- 新入社員歓迎会での飲酒の強要はパワハラになるのか?
新卒で飲食会社に入社しました。
先日新入社員歓迎会があり、私の他にも数名の新入社員が参加しました。
私は元々アルコールが苦手で、少し飲んでも体調が悪くなってしまうので、「お酒は飲めないので」と言ったのですが、
「慣れたら大丈夫」「新人は上司の言うことを聞くものだ」などと言われて無理矢理飲まされてしまいました。
この様なことが続くと耐えられません。これはパワハラではないのでしょうか? - ハラスメントとは、本人の意図や意識とは関係なく、発言・言動等が相手側に対して「不快にさせる行為」、「不利益を与える行為」、
「尊厳を傷つける行為」、「脅威を与える行為」などの望まない行為を行うことを指します。
このハラスメントの代表的なものが「セクシャル・ハラスメント」や「パワー・ハラスメント」です。
職場での歓迎会や飲み会の席では、新入社員は上司や先輩から勧められることが多く、
お酒が飲めない人や苦手な人にとっては、大きなストレスになってしまうこともあるでしょう。
この様な飲酒に絡む「嫌がらせ」や「アルコールの強要」等の行為に対して「アルコール・ハラスメント(通称アルハラ)」という言葉が使われています。
過去にはアルコール・ハラスメントが原因で死亡者も出ており、社会的な問題にもなっています。
◆アルコールハラスメントの定義5項目
1.飲酒の強要…上下関係・部の伝統・集団によるはやしたて・罰ゲームなどといった形で心理的な圧力をかけ、飲まざるをえない状況に追い込むこと。
2.イッキ飲ませ…場を盛り上げるために、イッキ飲みや早飲み競争などをさせること。
3.意図的な酔いつぶし…酔いつぶすことを意図して、飲み会を行なうことで、傷害行為にもあたる。
4.飲めない人への配慮を欠くこと…本人の体質や意向を無視して飲酒を勧める、宴会に酒類以外の飲み物を用意しない、飲めないことをからかったり侮辱する、など。
5.酔ったうえでの迷惑行為…酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラ、その他のひんしゅく行為。
※特定非営利活動法人アスク(アルコール薬物問題全国市民協会)より
この中の1つでもあてはまれば、「アルハラ」になり、会社が黙認しているようであれば、責任が問われる行為ですので、
上司や幹事の方などにこの定義を参考にルールを設けてもらうよう呼びかけてみてはどうでしょうか。
お酒の席を楽しく交流する場にするためには、飲酒のマナーやルールをみんなが意識し、行動するように心掛けることが必要です。
- 雇用保険の再就職手当とはどのようなものか?
失業手当をもらいながら就職活動をしておりましたが、1ヵ月ほどで再就職先が決まりました。
ハローワークの担当の方から再就職手当がもらえると聞いたのですが、これはどのようなものですか? - 雇用保険では、失業中でも生活の不安なく新しい仕事を探し、早期に再就職できるための援助として、失業等給付などの手当が支給されています。
求職中に「失業の認定」を受けた期間については「基本手当」といういわゆる失業手当が受給できますが、
就職が決まったことにより「基本手当」を受けていない残日数が一定以上である場合は、「基本手当」に代わって「再就職手当」が支給されます。
◆再就職手当の支給額
○基本手当の支給残日数が所定給付日数の2/3以上の場合…所定給付日数の支給残日数の60%の額(上限あり)。
○基本手当の支給残日数が所定給付日数の1/3以上の場合…所定給付日数の支給残日数の50%の額(上限あり)。
(※平成23年8月1日改定。)
ただし、再就職手当が支給されるためには、雇用保険の受給資格者である方が下記の条件を満たす必要がありますのでご確認下さい。
◆再就職手当が支給される条件
1.再就職日の前日における受給期間満了日までの基本手当の支給残日数が1/3以上かつ45日以上残っていること
2.待機期間(7日間)が経過した後の再就職や事業開始であること
3.再就職先で1年以上雇用されるのが確実であること
4.再就職先でも雇用保険の被保険者となること
5.再就職先が離職前の会社や関連会社ではないこと
6.就職日前3年間に再就職手当・早期再就職支援金・常用就職支度金を支給されていないこと
7.求職の申し込みをして受給資格者認定を受けた日より前に採用が内定した再就職先ではないこと
8.失業給付金の給付制限を受けている場合、待機期間満了後1ヶ月間はハローワークや一定の職業紹介業者の紹介による再就職であること
- 介護休業はどのような場合に取得できるのか?
主人の父親が倒れたため介護が必要となるのですが、同居していないので介護するために月に数回は仕事を休まなければなりません。
私が勤務しているのは小さな飲食店ですが、介護休業は取れるのでしょうか? - 介護休業とは、「育児・介護休業法」に基づき、要介護状態にある家族を介護するために労働者が、休業できる制度です。
この制度では要介護状態にある対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回の介護休業をすることができ、
原則として通算93日を上限に休業することが可能です。
◆「要介護状態」とは
負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたって常時介護を必要とする状態。
◆対象となる家族
・配偶者(事実婚を含む) ・父母 ・子
・配偶者の父母 同居しかつ扶養している祖父母
・兄弟姉妹 ・孫
事業主は、労働者から介護休業の申し出があった場合、原則としてその申し出を拒むことができませんが、次に該当する場合は介護休業の対象とはなりません。
◆介護休業の対象とならない人
日々雇用される者や期間を定めて雇用される者。
◆介護休業の対象から除外できる事例
労使協定によって、次のように取り決めた場合介護休業の対象から除外されます。
1.引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
2.介護休業申出の日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者
3.1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
ご質問のケースでは配偶者の父母となりますので、同居である必要はありません。
小規模の事業所でも介護休業の対象となる労働者が介護休業を申し出た場合は、
事業主はその申し出を断ることはできないため、ご質問の場合でも介護休業を取得することができます。
休業期間中の賃金については、法律で支払いに関する定めはないため、通常は支払われないケースが多いでしょう。
また、雇用保険に加入している場合、要件を満たせば「介護休業給付金」として給付を受けることも可能です。
- 賞与や手当がお買い物券で支払われるのは問題ないのか?
私が働いているお店では、このところ業績が悪いため、
手当の一部と賞与を当店を含んだ商店街のみで使用できる「お買い物券」で支払われることになりました。
このような扱いは法律上問題ないのでしょうか? - 賃金は労働者にとって重要な生活の原資ですので、事業主から労働者に対して賃金の支払いが確実に行わなければなりません。
そこで労働基準法では、確実な賃金の支払いが行われるために、「賃金支払いの5原則」という厳格な定めが設けられています。
その中の1つが「通貨払いの原則」です。
◆通貨払いの原則
賃金は、通貨で支払わなければなりません。
この通貨とは、日本銀行発行の紙幣、硬貨のことを指します。外国の通貨や小切手、手形による支払いは認められません。
この原則により、現物での給付は禁止されています。
ただし、この「通貨払いの原則」には例外があります。
◆通貨払いの原則の例外
労働者の同意があれば、銀行口座への振替による支払いや証券口座への振り込みが認められています。
また、労働協約(労働組合との協定)を結んだ場合に限り、現物での給付が可能となります。
ご質問の手当や賞与は、当然ながら賃金にあたりますので「通貨払いの原則」により、お買い物券や商品券等の現物での支給は原則として違法となります。
「通貨払いの原則の例外」が適用されるかどうかについては、このお店に労働組合があり、
その労働組合とお店が、手当や賞与等の代わりに「お買い物券」で支払うという現物給付に関する協約を結ばなければなりません。
お店に労働組合がない場合やこのような協定が結べないのであれば、労働基準法違反となりますので、
お店に対して「お買い物券」ではなく「賃金」で支払ってもらうように求めましょう。
- 休憩時間を分割して与えるというルールは問題ないのか?
私は居酒屋で勤めていますが、当店では忙しくてなかなか休憩時間が取りにくいという理由から、
60分の休憩時間を10分ごとに分割して取るというルールになっています。
10分だと食事も中途半端で休んだ気にならないのですが、これは法律上問題ないのでしょうか? - 労働基準法では、休憩時間の取り扱いについて次のように定められています。
◆労働基準法第34条
使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、
8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
このように労働者に与えるべき最低限の休憩時間については、実際の労働時間の長さと連動して設定されています。
例えば1日の総労働時間が5時間の場合は休憩時間が無くても問題ありませんが、7時間の場合は45分の休憩を、
9時間であれば1時間の休憩を「労働時間の途中」に与えなければなりません。
労働基準法は、与えるべき最低の休憩時間については規定していますが、休憩の与え方については、
「労働時間の途中に与えなければならない」と定めてあるだけで必ずしも「連続した時間」でなくてはならないという定めや回数については定められていません。
つまり休憩時間を始業前や終業後に与えることは違反ですが、回数等については規制がないため、休憩時間の分割付与は可能となります。
ただし、「休憩時間」は「1日の労働時間の途中で休みのために労働から解放されることを保障されている時間」のことをいい、
「継続した労働による肉体的・精神的疲労を労働の中断によって回復させ、
もって作業能率の向上と、労働者の健康な生活を確保することにある」という目的があります。
この原則より、休憩時間の分割付与が可能でも、体が休まらないほどの極端な分割をした休憩時間やあまりに短い休憩時間は、
実態として労働から解放された時間とは言い難く、休憩時間として認められない可能性が高くなります。
ご質問のケースでも休憩時間を分割することについて問題はありませんが、本来の休憩の目的に基づき、
忙しいときでも「疲労の回復」ができる程度の休憩の分割に変更できるように、シフトや業務内容を工夫する等店長と一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
- 慣例で支払われていた退職金を請求することはできるか?
退職した際、オーナーに退職金を請求したのですが、「うちの店には退職金の制度がないから払う必要がない」と言われました。
制度としては定められてないようですが、これまでにその店を退職した方たちに聞いたところ、いくらかは支払われていたようです。
こんな場合、退職金を請求することはできませんか? - 労働基準法では、退職金の支払いが義務づけられているわけではありませんので、退職金の制度を定めていない事業所では支払わなくても一切問題ありません。
ただし、明確な退職金制度がない場合でも、過去に退職金を支払われているという前例があったり、
名目は違っても退職時に金銭の支払いが慣例化しているときなどは、
「労使慣行」が成立しているものとして労働者が退職金を請求できる場合があります。
「労使慣行」とは、労働者と使用者間の事実上のルールのうち、長期間にわたって反復・継続して行われてきた取扱いや行為のことをいいます。
この「労使慣行」が成立しているとされた場合、実質的に退職金制度の定めがあるのと同様の効力を有することになりますので、
事業主はこれまで他の者に支払った金額を基準に支払いの義務が生じます。
◆労使慣行の成立が認められる基準
(1)制度や取扱が長期間にわたって反復継続していること
(2)その取扱について労使双方が認識していること
(3)使用者(労働条件について決定権または裁量権を有する者)が従うべき制度やルールであるという意識を持っていること
ご質問の場合、これまでに支払われていたという事実により「労使慣行」が成立する可能性が高いと思われます。
まずは、この事実をもとに退職金の支払いについて再度話し合ってみましょう。
それでも応じてくれない場合、過去の支払いについて「いくら支払われていたのか」「勤続年数はどの位だったのか」、「一律の支払いなのか」、
「職種や役職はどうだったのか」、等の具体的な「証拠」を集めて、交渉材料にしてみてはどうでしょうか。
- 退職後も傷病手当金を受給できるのか?
