇を取れば、事業の正常な運営を妨げることも考えられますので、特別な場合に限り、
使用者(お店側)は、申請された有給休暇を他の日に振り替えることができます。これを「時季変更権」といいます。
しかし、単に「繁忙期だから」「人手不足だから」という理由だけでは「事業の正常な運営を妨げる」場合には該当せず、お店側は時季変更権を使うことができません。
時季変更権を行使するための判断基準としては、次のような場合が考えられます。

(1)事業(店)の規模、業務内容
(2)有給休暇請求者の職場における配置
(3)当該労働者の担当する作業の内容・性質
(4)作業の繁閑
(5)代行者の配置の難易
(6)時季を同じくして年次有給休暇を請求する者の人数

年末などに労働者が一斉に有給休暇を申請してきた場合、これらの判断基準を参考に、時季変更権を行使すればよいでしょう。
ただし、「事業の正常な運営を妨げる」と判断される場合でも、次のような特定の条件がある労働者に対しては、時季変更権を行使することはできません。

(1)時季変更権を行使することで、労働者の年次有給休暇が時効で消滅してしまう場合
(2)退職または解雇のため時季変更権を行使すると、年次有給休暇を取得する期間がなくなってしまう場合
(3)計画的付与によって、一旦時季が指定された場合
(4)時季変更権を行使すると産前休業や育児休業の期間にかかる場合

近年では、有給休暇の認識も高まり、有給休暇の時季変更権を濫用することは、労働者に対する不利益な取り扱いとなりかねませんので、
お店側は従業員が有給休暇を請求した時季に出来るだけ有給休暇を与えられるような職場環境を整える配慮が必要です。

また、その他の対策としては比較的余裕のある時季に、有給休暇の計画的付与制度を設け、
労働者に付与された有給休暇を分散して取得してもらうような手段を講じることも有効といえます。

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パートタイマーはいつでも退職することができるのか?
1年契約で雇い入れたパートタイマーが、入社して3ヵ月後に突然辞めると言ってきました。
当店はパートタイマーが主戦力なので困っています。契約期間を根拠にして拒否することはできますか。
契約期間に定めがある労働契約(有期労働契約)を結んだ場合、原則として、やむを得ない理由がなければ、期間途中での解約は出来ません。
1年間の契約で採用したのであれば、お店には1年間雇用する義務があり、パートタイマーには1年間は労務を提供するという義務があります。
やむを得ない理由がない場合や、その理由がパートタイマー自身の過失である場合には、
お店が実際に被る損害賠償を請求することも可能ですが、現実的にはなかなか難しいでしょう。
パートタイマーの退職理由を考慮しながら、お店の事情をよく説明し、このまま続けてもらえないか、
または、替わりのパートタイマーの採用が決まるまで退職日を待ってもらえないかなど、よく話し合ってみることが重要です。

ちなみに契約期間を定めていないパートタイマーであれば、辞めたい日の2週間前までに、その意思をお店側に申し出れば辞めることができます。

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従業員が裁判員に選ばれた場合、給与はどうするか?
いよいよ裁判員制度が始まりましたが、もしも当店の従業員が選ばれた場合、給与などの待遇はどうするのがよいでしょうか?
平成21年5月21日から裁判員制度が開始され、先日、初の裁判員裁判が開かれました。
「裁判員制度」とは、一般の国民の中から抽選で選ばれた裁判員が刑事裁判に参加し、
被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決める制度です。
この制度では、指定された日に裁判所へ出頭することになりますので、仕事が忙しいからといって辞退できません。
裁判員に選ばれた場合、裁判に参加する期間はお店を休む必要が出てきますので、お店はその休みをどのように対応するかが迫られています。

裁判員制度に基づいて裁判に参加することは、労働基準法第7条の「公の職務の執行」に当たります。
そのためお店側は、裁判員の職務のために必要な時間を与える義務はありますが、新たに休暇制度を設けることや、
休暇を有給にするか無給にするか等義務付けられていません。
従って、裁判員休暇制度を定めることや、休暇中の給与などは、それぞれの会社の判断に委ねられています。