従業員がうつ病になり、当分の間、勤務することができないようです。
家族とも話し合った結果、一旦退職して療養に専念するということになりそうです。
退職する従業員に対して社会保険から何か支給されるものは無いでしょうか? - 会社員など社会保険の被保険者が、業務外の理由による病気やけがのために働くことが出来ず、
給与が受けられない場合には、健康保険から「傷病手当金」が支給されます。
休業時の生活を補填するというのがこの制度の目的であり、国民健康保険の加入者などにはこのような休業補償はなく、
社会保険の被保険者のみ支給される制度です。
この「傷病手当金」が支給されるには次の要件をみたす必要があります。
◆「傷病手当金」の支給要件
・社会保険の被保険者であること
・業務外の理由による病気やけがのために働くことが出来ないこと(労務不能)
・労務不能の日が継続して3日間以上あること(待機期間)
・病気やけがで休業している期間中に賃金の全部または一部が支払われていないこと(労務不能から4日目以降、傷病手当金の額より賃金の支払額が低いこと)
これらの要件を満たした被保険者には、休業4日目から病気等が継続している場合、最長で1年6ヵ月間、「傷病手当金」が支給されます。
「傷病手当金」は社会保険の休業補償ですので、退職した後は受けることが出来ないと思われているかもしれませんが、
下記の要件を満たした場合は、退職後であっても「傷病手当金」を受けることが出来ます。
◆退職後も継続して「傷病手当金」を受給するための要件
・退職日までに継続して1年以上健康保険に加入していた者
・退職日時点で「傷病手当金」の支給要件を満たしている場合
ご質問のケースでは、従業員本人の被保険者期間が1年を超えており、かつ、在職中に「傷病手当金」の受給要件を満たしていれば、
退職後も引き続き「傷病手当金」を受けることが出来ます。
これらを考慮した上で、退職について検討してはいかがでしょうか。
- 契約期間の途中で退職することはできるのか?
契約社員として飲食店で勤務していますが、契約期間の満了までに退職したいと思っています。
契約期間は1年で、満了まであと半年残っていますが退職することは出来ますか? - 退職については、労働契約の形態によって、次のように取扱いが異なります。
◆期間の定めのない労働契約の場合◆
憲法では「職業選択の自由」が認められていますので、労働者が自分の意思に基づいて退職することについて、労働基準法において何の制限もありません。
また、民法では退職はその申し入れ後原則として2週間で効力を生ずるとされています。
つまり「期間の定めのない労働契約」の場合は、いつでも契約解除の申し入れができますので、
労働者側からの退職の申し入れは退職希望日の2週間前に行えば有効となります。
◆期間の定めのある労働契約の場合◆
この場合、労働者・使用者ともに契約期間についての制限を受けることになりますので、
原則として、契約期間の途中に自己都合による退職や会社都合による解雇はできません。
したがって、契約社員が契約期間の途中で行う退職(労働契約の解約)は、債務不履行(契約を結んだ内容について相手方の落ち度で約束が守られないこと)となり、
事業所側は契約社員に対して損害賠償請求することができます。
しかし、「期間の定めのある労働契約」の場合でも、本人の退職理由にやむを得ない事由がある場合には、解約の申し入れをすることが可能とされています。
■やむを得ない事由の例
・本人の負傷、病気等により就業することが困難なとき
・子供、親などの介護・看病等により労務を提供することができなくなったとき 等
ご質問のケースでは、1年間の「期間を定めた労働契約」を結んでいますので、退職事由が客観的に判断してやむを得ないものでない限り、
退職することについては債務不履行となり損害賠償請求をされる可能性があります。
ただし、損害賠償請求については次の条件を両方とも満たさなければなりませんので、余程の事がない限り損害賠償請求をされる可能性としては低いでしょう。
■損害賠償請求が行われる場合の要件
・退職により被った損害が具体的に発生していること
・使用者側が損害の発生を回避する努力を尽くしていること
いずれにせよ、労働契約の中途解約となりますので、退職する理由について納得してもらえるよう事前に話し合い、
お店の迷惑にならないように心掛けることが必要でしょう。
- 健康診断の費用はお店と従業員のどちらが負担しなければならないのか?
今春から飲食店への就職が内定しました。
お店からは、入社日までに健康診断を受診して、入社後すぐに診断書を提出するように言われています。
この健康診断の費用は、お店が負担してくれるものなのでしょうか?それとも自分で負担するべきものでしょうか? - 健康診断の実施は労働安全衛生法に定められており、事業主は次の健康診断について実施する義務があります。
◆事業主が実施しなければならない健康診断◆
【1】一般健康診断
1.雇い入れ時の健康診断
2.定期健康診断(1年に1回以上)
3.特定業務従事者の健康診断(坑内労働・深夜業等の有害業務)
4.海外派遣労働者の健康診断
5.結核健康診断
6.給食従業員の健康診断
【2】特定の有害業務に従事する労働者について行われる特殊健康診断
健康診断を受診した場合、当然費用がかかってきますが、労働安全衛生法には、
事業所と従業員のどちらがその健康診断にかかる費用を負担するべきかまでは明記されていません。
ただし、行政から通達(「労働安全衛生法および同法施行令の施行について(昭和47.9.1 基発第602号)」)が出されており、
法律で事業所に健康診断の実施を義務づけているからには、
健康診断費用については「当然、事業主が負担するべきもの」として判断されています。(常時使用する労働者に限ります。)
1の雇い入れ時の健康診断についても事業所に実施義務がありますので、原則としてはお店が全額を負担することになります。
ただし、採用日の3ヵ月以内に健康診断を受診し、その結果を提出すれば、雇い入れ時の健康診断とすることができるとされていますので、
採用選考時に健康診断書の提出が求められている場合等は、自己負担となっていても問題はありません。
ご質問の場合は、入社前ではありますが、採用内定後に事業所が指示した健康診断の受診となりますので、お店が負担するべきでしょう。
- 自宅以外の場所から出勤途中の事故は通勤災害になるか?
お店の忘年会が盛り上がっていたので、終電に間に合わず、同じバイト仲間の家に泊まりました。
翌朝、バイト仲間の家から出勤途中に階段から転んでケガをしてしまいました。これは通勤災害になりますか? - 「通勤」とは「労働者が就業に関し、『住居』と『就業の場所』との間を合理的な経路及び方法により往復することをいい、
業務の性質を有するものを除く」とされています。
この「通勤」途上において、ケガをした場合等が労災保険の「通勤災害」となります。
労災保険法では、「住居」とは労働者が居住して日常生活の用に供している家屋等の場所で、
本人の就業のための拠点となるところをさすとされています。
就業の必要性により、労働者が家族の住む自宅とは別に「就業場所」の近くに単身でマンションやアパートを借りたり、
下宿をしたりして、その場所から通勤している場合は、その場所が「住居」となります。
逆に通常は本人が居住していない家は、たとえ家族が住んでいる実家であっても「住居」とはいえません。
また、私用のために宿泊したホテルや友人宅も「住居」としての基準にあてはまらないため、その場所と就業場所との往復は通勤とはみなされません。
ただし、次のような理由により、通常の生活拠点とはいえない場所に宿泊した場合は例外として「住居」と認められています。
【住居として認められたケース】
・早出・遅出等の勤務上の都合により、勤務先の近隣に宿泊した場合
・ストライキ、天災等の不可抗力への対応のために一時的に宿泊した場合
・家族の看病のため病院に泊まり込んだ場合の病院との往復
・単身赴任者が、家族の住む自宅と就業場所を往復する場合、概ね月1回程度の往復
なお、「住居」と「就業場所」の往復であっても、通勤途中で友人と食事をしたり、パチンコ店に立ち寄るなど通勤を逸脱・中断した場合には、
日常生活上不可欠な行為として認められたものを除いて、逸脱・中断中とその後は一切通勤扱いとはなりません。
ご質問の場合、バイト仲間の家から直接出勤していますので、この自宅以外の場所が「住居」といえるかどうかが問題になります。
バイト仲間の家に泊まったことは例外にはあてはまらず私的行為となりますので、その家は「住居」とは認められません。
従って、今回の場合は「通勤」としてはみなされないため、「通勤災害」としての認定を受けることができず、治療は健康保険で受診することになります。
- 育児を理由に残業を減らしてもらうことはできるか?
飲食店で正社員として働いています。子供がまだ保育園に通っているため、定時で帰っていましたが、
最近お店が忙しくなり店長から残業を命じられるようになりました。
お迎えの時間に間に合わなくなるので、なるべく早く帰りたいのですが、残業を減らしてもらうことは可能でしょうか? - 「育児・介護休業法」では、小学校就学前の子を養育する労働者がその子の養育のために請求した場合は、
事業の正常な運営を妨げる場合を除き、1ヵ月に24時間、
1年に150時間を超える時間外労働をさせてはならないと定められています。(第17条)
この「時間外労働の制限」は、1ヵ月以上1年以内の期間について、開始日及び終了日を明らかにして、その1ヵ月前までに書面により申請しなければなりません。
また、この請求は子供が就学する日の前日まで何回でもすることが出来ます。
ただし、次に該当する労働者については除外されます。
(1)雇用された期間が1年に満たない労働者
(2)配偶者が常態としてその子を養育できると認められる労働者
(3)1週間の所定労働日数が2日以下の労働者 等
なお、「時間外労働の制限」が請求された場合、事業主は請求どおりに時間外労働が制限できるように相当の努力を行う義務があり、
この請求をしたこと等を理由に解雇などの不利益となる取扱をしてはならないとされています。
ご質問のケースでも、子供が小学校の就学前であれば「時間外労働の制限」の請求が出来ますので、お店に請求してみましょう。
また、3才に満たない子を養育する労働者が請求した場合には、事業主はその労働者に対して所定労働時間を超えて労働させてはならないとされており、
時間外労働自体が免除されることになります。
- 学校を卒業する前から勤務する場合の保険加入はいつから?
私は現在大学生ですが、来春の4月から飲食店への就職が決まりました。
早くお店に慣れるために、1月からはアルバイトとして働くことになりましたが、健康保険や雇用保険の加入はいつからになりますか? - 会社に入社した場合、一般的に「労災保険」、「雇用保険」、「健康保険」、「厚生年金保険」の4つの保険に加入することになりますが、
それぞれの保険には加入するための要件が定められています。
まず、労災保険については、アルバイト・パート・正社員といった従業員の区分にかかわらず、働き始めた日から適用されますので、
勤務初日であっても仕事中にケガをした場合は労災保険で治療を受けることになります。
雇用保険は、原則として学生(夜間を除く)は適用除外となり加入することが出来ません。(「学生アルバイトは雇用保険に加入出来るのか?」参照)
ただし、例外として「卒業見込み証明書を有する者で、卒業前に就職し、卒業後も引き続きその事業所に勤務する者」については、
被保険者として加入できる場合があります。
また、「1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ、31日以上引き続いて雇用される見込みのある者」という加入要件がありますので、
この両方の要件を満たした場合は、学生でも雇用保険に加入することになります。
そして健康保険と厚生年金保険については、原則として労働時間や労働日数がどのくらいであるかが加入する基準となります。
雇用保険の加入要件とは異なり、学生であっても、その事業所における通常の労働者の労働時間・労働日数のおおむね4分の3以上勤務する場合は
強制加入となり、健康保険・厚生年金保険の両保険に加入することになります。
ご質問の場合、労災保険はアルバイトで働き始める日からの加入となりますが、雇用保険は原則として4月からの加入、
健康保険・厚生年金保険は労働時間等の加入要件を満たした場合に加入することになります。
- お店が労災を認めてくれない場合、どうすればよいか?
先日、調理中に不注意で包丁を落とし、その際に足をケガしました。
店長に報告したところ、「自分の不注意だからお店の労災は認められない。健康保険で診てもらうように」と言われましたが、
これは法律的に問題ないのでしょうか? - 業務上の災害や通勤途上での災害による負傷・疾病等に対する保険制度として労働者災害補償保険制度(いわゆる労災保険)があります。
その他の医療保健制度として健康保険がありますが、この健康保険制度では、労働者の業務以外の事由による疾病、負傷、
死亡等に関して保険給付を行うと定められており、業務上の災害・通勤災害については健康保険による給付を受けることはできません。
業務上の災害にもかかわらず、事業主が故意に健康保険で受診させ、労災の事実を隠ぺいした場合、
「労災隠し」として会社が責任を問われることになります。
「労災隠し」は犯罪です。法律の根拠としては、労働安全衛生法第100条にて
「労働基準監督署長は、この法律を施行するために必要があると認めるときは、事業者に必要な事項を報告させることができる」と定められており、
この報告(労働者死傷病報告)を提出しなかった場合、50万円以下の罰金(同法第120条)が課されるとされています。
この「労災隠し」が、悪質であるとされた場合、事業主は「書類送検」、「起訴」等される可能性がありますので注意しなければなりません。
問題は罰則だけではありません。被災した負傷等の程度によっては、後遺症が残ったり、治療が長期化するケースもあり、
この場合、労災申請をしていないとなると被災者が労災保険から支給されるべき給付を、事業主が将来にわたって責任を持ち、
その全ての金額を負担しなければならないという事態になるおそれがあります。
労災報告は、被災者の救済とともに、今後事業所内での労働災害を減らす対策を取るという目的があるので、
事業主もその責任の重さを理解し、適正な処理を行う必要があります。
ご質問のケースですが、状況から考えて明らかに業務災害となりますので、労災保険で処理しなければなりません。
これらの点を踏まえて、もう一度店長に相談してみてはいかがでしょうか。
それでも労災として認めてくれないというのであれば、労働基準監督署等へ相談してみましょう。
- マイカー通勤者等の非課税限度額の改正とはどのような内容?
飲食店で経理事務の仕事を行っています。
来年からマイカーや自転車通勤の方の通勤手当について改正があると聞きましたが、具体的にどのような内容でしょうか? - 従業員が電車などの公共交通機関を用いて通勤する場合、月あたり10万円までは、
実費として負担した旅費を通勤手当として支給しても、所得税の対象とはなりません(つまり非課税)。
また、従業員がマイカーや自転車などで通勤する場合に、ガソリン代等に相当する額を通勤手当として支給する会社がありますが、
この場合は、【別表】により自宅から会社までの片道の距離に応じて非課税額が定められています。
現在は、特例として通勤距離が片道15㎞以上の場合には、マイカー等での通勤者も電車やバス等の公共交通機関を利用して通勤しているとみなした
1ヵ月の定期代まで(利用できる交通機関が無いときは、通勤距離に応じたJRの地方交通線の通勤定期代1ヵ月相当額まで)を
非課税として扱われています。(1ヵ月あたり10万円が上限)。
ただし、平成24年の1月からは法改正により「マイカー・自転車通勤者の通勤手当の非課税限度額の特例」が廃止されます。
例えば片道15㎞の方が、定期代相当額20000円を通勤手当として支給されていた場合、現在は全額非課税ですが、
改正後は11300円までが非課税となり、超過した8700円(20000円 11300円)は、他の給与と同じく所得税の対象となります。
今後は、従来の通勤手当の支給基準や支給方法を見直すなどの対応措置と給与計算時に所得税の計算間違いが無いように注意が必要です。
【別表】
マイカー等で通勤している人の非課税となる1ヵ月あたりの限度額
片道の通勤距離 1ヵ月あたりの限度額 2㎞未満 (全額課税) 2㎞以上10㎞未満 4,100円 10㎞以上15㎞未満 6,500円 15㎞以上25㎞未満 11,300円 25㎞以上35㎞未満 16,100円 35㎞以上45㎞未満 20,900円 45㎞以上 24,500円
- 朝礼の時間は労働時間になるのか?
私の働いているお店では、毎日始業時刻の10分前から朝礼が始まります。
朝礼では、社訓の唱和や連絡事項の伝達があり、その後仕事が始まるのですが、給与はいつも始業時刻から計算されています。
この朝礼の時間は労働時間ではないのですか? - 飲食店では多くのお店が朝礼を実施していますが、朝礼の実施には、主に次のような目的があると考えられます。
1.その日に行うべきことを確認する。
2.1日の達成目標を確認し、共有する。
3.業務上の注意事項を確認する。
4.連絡事項の通知。
5.仕事にかかるために、心を整え、気合いをいれる。 等々
このように、朝礼に含まれる意味は、業務にスムーズに取りかかれるための準備の時間であると言えますので、業務と非常に密接に繋がっています。
労働基準法における「労働時間」とは、「労働者が使用者の指揮監督下にあって労働を提供している時間」のことを指していますので、
準備にかかる時間等が労働時間であるかどうかは、指揮監督下におかれている実態により判断することになります。
ご質問の場合、朝礼のためにお店が従業員に対して10分前の出勤を義務づけていることになりますので、
この10分間は始業時刻の前であっても労働時間となります。
この朝礼が自由参加であれば、労働時間とならなくても問題はありませんが、自由参加としながらも朝礼に参加しなければ業務に支障が生じたり、
参加しないとペナルティがあるなど事実的に強制されているのであれば、労働時間として取り扱う必要があります。
ご質問の対策としては、次のような方法が考えられますので、一度お店と話し合ってみてはいかがでしょうか。
【対策として…】
1.朝礼を始業時刻から行うように変更してもらう。
2.朝礼時間分についても給与で支払ってもらう。
3.朝礼時間の10分間を、休憩時間で延長してもらう。
- 飲み会でのカラオケでデュエットを強要されるのはセクハラにあたるのか?
私が働いているお店では、月に1回飲み会があるのですが、店長がカラオケ好きでいつもしつこくデュエットを強要されます。
私はカラオケが苦手なので、嫌なのですが、これはセクハラではありませんか? - セクハラとは、「セクシャルハラスメント」の略称で、「性的な嫌がらせ」という意味で用いられています。
具体的なセクハラ被害の代表的な例としては、下記のような言動を職務的立場を利用して行うことを言います。
・身体を触る、抱きつく
・性的関係を強要する
・卑猥な言葉を多発する
・異性関係の噂を社内に流す
・性的経験、異性関係をしつこく聞く
・ヌードポスターを貼る 等々
これらの様なことを行い、拒絶した相手に対して減給したりや解雇したりといった不利益となる処分を与えたり、
本人と特定できるよう文書や写真を社内に貼るといった嫌がらせをしたり、あるいは脅かしたりすることはセクハラにあたるとされています。
ご質問のケースでは、カラオケでデュエットを強制することだけでは、違法とまでは言えませんが、断っているのに何度もしつこく強要したり、
デュエットと称して体を触ったり、断ると職場での立場が悪くなるというような場合があれば、セクハラに該当するでしょう。
また、事業主は、セクハラを防止するための措置を行う義務がありますので、
「苦情・相談窓口の設置」、「従業員へのセクハラ防止を周知」等の措置を行わず、セクハラ防止の義務を怠った場合は、
会社側も連帯責任を取らなければならなくなる可能性があります。
職場にセクハラの相談窓口があれば相談してみましょう。
相談窓口が無い場合は、全国の労働局に雇用均等室がありますので、相談してみてはいかがでしょうか。
- 有給休暇を取得すると、皆勤手当が減らされるという制度は許されるか?
当店では、1日でも有給休暇を取得すると、皆勤手当の1万円が貰えなくなります。
このような扱いは法律的には問題ないのでしょうか? - 労働基準法では、有給休暇を取得した場合の取り扱いについて、次のように定めています。
【労働基準法附則第136条】
使用者は、有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取り扱いをしないようにしなければならない。
したがって、有給休暇を取得したことによって、人事評価を低くしたり、皆勤手当や賞与を計算する場合にその日を欠勤または欠勤に準じて取り扱うことにより、
賃金を減額すること等も不利益な取り扱いになりますので、無効となる可能性が高くなります。
ただし、皆勤手当を減額する制度を設けている場合(例えば「1回有給休暇取得で皆勤手当が半額になる」、「2回有給休暇取得で皆勤手当が無くなる」等)は、
次の判断基準の内容を総合して考慮した結果、有給休暇を取得する権利を抑制したり、有給休暇の趣旨を実質的に失わせるものでなければ、
有給休暇の減額制度が無効とは言えないとされている判例もあります。
◆有給休暇の取得による皆勤手当の減額制度が認められる場合の判断基準
(1)趣旨、目的…効率的かつ円滑な業務の特性に応じており、必要性があること
(2)労働者の失う経済的利益の程度…1ヵ月の給与に占める皆勤手当の割合が低いこと
(3)有給取得への抑止力の強弱等…有給休暇取得を抑制するための制度でないこと
有給休暇取得による減額制度は労働基準法的にはあまり望ましくはないとされておりますので、あくまで個々のケースによって個別具体的に検討する必要があります。
このようなトラブルを防止するためにも、できるだけ有給休暇を取りにくいような制度は設けない方が望ましいでしょう。
ご質問のケースでは、お店側が皆勤手当の減額制度についての趣旨や目的を充分に説明していなかったり、
この制度があるために有給休暇が取りにくくなっているようであれば、無効となるでしょう。
- 遅刻の罰としてトイレ掃除を強制することは許されるのか?
飲食店で働いています。今月は遅刻を3回以上してしまったので店長から罰として1ヵ月のトイレ掃除を命じられました。
普段は交替制ですが、罰としての掃除なので営業時間終了後に一人でするように言われました。
また、この掃除の時間は、給料が出ません。このような扱いは許されるのでしょうか? - 飲食店では、料理の美味しさや内装などのお店の雰囲気のみならず、
トイレが清潔で衛生的であることについてのお客様の関心が非常に高くなってきていると言えます。
このトイレ掃除の命令が違法であるかどうかは、「懲罰としての命令」と「業務命令の必要性」についてを総合的に検討した上で判断する必要があります。
まず、「懲罰としての命令」については、懲罰の内容・程度・回数等によって考えなければなりません。
遅刻を繰り返す従業員がいる場合、お店の規律を維持するためにも何らかの懲罰を与えることは一般的にも行われている行為であり、不当とは言えないでしょう。
ただし、この懲罰が精神的、肉体的に苦痛なものであり、また長期間に及ぶ過酷なものである場合は、違法性が高くなります。
そして、就業規則に具体的な罰則として記載されていないときなどは、認められない場合もあります。
次に「業務命令の必要性」について考えてみると、トイレ掃除を外注の清掃会社に委託している場合等で従業員はトイレ掃除は行わないという雇用契約がない限り、
トイレ掃除自体は日常的に行われるものであり、また、全く予想外の業務とはいえませんので、業務命令としてトイレ掃除を命ずることは可能であると考えられます。
ただし、他の従業員への「見せしめ」のために必要以上の懲罰を与えたり、
従業員の懲罰の原因となった行為と懲罰の程度を比較してあまりにも大きすぎる懲罰である場合などは、
業務命令権の濫用として違法になる可能性が高くなります。
ご質問の場合、トイレ掃除の業務命令については違法性があるとはあまり考えられませんが、
1ヵ月間という期間の長さについては、違法性が認められる可能性があります。
前例や就業規則の懲罰規定があるか、また、その内容はどうなっているかを確認してみるとよいでしょう。
そして、トイレ掃除中の給料については、いくら懲罰といえども労働時間となるため、事業主には支払いの義務が生じます。
従って、未払い賃金として請求することが出来ます。
- 短期間で退職した場合、離職票は作成してもらえないのか?