対応の例としては次の3点が考えられます。
(1)裁判員休暇の期間は無給とし、裁判員としての日当のみとする。
(2)年次有給休暇とは別に、有給休暇の制度 を設ける。
(3)日当と通常勤務した場合の1日分の給 与の差額のみ支給する。

ちなみに、裁判所は「裁判員としての仕事を行うための特別な有給休暇制度を作っていただくことが重要」とし、
「休暇制度の導入の検討」をお願いしています。

今後、裁判員制度に対応するには、就業規則を見直し、休暇中の給与の取扱い、休暇の届出制度、
対象者の範囲などについて事前に取り決めておくことがよいでしょう。

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パートタイマーにも会社の定期健康診断を受けさせる義務はあるのか?
当店では、毎年1回正社員のみを対象にした定期健康診断を実施しています。
先日、1日6時間、週5日勤務のパートタイマーより、自分も定期健康診断を受けられないかと質問があったのですが、受けさせる義務があるのでしょうか。
定期健康診断は、労働安全衛生法により「常時使用する労働者」に対して行わなければならないと規定されています。
パートタイマーでも、「常時使用する労働者」に該当する場合には、定期健康診断を受診させなければなりません。
ここで言う「常時使用する労働者」とは次のいずれにも該当する場合です。

(1)期間の定めのない雇用契約により使用されている者。(期間の定めはあるが、雇用契約の更新により1年以上引続き使用されている者を含む。)
(2)1週間の労働時間が、同じ事業場で同種の業務に従事している通常の労働者の4分の3以上であること。

ただし、(2)の要件を満たさない場合でも、そのパートタイマーが同じ事業場で同種の業務に従事している通常の労働者の1週間の所定労働時間数の概ね2分の1以上であれば、健康診断を実施するのが望ましいとされています。

従いまして、御質問の対象であるパートタイマーの方は、1週間あたりの所定労働時間が30時間となりますので、
正社員等の1週間あたりの所定労働時間を40時間とすると、通常労働者の4分の3以上となり、定期健康診断を受けさせる必要があります。

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賞与支給日が遅れた場合の退職者への賞与の支払いについて
私は、飲食店を経営しています。通常7月の中旬に賞与を支給していました。
しかし、今年は資金繰りが厳しかったので、少し遅れて8月の上旬に支払うことになりました。
ところが、7月末に自己都合退職した者から、「通常の支給月である7月は在籍していたので自分も賞与がもらえるはずだ」と請求されました。
すでに退職した者にも賞与を支払わなければならないのでしょうか?
賞与の支払が遅れたために実際の支給日には在籍していなくても、通常の支給日に在籍していた従業員には、支給する必要があります。

法律上の賞与とは、「定期または臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額があらかじめ確定されていないもの」をいい、
必ずしも決まった期日に支払う必要はありません。
しかし、賞与を支払うことが慣例的または制度的になっている場合には、就業規則等に賞与の計算方法および支給方法、支給時期、
支給対象者等について定めておかなければならないものとされています。
支給対象者について、原則として労使間で自由に定めることができますので「賞与は、支給日に在籍する者に対して支給する」などというような規定により明確に定めている場合には、この定めに基づいて支給日に賞与を支払い、支給日より前に退職した者には支払わなくても問題ありません。
しかし、賞与の算定期間に在籍しており、通常の支給日までは在籍していたにもかかわらず、
賞与の支給日が何らかの理由により遅れたことによって賞与を支給しないということは、労働者の既得の権利を一方的に奪うことになりますので、
通常の賞与支給日に在籍していた者には、賞与を支払わなければなりません。
なお、就業規則等で賞与支給日が特定されていない場合には、賞与支給日にすでに退職している者に賞与を支払うかどうかは原則として任意と考えられますが、
慣例的に一定の時期(例えば7月、12月)に支払われている場合には、その月に在籍している者には賞与を支払う必要があるものと考えられます。
また、解雇などの会社都合による退職の場合についても、労働者本人が退職日を選ぶことが出来ませんので、勤務期間に応じた賞与を支給する必要があります。