飲食店で働き始めて、2ヵ月で退職することになりました。
店長に離職票を作成してもらえるか聞いたところ、「2〜3ヵ月で辞める人は、失業保険がもらえないから作成してないよ」と言われました。
短期間で退職した場合は、離職票を作成してもらえないのでしょうか? - 失業保険とは、雇用保険の被保険者だった人が、定年や倒産、自己都合等により離職した際に、失業中の生活の心配をすることなく、
求職活動を行い、少しでも早く再就職できるように支援するための制度です。
この失業保険の給付には様々な種類があり、一般に会社を辞めたときにもらえる手当を「基本手当」と言い、
この「基本手当」を受けるためには、次の期間、雇用保険に加入していることが要件になります。
◆失業保険(基本手当)を受給するために必要な期間◆
◇自己都合退職の場合
・退職日以前2年間に、雇用保険に加入していた月(賃金支払の対象となった日数が11日以上あること)が通算して12ヵ月以上あること。
◇会社都合退職等の場合
・退職日以前1年間に、雇用保険に加入していた月(賃金支払の対象となった日数が11日以上あること)が通算して6ヵ月以上あること。
この期間に満たない短期間で退職した場合、その事業所分だけでは「基本手当」はもらえません。
ただし、退職(資格喪失)から1年以内に雇用保険に再加入した場合は、他の事業所で雇用保険に加入していた期間を通算することは出来ますので、
それらを合わせて期間を満たせば「基本手当」がもらえる可能性があります。
ご質問の場合、退職されたお店分だけでは店長の言われるとおり、必要な期間を満たしていないので、「基本手当」をもらうことは出来ませんが、
その後1年以内に再就職したり、就職直前に加入していた期間があれば、前後の期間を通算して「基本手当」を受給できる可能性がありますので、
お店が勝手に判断して離職票を交付しないというわけにはいきません。
このように事業主には、原則として退職時に離職票を交付する義務がありますので(省略できるのは本人が希望しない場合に限られます)、
その旨を伝え、作成して貰うように話してみましょう。
- 労災休業中の解雇処分には従わなければならないのか?
配達中の労災事故により自宅療養していましたが、店長から「後任が見つかったので、もう来なくていいよ」と言われました。
納得できないのですが、解雇には従わなければならないのでしょうか? - 結論から言うと、労災で休業している期間中の解雇は認められません。
労働基準法第19条では、解雇制限に関する規程が定められており、
次に該当する場合は解雇することはできないとされています。
【解雇制限】
(1)業務上の負傷・疾病により休業する期間及びその後30日間(通勤途上の災害は除く)
(2)産前産後休業をしている期間及びその後30日間
法律の趣旨は、「労災による負傷・疾病で療養している期間」や「出産により休業している期間」についての解雇制限は、
労働者に失業の不安を与えないように配慮するためとなっています。
ただし、この解雇制限にも例外があり、次の場合は法律違反とはなりません。
【解雇制限の例外】
(1)業務上災害による負傷・疾病のため療養・休業し、療養開始後3年を経過しても治らない場合で、
使用者が平均賃金の1200日分を打切補償として支払ったとき。
(療養開始後3年経過し、かつ、労災保険法の傷病補償年金を受給することになった場合は打切補償を払ったものとみなされる。)
(2)天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合で、その事由について所轄労働基準監督署長の認定を受けたとき。
ご質問の場合は、労災による休業期間中のため、お店側は解雇することはできませんので、
店長に労災と労働基準法の関係をよく説明し、解雇を撤回してもらえるように申し出てみましょう。
ただし、通院していない場合や医師が完治したと判断した場合等は、労災の休業給付が打ち切られる可能性があり、
その後30日を経過後は解雇制限がなくなりますので、完治するまではしっかりと通院し、治療に専念することが必要です。
- 産休取得直後の賞与は支給されるのか?
6月から出産のために休暇をとっているのですが、毎年7月に支給される夏季賞与がもらえませんでした。
当店の就業規則では、賞与の算定対象期間が「12月から5月」となっており、
5月までは同じように働いていたのに、全く支給されないというのはおかしくないでしょうか? - 賞与を「いつ支給するか?」「いくら支給するか?」「どのように算定するか?」などについては、
法律で決められているわけではなく、それぞれの会社が雇用契約書や就業規則などで定めた内容に基づき決定されることになります。
一般的には賞与の算定期間を定めて、その期間における対象者の勤務状況・人事考課・会社貢献度などを総合的に勘案し、
個々ごとに支給額を決定するという会社も多く見られます。
この場合、賞与はその算定期間における労働の対価であると考えられますので、産休や育児休業・介護休業により働いていない期間は、
その期間分を「欠勤」したものとみなすことも可能です。
ただし、男女雇用機会均等法では、産休や育児休業を取得したことを理由に「解雇すること」、
「減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと」などの「不利益な取り扱い」を行うことは禁止されていますので、
算定期間の一部についてのみ育児休業を取得したにも関わらず、
全期間を欠勤したものとみなして賞与を全額不支給とするような場合は違法となる可能性が高くなります。
ご質問の場合、就業規則において賞与の算定対象期間が明確に定められており、その期間はすべて出勤していたのですから、
全く支給されないというのは問題があると思われますが、就業規則の内容によっては「業績悪化の場合は支給しない」というケースや
「本人の勤務成績・能力に基づいて査定した結果、成績不良等により不支給」となるケースなどもありますので、
まずは今回支給されなかった理由が何であるかをお店に確認してみましょう。
不支給の理由が、「支給日に産休を取っていたから」ということであれば、「不利益な取り扱い」として違法行為となりますので、支給してもらうよう申し出てみましょう。
- 退職後の健康保険の手続きはどうすればいいのか?
来月でお店を辞める事になりました。現在、通院中ですが退職しても今の健康保険は使えますか?
また、妻と子供がいますので、何か手続きが必要でしょうか? - お店を退職した場合、在職中に交付されていた健康保険証は退職日の翌日以降使用できませんので、
通院中の場合や奥さんや子供がいる場合は早急に次の保険への加入手続きを行う必要があります。
退職後は次の中からいずれかを選んで手続きを行って下さい。
◆退職後の保険加入の選択肢
(1)健康保険(社会保険)の任意継続保険に加入する。
(2)国民健康保険に加入する。
(3)家族の所持する健康保険の被扶養者となる。
任意継続保険(1)とは、退職した者が次の健康保険に加入するまでの間(最長2年間)、次の要件を満たした場合に限り、
継続して社会保険に加入する事ができる制度です。保険料は、在職中の健康保険料の倍となりますが、上限があります。
【任意継続の加入要件】
・ 退職日までに継続して2ヵ月以上の被保険者期間がある事。
・ 退職日の翌日(資格喪失日)から20日以内に申請する事。
国民健康保険(2)は、3割負担なので社会保険と変わりませんが、保険料の計算方法は市町村により異なります。
基本的に前年度の所得や所有財産などを元に計算されますので、前年の所得が多い人や、固定資産を所有している人は、保険料が高くなる可能性があります。
ただし、退職により収入が著しく減少した等の理由により保険料の納付が困難となった場合は、「減免制度」がありますので市町村の窓口へ相談する事が必要です。
家族が加入している健康保険の被扶養者となる場合(3)は、 退職後、その家族によって生計を維持されている事と、次の収入要件を満たす事が必要となっています。
【収入がある人の認定基準】
・ 同居の場合…年収が130万円未満かつ被保険者の年収の1/2未満。
・ 別居の場合…年収が130万円未満で被保険者からの援助額より少ない事。(60才以上や障害者の場合は180万円未満となります。)
失業保険なども収入に入りますので注意して下さい。
- 厨房・調理場の室温設定に規制はないのか?
私は、飲食店で調理の仕事をしています。
調理場では火を使うため、室温がかなり高くなるのですが、エアコンが古いため全く効きません。
これでは、この夏は耐えられないと思い、新しいエアコンを入れて貰えないかと申し出たのですが、
店長は「節電になってちょうどいい」「経費が無駄」「料理が冷める」などと言って一切聞いてくれません。
働く環境としては決して良くないと思うのですが、法律で規制はないのでしょうか? - クールビズを取り入れている会社も最近は増えており、
今年は震災による電力不足の影響で更に節電対策や温暖化防止の取組促進の呼びかけが強化されています。
「クールビズ」とは、地球温暖化防止活動の一環として、過度な冷房に頼ることなく、様々な工夫をして夏を快適に過ごすための取り組みの事です。
主に次のような事が行われています。
◆室内温度を28℃にする。
◆執務中の軽装の呼びかけ。
◆使用していない機器の電源を切る。
◆照明を半分程度間引きする。 等
この中で室温28℃の基準がよく誤解されていますが、ここで定められているのは「室温」であり、エアコンの設定温度ではありませんので、注意が必要です。
ちなみに、この「室温28℃」の根拠は次の法律に定められており、事務所・工場など労働を提供する場所の室温は、
17℃以上28℃以下の範囲が望ましいとされています。
◆労働安全衛生法(事務衛生基準規則)
◆建築基準法
◆建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令
ご質問のように飲食店の調理場などでは、扱う料理や調理方法によって、エアコンの温度設定を快適に保つには難しい状況であるかもしれませんが、
事業主は労働環境を整備する努力をしなければなりませんので、高い室温が原因で体調不良になったり、
病気になった場合などは事業主の安全配慮義務違反が問われることもあります。また、夏は食材の品質管理や食中毒にも気を配らなければなりません。
少なくとも28℃以下の室温になるようにエアコンを修理してもらうか、エアコンが無理でも扇風機などで風を送ったり、水分の補給がしやすい環境作り、
定期健康診断の回数を増やすなど、体調管理がきちんと出来るような職場環境の整備を行って貰えるように話してみましょう。
- お店からの一方的な職務内容の変更は拒否できるか?
私は、飲食店で調理スタッフとして採用され勤務しています。
先日、社長から事務職員が退職したので、今度から事務職に配置換えすると言われました。
私としては、このまま調理スタッフとしての仕事を続けたいのですが、社長からの命令を拒否する事は出来ませんか? - 配属先の変更や職務内容の変更などは一般的に「配置転換」と呼ばれています。
この「配置転換」は必ずしも事業主が自由に出来るわけではなく、要件を満たした場合に限り、「配置転換」を行う権利があるとされています。
まずは労働契約時に職種を限定しているかどうかが大きなポイントになります。
通常、看護師、建築士、調理師などの特殊な資格や専門業務に従事する者を雇用する際は、
職種を限定しているのが一般的であると考えられますので、事業主の都合により「配置転換」を行うためには、
労働契約時に職種を限定した雇用ではないことを条件としていたり、「配置転換」を受け入れる事の同意を得ていたり、
または就業規則等で「配置転換」について規定されている事などの要件が必要となります。
ただし、経営上の必要性と比べて労働者の不利益が著しく大きい場合や、賃金等の労働条件を切り下げる目的で行われた場合などは、
権利の濫用として「配置転換」は無効となります。
ご質問の場合について、まずは「採用時に職種を限定されていたか」、「就業規則に配置転換の規定があるか」を確認してみて下さい。
それらに他の職種への転換についての記述がなければ、本人が同意しない限り「配置転換」の効力はありませんので、基本的に断る事が出来ます。
「配置転換」の合意を交わしていた場合などは会社の命令に従うしかありませんが、どうしても調理スタッフとして働きたいという意思・熱意を伝え、
後任の事務職員を採用するまでの臨時的な措置にしてもらう等、社長に相談してみてはいかがでしょうか。
【配置転換が有効となるポイント】
(1)労働契約で職種を限定していない事。
(2)就業規則や労働協約等に配置転換の根拠となる規定がある事。
(3)業務上の必要性がある事。
(4)配置転換が不当な動機・目的をもって行われていない事。
(5)配置転換により、労働者の被る不利益が著しく大きくない事。
- 家族手当や住宅手当は割増賃金の計算基礎から除外できるか?