今回のケースでは、賞与を支払う必要がありますが、今後トラブルにならないためには現在の就業規則にどのように規定されているか確認し、
賞与の支払いについて明確に定める事が重要です。

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労災保険制度とはどのようなものですか?
先日、個人事業としてパン屋を始めました。
従業員は妻とアルバイト1人だけですが、労災保険に加入しないといけないんでしょうか?
また、加入する場合、私と妻も補償されますか?
労働者災害補償保険(労災保険)は、事業所で働く労働者が「業務上の事由による災害」又は「通勤途上での災害」を受けた場合、
被災労働者やその遺族に対して必要な保険給付を行うことが目的とされています。
労災保険は、原則として労働者を1人でも雇っている事業所は必ず加入することが法律上義務づけられていますので、
たとえ1日だけのアルバイトであっても、労働者として雇用された限りは適用されます。
手続としましては、事業を開始した場合や、労働者を雇った場合は所轄の労働基準監督署に成立届を提出し、年間の概算額の労働保険料を納付することになります。
保険加入は事業所単位で行いますので、労働者個人から保険料を取ることはなく、全額事業主が負担することになっています。
なお、保険料の計算方法は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年を単位として、支払った賃金を基に計算します。

次に事業主等に対しての適用について、労災保険は、労働者の「業務災害」又は「通勤災害」に対する保護を目的とした制度ですので、
事業主等の労働者でない方については、その保護の対象とはされていません。
しかし、労働者以外の方であっても、業務の実態、災害の発生状況などからみて、
特に労働者に準じて保護することが認められる一定の者に対して、特別に労災保険への任意加入を認めています。この制度を「特別加入制度」といいます。
特別加入制度では、中小事業主、一人親方などの自営業者等、通常は労働者として認められていない方々が加入することができます。
中小事業主等について、具体的には常時300人(金融・保険業、不動産業又は小売業の場合は50人、卸売業又はサービス業の場合は100人)以下の労働者を使用する事業主であって、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託する者が加入できます。

従って、御質問のケースでは「特別加入制度」により社長やその家族の方々も労災保険に加入することが可能です。

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インフルエンザで自宅待機の社員への賃金は必要か?
レストランを経営しているのですが、先日インフルエンザにかかった社員に対して自宅待機を命じました。
接客業なのでインフルエンザのまん延を防ぐために、余裕を見て1週間を自宅待機としました。
この自宅待機期間を無給としても良いでしょうか?
会社が従業員に対して自宅待機をさせた日に賃金を支払わなくてよいのは、法律上次のいずれかに該当する場合に限られます。
(1)感染症法その他の法令により就業制限の対象となる疾病の場合
(2)労働安全衛生法に基づく就業禁止として自宅待機を行った場合
これらの場合による自宅待機は、法律上やむを得ない休業となります。
したがって、(1)(2)のどちらかに該当する場合には、自宅待機させた日について賃金を支払わなくても問題ありません。

(1)については感染症法により、こまかく分類され、その区分に応じて国や自治体が入院や就業制限などの措置を定めています。
インフルエンザは、5類感染症という分類になりますが、この分類は就業制限の対象とはされていません。

次に(2)についてですが、(1)の感染症法により法定伝染病としての予防措置がとられている疾病については労働安全衛生法上の就業禁止の対象とはなりません。
したがって、インフルエンザは、(1)(2)のいずれにも該当しませんので、今回のご質問のようにインフルエンザの従業員に対して自宅待機を命じた場合は、
労働基準法による休業手当(平均賃金の60%)の支払が必要となります。

今、世間を騒がせている新型インフルエンザはどうでしょうか?
海外の新型インフルエンザ発生地域から帰国した従業員に対して、国が入院勧告を行ったり、
検査結果が出るまで停留させられた等により勤務できない場合は、休業手当の支払いは不要です。
ただし、国や自治体からの就業禁止命令がでていないにもかかわらず、会社の判断で従業員を自宅待機させる場合は、休業手当の支払いが必要となります。