この度飲食店の事務職で採用され、給与計算を担当することになりました。
当店の社員には家族手当と住宅手当が一律で1万円ずつ支給されているのですが、
これらの手当は割増賃金を計算する際に除外しても良いでしょうか? - 割増賃金とは、使用者が労働者に時間外労働・休日労働・深夜業を行わせた場合に支払わなければならない賃金であり、労働基準法で定められています。
時間外労働等が行われた場合、月給者は次の式で算出された割増賃金を支払うことになります。(下記参照)
◆割増賃金の計算式(月給者)

ただし、毎月の賃金の中には家族手当や住宅手当、通勤手当のように、労働とは直接関係なく、個人的な事情に基づいて支払われる賃金があります。
この様な手当を割増賃金の計算に含むと家族の人数、住宅の負担、通勤距離等の事情により、それぞれに差が生じてしまうことになります。
そのような差違が生じないように、労働基準法施行規則21条では、割増賃金の時間単価を計算するときの基礎賃金から、
除外することができる手当について規定されています。(下記参照)
◆割増賃金の計算基礎から除外できる手当
・家族手当 ・通勤手当 ・別居手当 ・子女教育手当
・住宅手当 ・臨時に支払われた賃金
・1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金
これらに該当しない賃金は、全て割増賃金の計算基礎としなければなりません。
また、これらの手当が支払われていた場合であっても、実際に計算から除外するためには、単に名前だけの手当ではなく、その実態により判断されることになります。
ご質問のケースでは、家族手当や住宅手当が従業員個人毎の実態に関係なく一律に支給されていますので、割増賃金の計算基礎に含まなければなりません。
- 駐車違反の反則金は誰が負担するのか?
先日、弁当の配達中に駐車違反をしてしまい、反則金を支払いました。
店長からは「反則金は自己負担するように」と言われましたが、
店が駐車場代を支給してくれないために仕方なく路上駐車していたので、自己負担は納得がいきません。
どうすればよいでしょう? - 2006年からの改正道路交通法の施行以来、駐車違反の取締りが厳しくなり、
短時間でも摘発されるようになったため、配達車や営業車など業務における駐車違反も増加しています。
駐車違反は、基本的には運転者の不法行為となりますので、運転者本人が反則金を負担する義務があります。
ただし、改正道路交通法では、駐車違反の取締り強化だけでなく、「使用者責任」も拡充されているため、
使用者が駐車違反の予防策を講じていない場合などは、使用者に対して反則金の納付命令が行われることがあります。
◆改正道路交通法による駐車違反取締り強化のポイント
(1)車両の「使用者責任」を強化。
・運転者が反則金を納付しない場合、使用者に対して納付命令が可能に。
・あらかじめ運行の目的地及び経路を確認して駐車場所を確保するなど、確実に駐車違反を防止することができる措置を講じること。
・駐車違反のおそれがある運転者には車両の使用を認めないという措置を講じること。
(2)違法駐車取締り関係事務の民間委託。
(3)反則金を納付しない場合、督促・滞納処分となり、車検が受けられない。
民法では、事業主は従業員に対する「使用者責任」を負っており、従業員が不法行為をしないよう指導する義務と、
不法行為があった場合に代わりに責任を負う義務があります。
ご質問のケースのように店が駐車場代を支給していない場合などは、運転者の不法行為を助長していたとも言えるため、
店が必要な防止措置を講じていなかったと解釈できます。
この場合は、「使用者責任」により店が反則金の一部または全額を負担しなければならない可能性が高くなります。
一方、店が法令遵守を徹底し、防止措置を講じているにも関わらず、
従業員が駐車違反を繰り返しているような場合や本人が反則金を支払わない場合、または注意をしても改善しない場合は、
就業規則等に基づき懲戒処分を受ける可能性があります。
ご質問の場合、店に反則金を負担してもらえるように求め、今後の駐車違反防止のために、
駐車場代を支給するなどの仕組み作りを要求してみるのがよいでしょう。
- 遡って雇用保険に加入することはできるのか?
先日6年間働いていた飲食店が倒産したため、私も退職することになったのですが、
その際に社長が雇用保険の加入手続きを忘れていたことが分かりました。
給与明細では保険料を引かれていたので安心していたのですが、何とか遡って加入手続きを行うことは出来ないでしょうか?
【32才 女性】 - 雇用保険の被保険者が定年や倒産または自己都合等により離職し、受給要件を満たした場合は失業給付を受けることができます。
この失業給付は、離職時における被保険者の年令や被保険者期間、離職理由などによって受給できる日数が決まります。
これまでは、事業主が雇用保険の加入手続きを怠っていた場合、最大で2年間までしか遡って加入することが出来ませんでした。
2年を超える期間働いていたにも関わらず事業主が加入手続きを怠っていた場合は、2年間しか加入が認められず、
失業給付の受給日数が本来受けられる日数より少なくなってしまう可能性がありました。
そのようなケースから労働者を救済するために、平成22年10月1日からは、
雇用保険料が給与から天引きされていたことが書面などで明らかである場合については、
2年を超えて遡って被保険者になることが出来るようになりました。
【法改正後の遡及適用の対象になる人】
・平成22年10月1日以降に離職した人
・在職している人
法改正後の遡及適用を受けるには、2年を超えた期間について給与明細や源泉徴収票などの雇用保険料が給与から天引きされていたことが確認できる書類を、
公共職業安定所(ハローワーク)に持参して手続きをすることになります。
在職中の人については、会社が本人に代わって行います。
ご質問の場合、倒産による退職のため、特定受給資格者(倒産や解雇等により離職を余儀なくされた方)となります。
改正前であれば2年間しか遡及が認められなかったため90日間の受給日数でしたが、
この手続きを行うことにより180日間の失業給付を受給できることになります。
- 休日のフットサル大会中のケガは労災になるか?
私が働いているお店では、年に1回、休日に店舗対抗のフットサル大会を行っています。
今年も大会が行われたので先日出場したのですが、試合中の接触プレーにより足を骨折してしまいました。
しばらくお店も休まないといけないのですが、これは労災扱いになるでしょうか? - 労災保険の対象となるためには、原則として次の2点が判断基準となります。
1)「業務遂行性」…労働者が事業主の支配下にあり、指示を受けていたこと
2)「業務起因性」…業務と災害との間に相当な因果関係があること
フットサルや野球などの運動競技中にケガをした場合、この判断基準に基づいて、
業務上の災害であると認定されなければ原則として労災保険の給付対象とはなりません。
具体的には、運動競技大会出場中の災害が労災として認定されるために、次の2点のいずれについても満たしている必要があります。
1)当該競技大会に労働者を参加させることが、事業の運営に社会通念上必要と認められること
2)当該競技大会への労働者の出場が事業主から強制されていたこと
(昭32.6.3基発465号)
今回のフットサル大会がお店の運営上必要なものであり、
また、事業主から強制参加の指示が出ていた場合に限り、労災が適用される可能性があるでしょう。
そして大会への参加が「事業主からの強制」と言えるためには、次の2つの要件を満たす必要があります。
1)当該フットサル大会が、所属労働者の全員参加を基本として定例的に行われるものであること
2)当該フットサル大会当日が、通常の出勤と同様に取り扱われ、出場しない者は欠勤として取り扱われること(賃金の控除など)
ご質問の場合、これらの全ての要件を総合的に判断して労災給付の可否を決定することになりますので、労災認定は難しいのではないでしょうか。
なお、フットサル大会が業務上であると認定されても、その災害自身が恣意的な行為や業務を逸脱した行為等が原因で被災した場合は、
業務上と認められませんので、ご注意下さい。
- 「パートタイマーは昇給なし」とすることは問題ないのか?
私は、今のお店にパートとして勤めて5年になります。入社して3ヵ月後に時給が上がりましたが、その後はずっと同じ時給です。
同じような仕事内容の社員の方は定期昇給があるようなので、店長に聞いたところ「パートの昇給は考えていない」と言われました。
不公平に感じるのですが、これは仕方がないのでしょうか? - パートタイマー等と正社員の待遇格差を是正し、安定した労働力を確保するために平成20年4月より「パートタイム労働法」が改正されました。
この「パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)」の対象は、
1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(正社員など)の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者とされています。
「パートタイマー」「アルバイト」「臨時社員」「嘱託」などの名称にかかわらず、この条件に当てはまる労働者が「パートタイム労働法」の対象となります。
◆パートタイム労働法のポイント
(1)労働条件の文書明示義務…「昇給の有無」「退職金の有無」「賞与の有無」
(2)待遇決定の説明義務…労働条件の文書交付等、就業規則の作成手続、賃金の決定方法などの説明
(3)働きや貢献に応じた待遇決定…賃金、教育訓練、福利厚生等の待遇についてパートを理由とする差別的取り扱いの禁止
(4)正社員へ転換する措置の義務…正社員募集時、募集内容をパート等に周知する、正社員の社内公募、正社員への転換制度導入
(5)苦情処理・紛争解決の援助…事業主がパートから苦情を受けたときは、事業所内で自主的な解決を図る(努力義務)
お店側はパートを雇う際、基本的な労働条件に加えて「昇給」「退職金」「賞与」の有無を文書で交付することが義務化され、
現に雇用している者から求められた場合は、待遇の決定にあたり考慮した事項などを説明することが義務化されました。
また、正社員と職務内容、責任の度合い、人事異動の有無などが同じ場合は、賃金などでの差別的な取扱いが禁止されています。
さらに、職務内容等が正社員と同じでなくとも、パートの職務内容、成果、能力、経験など正社員とのバランスを考慮して賃金を決定することが求められています。
ご質問の場合、店長にパートタイマーに適用される就業規則があるのか、
雇用契約書等には昇給についてどのように記載されているかを尋ねて、改善を求めてはいかがですか。
お店側が全く改善してくれない場合は、労働局の雇用均等室へ相談してみましょう。
- 出産に関する社会保険の給付はどんなものが受けられるのか?
私は飲食店に正社員として勤務し、社会保険にも加入しています。
今年の夏に出産の予定なのですが、出産にあたって社会保険からはどんな給付が受けられるのでしょうか? - 健康保険では、出産に関わる給付として出産費用の補助として支給される(1)「出産育児一時金」と、
出産に関わる休業期間中の生活補償として支給される(2)「出産手当金」の2種類の給付を受けることが出来ます。
以下それぞれについて説明します。
(1)「出産育児一時金」について
社会保険の被保険者及び被扶養者が出産したときは出産育児一時金として、子供1人あたり42万円の一時金が支給されます。
(※産科医療補償制度に加入していない医療機関等の場合は39万円)
子供の数だけ支給されますので、双子の場合は、84万円(42万円×2人)が支給されます。
また、普通分娩の場合は病気ではないので、定期検診等や出産に関わる費用は自費扱いですが、
帝王切開等の異常分娩の場合は、健康保険で治療を受けることができます。
(2)「出産手当金」について
社会保険の被保険者が出産のために会社を休み、事業主から給与等が受けられないときは、休業期間中の生活補償として出産手当金が支給されます。
◇出産手当金が受けられる期間は?
出産手当金は、出産日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前 42日(多胎妊娠の場合は98日)から、出産日の翌日以後56日までの範囲内で会社を休んだ期間について支給されます。
ただし、休んだ期間に、出産手当金の額より多い給与等が支給される場合は、出産手当金は支給されません。
◇出産が予定より遅れた場合は?
予定日より遅れて出産した場合は、支給期間が出産予定日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以後56日の範囲内となっていますので、
出産予定日から実際に出産した日までの期間も支給されます。
◇支給される金額は?
出産手当金は、産前・産後の休業期間について次の金額が支給されます。
出産手当金=標準報酬日額×2/3×休業日数
ただし、会社を休んだ期間について、事業主から給与等が支給される場合は、その金額を控除した額が出産手当金として支給されます。
- 年金手帳を紛失した場合、再発行はできるのか?
飲食店を経営する会社に就職が決まり、入社にあたって店長から年金手帳を持ってくるように言われたのですが、どこを探しても見つかりません。
通常、年金手帳はいつ発行されるものなのでしょうか?また、年金手帳は再発行してもらえるのでしょうか? - 日本国内に住んでいる20才以上60才未満の人は、
国民年金に加入しなければなりませんので、20才になると1人に1冊「年金手帳」が交付されます。
通常の場合、20才の誕生日前に年金事務所から「国民年金被保険者資格取得届書」が送られてきますので、
これに記入して届け出ることにより後日、「年金手帳」が住所地あてに郵送される仕組みとなっています。
また、20才になる前に社会保険の適用事業所に就職した場合は、
その会社で厚生年金の加入手続きを行いますので、会社経由で「年金手帳」を受け取ることになります。
この「年金手帳」には「基礎年金番号」という、国内すべての公的年金の加入記録を一元的に管理するために、
日本国民1人あたりに1つが割り当てられている番号が記載されており、
将来、年金を請求する際にはこの「基礎年金番号」が記載された「年金手帳」が必要となります。
「年金手帳」を紛失した場合や破れたり汚れてしまったりした場合は、届出をすることにより再発行が可能で、
届出先は現在の年金資格の種別によって次のようになっています。
ご質問の場合、第2号被保険者として厚生年金に加入することになると思われますので、勤務先のお店に事情を説明して、再交付の手続きを取ってもらいましょう。年金資格の種別 届出先 第1号被保険者(自営、学生など) 住所地市役所の国民年金窓口 第2号被保険者(厚生年金の被保険者) 勤務先を経由して年金事務所(又は組合等) 第3号被保険者(第2号の被扶養配偶者) 勤務先を経由して年金事務所(又は組合等)
- パートタイマーでも退職金を請求できるか?
私は飲食店でパートタイマーとして10年働き、先日退職しました。
うちの店は正社員に対しては退職金が支給されますが、パートには退職金が支給されません。
パートタイマーは退職金を請求することは出来ないのでしょうか? - 退職金は、法律で支払いが義務付けられているものではありません。労働基準法第89条では、
「退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、
計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項を定めなければならない」
とされていますので、会社に退職金制度が定められている場合については、その制度に基づいた支払いが義務付けられることになります。
退職金制度があるにもかかわらず、その制度に従った支払いをしないということであれば、労働基準法違反となります。
まずはお店の就業規則に退職金制度が定められているかどうかを確認することが必要です。退職金制度が定められていても、
「パートタイマーやアルバイトは対象外にする」というお店も多いですから、対象となる範囲がどうなっているかについても重要な確認事項となります。
正社員には退職金制度が定められていながら「パートタイマーなどに関する制度がない場合」や、
「退職金の支給対象となる範囲に関する定めがない場合」などについては、
就業規則のほかに採用時の「雇入通知書」や「労働契約書」などでパートタイマーに対する退職金の取り扱いについて明確に除外されていなければ、
退職金を請求できる可能性は高くなります。
また、正社員と同じ仕事内容で同じような勤務時間の場合なども、社員とパートで退職金の支給等について格差があるということであれば、問題があるでしょう。
以上を踏まえて、一度お店側と話し合ってみてはいかがでしょうか。
- 妻の給与を、夫の銀行口座に振り込むことは可能か?
私は先日から飲食店でパートとして働き始めた主婦です。
お店から給与を振り込む口座を指定するよう言われたのですが、自分の口座を作っていなかったため、
夫名義の銀行口座に振り込んでもらおうと頼んだら、それは出来ないと言われました。なぜでしょうか? - 労働基準法第24条では、賃金の支払いについて「5つの原則」を定めており、これを「賃金支払いの5原則」と言います。
【賃金支払いの5原則】
(1)通貨払いの原則
労働に対する報酬を支払う場合は、通貨で支払わなくてはなりません。
ただし、賃金を労働者の同意を得た上で、労働者が指定する金融機関へ振り込む場合等は、例外として認められています。
(2)直接払いの原則
賃金を労働者以外の者に支払うことは禁止されています。
例え労働者の親・配偶者等であっても支払うことはできません。(ただし、「使者」に支払うことは可能。)
(3)全額払いの原則
賃金の一部を控除して支払うことは禁止されています。
ただし所得税や社会保険料等法律で定められているものや労使協定で定められたものは控除できます。
(4)毎月1回以上払いの原則
賃金は、少なくとも毎月1回以上支払わなければなりません。
(賞与や臨時に支払われる賃金等については、この原則は適用されません。)
(5)一定期日払いの原則
賃金は毎月一定の期日を定めて、定期的に支払わなければならないとされています。
ただし、支払日が休日に当たる場合に、支払日を繰り下げることや、繰り上げることは問題ありません。
ご質問のケースでは②の「直接払いの原則」に反することになりますので、
本人の同意があったとしても、妻の給与を夫の銀行口座に振り込んでもらうことは出来ません。
- 学生アルバイトは雇用保険に加入出来るのか?
私は、飲食店でアルバイトをしている大学生です。
昼間は大学に通い、授業のない夜や土日はシフトを入れて働いています。
最近では、1週間あたり20?30時間働いていますが、この様な場合雇用保険に入れてもらうことは出来ますか? - 雇用保険の被保険者となる要件は、「雇用保険の適用事業所に雇用されている者」であり、
原則として「1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ、31日以上引き続いて雇用される見込みのある者」とされています。
一方、学校教育法第1条で規定されている学校の学生・生徒等(夜間の学生・生徒を除く)は、
雇用保険の適用事業所に雇用されても雇用保険法上の労働者とは認められないため、雇用保険に加入できないとされています。
というのも本来、学生は「学業」に専念することが本分であり、たとえアルバイト等で就労する場合であっても臨時内職的なものと判断されるため、
退職しても「学業に専念している状態」として失業保険の受給対象からも除外されるからです。
以上により、夜間を除く学生・生徒(昼間学生といいます)は、雇用保険の被保険者となることはできませんが、
例外として次の要件に該当する場合に限り、雇用保険の被保険者となることが認められています。
◆昼間学生が雇用保険の被保険者となる要件
(1)卒業見込み証明書を有するもので、卒業前から就職し、卒業後も引き続き事業所に勤務するもの
(2)休学中のもの、または、出席日数を課程終了の要件としない学校に在学する者で、適用事業において他の労働者と同様に勤務しえると認められるもの
(※この場合、その事実を証明する文書の提出が求められます。)
ご質問の場合、原則としては雇用保険に加入することは出来ませんが、前記の要件に該当する場合は、
認められることもありますので、一度ハローワークに確認してみるとよいでしょう。
- 労災でかかっている病院を変更できるか?
先日、仕事中に足をケガしたため、お店から一番近い病院に行き治療してもらいました。
今後も、リハビリでしばらく通院が必要なのですが、病院が自宅からは遠いため、仕事を休業中に通院するのはとても不便です。
自宅近くの病院に変更できないでしょうか? - 業務上や通勤途上でのケガや病気は、労働者災害補償保険(労災保険)で治療を受けますので、
原則として一番最初にかかった病院へ事業主が証明した「療養の給付請求書(第5号)」を提出することになります。
その後、病院と労働基準監督署(労働局)の間で保険給付の請求を行いますので、労働者自身に治療費の負担はありません。
この最初にかかった病院を転院する場合は、転院先の病院へ「指定病院等変更届(第6号)」という書類を提出しなければなりません。
そうすれば、転院後もすでに届けられた労災の治療であることが確認でき、引き続き労災保険で治療を受けられます。
また、労災事故等により休業が必要な場合は、「休業補償給付」が受給できます。
この「休業補償給付」を請求する際は、診察を受けた医師に「働くことが出来ない(労務不能)」という証明をしてもらう必要があり、
休業期間が転院前・後に及んでいる場合は、両方の病院の医師にそれぞれの病院でかかった期間の労務不能証明が必要となりますのでご注意下さい。
- 年末調整とはどういうものですか?
今年、新卒で飲食業の会社に入社しました。
この度、総務から年末調整の書類を提出するように言われましたが、年末調整とはどういう事をするのですか? - 会社は、毎月の給料や賞与を支払う際に、扶養家族の人数や社会保険料の控除等に応じて定められた「源泉徴収税額表」に基づいて、
所得税の概算額を給料等から天引きすることになっています。
しかし、この天引きされた所得税の年間合計額と、その人に支払われた1年間の給与等の総額に対して算出される税額とは、次の理由により一致しないのが普通です。
■毎月の給与から天引きされる税額と、年税額が一致しない理由
(1)「源泉徴収税額表」は、1年間を通して毎月の給与額に変動がないものとして作成されているが、実際には年の中途で給与額の変動があるため
(2)年の中途で扶養親族等が変動しても、遡って各月の税額を修正しないため
(3)生命保険料、地震保険料及び配偶者特別控除等は、年末調整の際に控除するため
(4)年の中途で就職した場合など、1年間を通じて勤務しているとは限らないため
この不一致を精算する手続のことを、「年末調整」と言います。
「年末調整」では、1月から12月までの1年間に会社が従業員から徴収した所得税の総額と、
その年に納めるべき年税額との過不足額を計算し、その差額を本人から徴収又は還付する手続となります。
この「年末調整」をすることにより、大部分の人が、確定申告をしなくてもその年の所得税の納税を完了することになりますので、重要な手続きと言えます。
■年末調整の対象となる人
「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人(他の会社に提出している人を除く)のうち、その年の給与等の収入金額が2000万円以下である次の人です。
(1)1年を通じて勤務している人
(2)年の中途で就職し、年末まで勤務している人
(3)年の中途で退職した人のうち次の人
1.死亡退職した人
2.著しい心身障害のため退職した人で、その退職の時期からみて、本年中に再就職できないと見込まれる人
3.12月に支給期の到来する給与等の支払を受けた後に退職した人
(4)年の中途で海外支店へ転勤したこと等の理由により非居住者となった人
- お店が倒産したら給料はもらえないのか?
先日、勤めていたお店が倒産し、社長と連絡が取れません。
先月の給料と併せて2ヵ月分の給料を貰っていないのですが、このままあきらめるしかないのでしょうか? - お店の倒産によって、給料の未払い分を受け取る権利自体が無くなってしまうというわけではありません。
お店に対して未払い賃金を請求する権利(債権)が残ります。
しかし、実際には、倒産したお店から未払い賃金が全額支払われることは、まず期待できないでしょう。だからといって、泣き寝入りする事はありません。
このように会社やお店が倒産したために、給料を受け取れずに退職した人に対して、「未払賃金の立替払制度」があります。
この制度は、国(労働者健康福祉機構)がその未払い賃金の一部を事業主に代わって支払う制度で、次の要件に該当する場合に利用できます。
■立替払制度を利用するための要件
(1)1年以上にわたり事業を行ってきたお店(法人、個人を問わない)に労働者として雇用され、
お店の倒産(もしくは事実上営業活動が停止し、賃金支払い能力がないと労働基準監督署長が認定した場合)に伴い退職し、未払賃金が残っている人。
(ただし、未払賃金の総額が2万円未満の場合は不可。)
(2)倒産等の6ヵ月前から2年(倒産後1年半)以内に退職している労働者。(パートタイマーやアルバイト等も利用可能。ただし、役員は利用できません。)
■いくら支払われるか
実際に立替払いされる金額は、退職日の6ヵ月前の日から労働者健康福祉機構に立替払請求した日の前日までの間に支払期日が到来している未払い賃金と退職金の総額の8割となりますが、退職日の年令によって限度額があります。(別表)
この手続は、事業所を管轄する労働基準監督署で受け付けています。少し煩雑な手続きとなりますので、一度相談に行ってみてはどうでしょうか。
【立替払いの限度額】
退職日の年令 未払賃金総額の上限額 立替払い上限額(限度額の8割) 45才以上 370万円 296万円 30才以上45才未満 220万円 176万円 30才未満 110万円 88万円
- 台風の影響で臨時休業になった場合の給料はどうなる?