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入社前の研修は給与の支払いは必要か?
飲食店を経営しています。この度、採用内定者全員を対象として、入社前に1~2日間、
仕事に慣れてもらうための簡単な研修を行いたいと思っていますが、この場合、研修時間について給与を支払う必要があるのでしょうか?
一日でも早く職場に慣れ、そして早く一人前になってほしいという思いから、入社前の研修や懇親会などを行われる会社は多いと思います。
ですが、「入社前」という言葉のイメージにより、「本人のためにやっているんだから、賃金なんて支払う必要はない」とか、
「交通費だけ出しておけばいい」などと考えてはいませんか?
たとえ入社前でも研修の内容や実態によっては、賃金の支払いが必要であったり、逆に支払う必要はない場合があります。

入社前研修に対して賃金が支払われるかどうかの判断基準は、入社前研修への参加が義務づけられているかどうかによります。
労働基準法では、労働者が会社の指揮命令に従って、労務を提供している時間については賃金の支払いが必要です。
今回のご質問の場合、採用内定者全員を対象とした強制参加の研修と考えられますので、
たとえ簡単な内容であっても研修期間中の賃金を支払わなくてはなりません。
また、強制参加ではなかったとしても、研修に参加した者が給料や仕事の内容などで優遇されたり、不参加の者に対して不利益となるような事実がある場合は、
実質的には強制参加とみなされますので、この場合も会社は賃金を支払う義務があります。

研修の参加が全くの自由であり、内容もあまり長時間拘束しないような会社説明会や、オリエンテーション、懇親会などの場合は、
それ自体が労務の提供とみなされませんので、賃金の支払いは必要ありません。

それでは賃金の支払いが必要な場合、いったいいくら支払えば良いのでしょうか。
一般的には拘束した時間や日数分の時給・月給として支払われることが多いようです。
この時点ではまだ、労働契約の効力が発生していませんので必ずしも初任給をベースにして時間割計算や日割計算をする必要はありませんが、
「最低賃金法」に定められた金額を下回らないように注意して下さい。

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「男性のみ」「女性のみ」として募集・採用することができますか?
当店では、ホールスタッフは女性でそろえたいと考えています。
先日、スタッフの一人が退職し補充人員を採用したいのですが、
求人誌や職安にて「若い女性のみ」として募集・採用することは出来ないと言われましたが、なぜでしょうか?
労働者の募集・採用について、男女で差別することは、男女雇用機会均等法により原則として禁止されています。
「男性のみ」として求人募集をすることは、法律違反になるとよく聞かれるかと思いますが、逆に、「女性のみ」という募集であった場合でも、
均等法の「男女の平等を実現すること」という目的に反し、そして、女性の職場の固定化や男女間の仕事の分離につながる恐れがありますので、
「女性のみ」という募集も法律違反となります。
ただし、例外もあります。次の(1)~(3)の職業に従事する場合および(4)、(5)に該当する場合については「男性のみ」又は「女性のみ」を募集・採用することが、
例外的に認められることがあります。

(1)芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から男性又は女性に従事させることが必要である職業(例えば、男優・女優など)
(2)守衛、警備員等防犯上の要請から男子に従事させることが必要である職業(例えば現金輸送車のガードマンなど)
(3)業務の性質上、男性又は女性のいずれかに従事させることについて(1)および(2)の職業と同程度の必要性があると認められる職業(例えば、神父など)
(4)坑内労働や危険有害業務等、労働基準法によって女性の就業が制限されている場合
(5)風俗、風習などの相違によって女性が能力を発揮し難い海外勤務等

また、「年令30才まで」というような記載による募集・採用時の年齢制限についても、原則として禁止されています。
雇用対策法では、事業主の努力義務を定めたものではありますが、年令制限を設けることが認められる一定の場合以外は、
年令制限をしないように事業主に対して求められています。
従ってホールスタッフの求人に際し、「30才までの女性」のような表現は原則として出来ないようになっていますので注意が必要です。

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