私はレストランで働いている者です。先日、台風による影響でお店が入っているビルが停電となったため臨時休業になりました。
店長からは、「この際にビルの各所の修繕工事を行うことになったので、1週間程休んでほしい」と言われましたが、お店自体が休業のため給料は出ないそうです。
自分の都合で休むわけでもないのに給料が全く出ないなんておかしくないですか? - 通常、使用者(経営者)側の責任で労働者を休ませた場合、「休業手当」の支払いが必要です。
この「休業手当」とは、労働基準法第26条に「使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては使用者は、休業期間中当該労働者に、
その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」と規定されており、次に該当する休業の場合は支払いが義務づけられています。
◆ポイント:「使用者の責めに帰すべき事由による休業」とは…使用者の故意、過失等による場合を指し、具体的には次の場合があげられます。
(1)経営難、資金難や生産調整のため労働者を自宅待機させた場合
(2)原材料・資材不足や機械の故障、検査等事業設備の不備により休業した場合
(3)監督官庁の勧告により操業を休止した場合
(4)使用者が労働者を違法に解雇、出勤停止等した場合
(5)新規学卒採用内定者を自宅待機させた場合など
ただし、「不可抗力」によるものは含まれませんので、自然災害による事故などが原因で休業を余儀なくされた場合は、除かれます。
◆ポイント:「不可抗力」とは…「不可抗力」とは、次の2つの要件を満たさなければならないとされています。
(1)その原因が事業の外部により発生した事故であること
(2)事業主が最大の注意を尽くしても、なお避けることのできない事故であること
今回のケースでは、台風により営業できなかった当日については、自然災害による休業のため、
「休業手当」の支払い義務は生じないと考えられますが、その後の修繕工事に要する期間については、この休業が「不可抗力」に該当するかどうかが問題となります。
ビルの倒壊などにより復旧が必要な場合や周辺地域一帯が電気・水道等の供給が停止している場合などを除いて、
一般的な修繕工事については「不可抗力」とは言えず、「使用者の責めに帰すべき事由による休業」に該当すると考えられますので、
今回の修繕工事期間については「休業手当」の支払いが必要となります。
- 離職票の離職理由が違う場合はどうすればよいか?
飲食店の店長をやっていた者です。先日、社長の呼び出しがあり、店舗の業績不振の責任を問われ、
「責任をとって辞めてくれないか」と言われたので仕方なく退職することになりました。
数日後、会社から自宅に離職票が送られてきたのですが、よく見ると、「離職理由」が「自己都合による退職」となっていました。
事実とは違うのですがどうすればよいでしょうか? - 離職票とは、雇用保険の失業給付を受給するときに必要な書類で、通常は退職後10日程度で退職した会社から渡されるものです。
この離職票には、離職理由や過去に支払われた給与・出勤日数などが記入されており、この情報を元にハローワークが失業給付を決定します。
記載された離職理由が「会社都合による退職」の場合と「自己都合による退職」の場合とでは、給付期間や給付日数に大きな違いがあり、
また「自己都合による退職」の場合は、失業給付を受給するまでに3ヵ月程度の給付制限期間が設けられることになりますので、
離職票には、正確にそして出来るだけ詳細に記入する必要があります。
ご質問のケースでは、まず会社に離職票の離職理由が違う旨を伝え、正しい理由に訂正してもらえるよう頼んでみましょう。
お店側が応じてくれない場合は、離職票に「離職者本人の判断」欄がありますので、そこに「事業主が○を付けた離職理由に異議『有り』」として下さい。
そして、失業保険の受給手続きの際にハローワークの給付窓口にて事情を説明して下さい。
退職理由が会社と本人とで異なる場合は、会社に事情確認を行うなど両者からそれを証明する書類を元に、
ハローワークが事実関係を調査して最終的な判定をすることになっています。
【失業給付の所定給付日数】
1.自己都合により離職した方、定年退職者の方 被保険者期間 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上 全年令共通 90日 90日 90日 120日 150日 2.特定受給資格者 会社都合(倒産、解雇)等により離職した方 被保険者期間 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上 30才未満 90日 90日 120日 180日 -- 30才以上35才未満 90日 180日 210日 240日 35才以上45才未満 90日 180日 240日 270日 45才以上60才未満 180日 240日 270日 330日 60才以上65才未満 150日 180日 210日 240日
- 「振替休日」と「代休」は何が違うのか?
私の働いているお店では、休日に出勤した場合、店長よりいつも「振替休日」をとるよう言われています。
知り合いのお店では、「代休」をとったり休日手当がもらえるそうですが、「振替休日」と「代休」は何が違うのでしょうか? - 労働基準法では、休日に対しては次のように定められています。
「使用者は毎週少なくとも1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない。」(労働基準法第35条)
この休日のことを「法定休日」と言い、会社が「法定休日」に労働させた場合は割増賃金(通常の賃金の135%)の支払いが必要となります。
ただし、「法定休日」は1週間に1日の休日を確保できれば良いとされていますので、事前に休日を別の日に振り替えておけば、割増賃金の支払いは不要となります。
つまり、「振替休日」とは、本来の休日を事前に出勤日に変更し、代わりに別の出勤日を休日に変更することを言います。
この場合でも、休日の振替により、1週間の法定労働時間を超える場合は時間外労働の割増賃金(125%)の支払いが必要となります。
次に「代休」とは休日出勤を行った場合、その後に休日出勤の代償として、他の出勤日を休日に変更することを言います。
この場合は、休日出勤を行った時点で、割増賃金の支払い義務が生じていますので、「代休」を取ったとしても割増分(35%)だけは支払いが必要となります。
ご質問の場合、事前の休日の振替は行われていないようですので、「代休」扱いとなり、割増分の手当が発生しています。
手当が支給されていないようであれば、店長に未払分の支払いと今後、振替休日の取り扱いについて適正にしてもらえるよう申し出てみましょう。
◆振替休日を行う際のポイント
(1)就業規則等に「休日を他の日に振り返ることができる」と記載されていること。
(2)事前に振り替える日が特定してあること。
(3)1週1日または4週4日の休日が確保されていること。(振替日は出来る限り近接していることが望ましい。)
- パートタイマーでも年次有給休暇を請求できるか?
私は、1年前からお弁当屋さんにパートタイマーとして、1日4時間の週3日勤務している者です。
先日、急用が出来たため店長に「有給をとって休みたい」と申し出たところ、「短時間のパートさんには有給休暇なんてないよ」と言われ、拒否されてしまいました。
私のような短時間勤務のパートでは、有給休暇は請求できないのでしょうか? - パートタイマーやアルバイトには有給休暇がないと思っている方が多いようですが、
労働基準法に定められている次の要件を満たした者であれば、誰でも有給休暇を請求する権利があります。
(1)雇い入れ日から6ヶ月間継続勤務していること
(2)所定労働日の8割以上出勤していること
例えば、週に5日以上勤務している労働者は、正社員、パートタイマー、アルバイトを問わず、要件を満たせば、6ヶ月経過後に10日分の有給休暇が付与されます。
ただし、パートタイマーのように所定労働日数が通常の正社員よりも少ない労働者に対する有給休暇については、
その所定労働日数の割合に応じて定められた日数(別表)が付与されます。これを「比例付与」といいます。
ご質問のケースでは、週3日勤務ですから、雇入れの日から6ヶ月経過後に5日の有給休暇(1日につき4時間分)が与えられます。
その後1年経過するごとに所定労働日の8割以上出勤していれば別表のとおりの有給休暇が与えられることになります。
【別表】
※週以外の期間によって労働日数が定められている場合週所定労働日数 1年間の
所定労働日数※勤続年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月以上 4日 169~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日 3日 121~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日 2日 73~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日 1日 48~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日
- 試用期間中は社会保険に加入しなくてよいのか?
私は飲食店に転職して働き始めたところなのですが、
店長は「試用期間中なので保険の加入はできないよ」と言って社会保険の加入手続きをしてくれません。
以前勤めていた会社は違う業種でしたが、入社日から加入していました。
試用期間中は社会保険に加入しなくてもよいのでしょうか? - 試用期間とは「使用者が、新たに雇用した労働者を正式に採用するかどうか判断するために設ける期間」のことを言い、
社会保険等(健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険)の加入手続きとは全く関係ありません。
社会保険の適用事業所(株式会社などの法人や従業員5人以上の適用業種)に、
正社員として採用された場合や正社員の勤務日数または勤務時間の概ね4分の3以上の労働契約で採用された場合は、
入社日から社会保険に加入する義務があります。
逆に言うと、勤務実態が短い労働者は除外されますので、加入することはできません。
勤務実態が短い労働者以外で、社会保険の加入が除外されるのは、次の場合に限られています。
(1)2ヶ月以内の期間を定めて雇われた人(所定の期間を超えて引続き使用されるようになった場合は、その日から加入)
(2)日々雇い入れられる人(ただし、1ヶ月を超えて引続き雇用されるになった場合は、その日から加入)
(3)季節的な業務に雇われた人(ただし、継続して4ヶ月を超えて雇用されるときは、当初から加入)
(4)臨時的事業の事業者に雇われた人(ただし、継続して6ヶ月を超えて雇用されるときは、当初から加入)
(5)所在地が一定しない事業所に雇用された人
「社会保険料負担が増加するから」「すぐに辞めてしまうかもしれないから」というような理由で、
試用期間中は社会保険の加入手続きをしない会社も少なくありませんが、明らかな違法行為となります。
店長に、法律では試用期間中も加入義務があることを申し出て、入社日から加入手続きをしてもらえるように交渉してみてはいかがですか。
- ぎっくり腰は労災として認められるか?
お店で、床に落とした皿を片づけようとしてかがんだ際にぎっくり腰になってしまいました。
これは仕事中に起こったことなので労災になりますか? - 労災は、本来、業務中に業務が原因でケガや病気になったときに給付されるものですが、
腰痛となると、年令や運動不足などが原因で起こる可能性があるため、厚生労働省が定めた「業務上腰痛の認定基準」に該当し、
かつ、医学上療養を必要とするときは、業務上災害として労災保険が適用されることがあります。
この「業務上腰痛の認定基準」とは次の2つに分けられます。
【1】災害性の原因による腰痛
一般的なケガの他、突発的な出来事による急激な力の作用によって、外傷はなくても腰部の筋等の損傷を引き起こす程度のものが業務中に生じた場合、
次の2つの要件のいずれをも満たし、かつ、医学上療養を必要とするときは、労災として取扱うとしています。
(1)腰部の負傷または腰部の負傷の生ぜしめたと考えられる通常の動作と異なる動作による腰部に対する急激な力の作用が
業務遂行中に突発的な出来事として生じたと明らかに認められるものであること。
(2)局部に作用した力が腰痛を発症させ、又は腰痛の既往症若しくは基礎疾患を著しく増悪させたと医学的に認めるに足りるものであること。
具体例としては、重量物の運搬作業中に転倒したり、無理な姿勢をとったため腰に異常な負担がかかった場合等が考えられます。
【2】災害性の原因によらない腰痛
この場合は次の2つに分けられます。
(1)腰部に過度の負担のかかる業務に比較的短期間従事する労働者に発症した腰痛
(2)重量物を取扱う業務または腰部に過度の負担のかかる作業態様の業務に相当長期間にわたって継続して従事する労働者に発症した慢性的な腰痛
以上を踏まえて考えてみると、ご質問の「ぎっくり腰」が労災として認定されるためには、
腰部の負傷又は腰部への急激な力の作用が業務遂行上の突発的な出来事として客観的に認められるものであるか、
又は腰部への急激な力の作用が通常の動作と異なる動作又は姿勢によって生じたものであることが必要となります。
床に落ちた皿を片づけようとする動作により「ぎっくり腰」が発症したとすれば、その動作は特に日常生活の動作と異なるとは考えられず、
その動作による腰部への異常な力の作用があったとは認められません。
従って、ご質問のケースでは労災として認定されることは難しいと思われます。
- 一方的な給与カットは許されるか?
経営状況の悪化を理由に、今月から社員の給与を20%カットすると店長から言われました。
業績が良くないのはわかりますが、20%もカットされると生活が非常に苦しくなります。
こんな一方的な給与カットは許されるのでしょうか? - いくら経営状況が悪化したという理由があっても、賃金や労働時間等の労働条件を労働者の同意無く、
使用者が一方的に変更することは原則として出来ません。これは労働契約法第8条に定められています。
そして賃金は労働条件の最も重要な要素ですので、一方的な給与カット(賃金の減額)は、労働条件の「不利益変更」に該当します。
どうしても経営上の理由で給与をカットしなければならないのであれば、従業員の個別の同意を得るほか、
一定期間の経過措置を設けて段階的に引き下げる措置を行うなど、慎重に対応しなければなりません。
また、従業員の同意を得るには、給与カット(賃金の減額)の必要性や合理的な理由を十分に説明し、従業員の自由な意思に基づいて、
給与カットの同意を書面などでもらっておく必要があります。
しかし、従業員各人の個別の同意が得られない場合でも、労働組合の同意を得て労働協約で減額が合意されたり、
就業規則に「賃金の減額改定」について規定されたりした場合には、この賃金の減額が有効となる場合があります。
ただし、この場合でも従業員にとって不利益な変更に該当する場合の就業規則の改定は、「高度な合理性」が必要とされます。
ご質問の場合、給与の20%カットは労働者にとって大幅な減額となりますので、「就業規則の記載内容」、「給与カットの理由」、
「経過措置の有無」、「減額の期間」などを良く確認し、納得できないのであれば、店長に十分な説明を求めて下さい。
◆ポイント◆
(1)賃金の減額等の労働契約の変更は、労働者の自由意思に基づく同意が必要。
(2)労働者の同意なく、一方的に不利益に変更することは出来ない。
- お店からの借金返済が終わるまで辞められないのか?
急にまとまったお金が必要となり、お店から借金をしました。
返済は毎月の給与から分割して天引きしてもらうことになりましたが、
条件として返済が終わるまで退職できないと言われました。
借金の返済が終わるまでは辞められないのでしょうか? - まずは、「お店から借金をすることができるか?」という点と
「借金を給与から返済することが出来るか?」という点について分けて考えてみましょう。
労働基準法第17条では、「使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない」と定められています。
これは、労働者に働くことを条件にお金を貸して、労働を強制したり、退職を妨げたりすることや、
前貸金を労働者の同意なく毎月の給料から差し引くことなどを禁止している法律です。
これに違反した場合、罰則として、使用者に対しては懲役刑(6ヶ月以下の懲役)または罰金刑(30万円以下の罰金)が科せられます。
ただし、使用者が労働者にお金を貸すこと自体を禁止しているものではありませんので、
労働を条件としない自由意思に基づく貸し借りについては問題ありません。
次に、労働基準法第24条では、「賃金は、通貨で、直接労働者にその全額を、毎月1回以上、一定の期日に支払わなければならない」
と定められていますので、原則は給与から貸付金の返済分を控除することはできません。
ただし、労使協定(使用者と労働者を代表する者との協定書)で「社内貸付金の返済」について毎月の給与から天引き出来るという内容を定めた上で、
労働者本人が同意した返済額を控除することは可能です。
したがって、「お店から借金すること」「借金を給与から返済すること」は問題ありませんが、
ご質問のケースのように労働を強要し、退職できないように拘束することは違法となります。
以上により、退職は自由に出来ますが、後日、借金トラブルにならないためにも、
返済額や返済回数等について事前にしっかり話し合い、返済計画を立てるようにしましょう。
- 男性社員限定の研修制度は許されるのか?
私が勤めているお店では、社員研修は男性のみが対象となっていて、
女性は参加しなくてよいと言われているのですが、これって違法ではないんですか? - 雇用に関するあらゆる男女間の差別的取り扱いを禁止するために男女雇用機会均等法が定められており、
均等法第6条では、「事業主は、労働者の配置、昇進及び教育訓練について、労働者が女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをしてはならない」
と規定されています。
ここでいう「教育訓練」とは、行政通達では「事業主が、その雇用する労働者に対して、その労働者の業務遂行の過程外(OFFJT)又は当該業務遂行の過程内(OJT)において現在及び将来の業務遂行に必要な能力を付与するために行うものをいい、業務の遂行に関連する知識、技術、技能を付与するもののみならず、社会人としての心構えや一般教養等の付与を目的とする教育訓練も含まれる」とされていますので、
事業所の内部・外部問わず、すべての教育訓練について男女の差別をすることは禁止となります。
違反する教育訓練に対する措置として、次のようなものがあげられます。
●女性であることを理由として教育訓練の対象から女性を除外すること
例1.教育訓練の対象を男性に限定
例2.店長研修の対象を男性に限定
●婚姻したこと、一定の年令に達したこと、子があること等を理由として、女性を教育訓練の対象から除外すること
●教育訓練にあたって、男女に異なる条件を設定すること
例1.勤続年数条件について男性より女性を厳しくすること
例2.女性のみに上司の推薦を条件とすること
例3.教育訓練の対象を「男性は全員、女性は希望者のみ」とすること
●教育訓練の実施について、男女に異なる取り扱いをすること
例1.教育訓練期間を男女別に設定
例2.教育訓練カリキュラムを男女別に設定
●教育訓練を女性のみを対象に行うこと
例1.一定の職務に従事する者を対象とする教育訓練を行うにあたって、その対象を女性のみとすること
例2.女性のみに接客訓練を行うこと
したがって、ご質問のケースのように、社員研修の対象者から女性を除外することは法律違反となりますので、
お店に男女問わず参加できる研修制度に改めてもらうよう申し出てみてはいかがでしょうか。
- 退職前に有給休暇をまとめて請求できるか?
来月の末日に退職を予定していますが、今まで有給休暇をほとんど取得したことがなく、30日ほど残っています。
退職前に全部を請求することはできるでしょうか? - 退職前の有給取得については、よくトラブルになる事があります。
従業員は「有給は個人の権利なのだから、すべて取ってからやめたい」、
社長は「やめる前にまとめて取るなんて、けしからん。」というように双方で正反対の考えになるため、トラブルに発展しやすい問題であるといえます。
この年次有給休暇は労働基準法で定められた制度であり、どのような目的で取得するかの制約はなく、
また、労働者がその有する有給休暇日数の範囲内で、具体的に休暇の時季を指定したときは、
その指定した時季に取得させなければならず、事業主の承諾は必要ありません。
ただし、例外として「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」
(これを「時季変更権」といいます。労基法第39条)と定められており、事業主側は「事業の正常な運営を妨げる場合」に限って、
労働者が指定する有給取得日を変更することができます。
しかし、ご質問のように退職日が決まっている場合、退職日以前に変更できる日がなければ請求どおりの有給休暇を取得させる義務があります。
従って、有給休暇の残日数をすべて取得して退職する事については法的には問題ありませんが、
円満に退社できるように引継ぎの日程等を考慮して、なるべく早めに会社と相談してみてはどうでしょうか。
- 健康保険の被扶養者になれる人の範囲は?
妻の妹が離婚することになり、しばらく我が家で面倒を見ることになったのですが、
私の健康保険の扶養家族に入れることは可能でしょうか。 - 健康保険の「被扶養者」として認められた方は、病気・けが・死亡・出産等について保険給付を受けることが出来ます。
この健康保険の「被扶養者」になるには家族であれば誰でも入れるというものではなく、
法律で定められた「被扶養者の範囲」に該当する等、一定の条件を満たすことが必要です。
◆「被扶養者」の範囲
(1)主として被保険者によって「生計を維持」されている次に該当する人
・被保険者の直系親族(父母、祖父母等)
・配偶者(戸籍上の婚姻届がなくとも、事実上、婚姻関係と同様の人を含む)
・子、孫及び弟妹
(2)被保険者と「同一の世帯」で主として被保険者の収入により「生計を維持」されている次に該当する人
・被保険者の三親等以内の親族(兄・姉・叔父・叔母・甥・姪など)
・被保険者と内縁関係にある配偶者の父母および子(その配偶者が死亡した後におけるその父母および子を含む)
※「同一の世帯」とは、同居して家計を共にしている状態をいいます。
◆【生計維持の基準】
(1)被保険者と同居している場合
被扶養者の対象になる者の年収が130万円(60才以上または障害者は180万円)未満かつ被保険者の年収の2分の1未満であること
(2)被保険者と別居している場合
被扶養者の対象になる者の年収が130万円(60才以上または障害者は180万円)未満かつ被保険者の仕送り額より少ないこと
ご質問の場合、義理の妹さんと同居し、生計を共にすることになりますので、「被扶養者」の範囲に該当します。
そして、妹さんの今後見込まれる年収が130万円未満かつあなたの年収の2分の1未満であれば、
「生計維持の基準」にも該当しますので、被扶養者として取り扱うことができます。
ちなみに年収については、アルバイトの収入や失業保険も含まれますのでご注意下さい。
- 掛け持ちのアルバイト先を移動中の事故は労災保険が使えるか?
私は、掛け持ちでコンビニと居酒屋でアルバイトしています。
先日、コンビニでのバイトが終わった後、そのまま自転車で居酒屋へ移動中に転倒してケガをしてしまいました。
この場合、労災保険の取扱いはどうなりますか? - 労働者が通勤途上において被ったケガや病気等については、
労働者災害補償保険法(労災保険法)に基づき、「通勤災害」の対象となります。
この場合、「通勤」とは、「就業に関し、往復や移動を合理的な経路及び方法で往復すること」とされています。
従来は、住居と就業先との往復しか「通勤」とはみなされませんでしたので、掛け持ちバイトの場合の移動中は労災保険が使えませんでした。
しかし、2005年(平成18年)4月の法律改正により、複数の事業場間の移動中の災害も「通勤災害」の対象となりました。
また、2つ以上の勤務先でアルバイトをしている場合、どちらの勤務先の労災保険を使うのかについては、
移動後の勤務先への通勤と考えられるため、今回の場合、居酒屋の労災保険を適用することになります。
ただし、通勤途中で経路を外れたり、通勤を中断した場合は、それ以後の通勤については労災保険が使えませんので、注意が必要です。
- 休憩時間中にケガをした場合、労災保険は使えるか?
お店の休憩時間に食事のため外出した帰りに、階段を踏み外してケガをしてしまいました。
この場合、労災保険は使えるのでしょうか? - 労災保険は、「業務上の災害」または「通勤途上での災害」を受けたときに、適用される保険であり、
ここでいう「業務上の災害」とは、業務と災害の間に相当な因果関係がある災害の事をいいます。(これを「業務起因性」といいます。)
では、休憩時間中の災害に「業務起因性」があるかについて考えてみると、休憩時間は労働基準法により、
労働者が自由に使うことが許されており、その休憩時間中の行為は、私的な行為であるといえます。
したがって、休憩時間中の災害については、それが事業場の施設に欠陥があった場合など管理側に過失があると証明されない限り、
一般的には「業務起因性」は認められません。
ご質問のケースは、休憩時間中に食事のために外出してケガをしたということですから、私的な行為となります。
そしてケガを負った階段が事業場の施設外であれば、お店側の管理責任にも該当しないため、労災保険は認められません。
ただし、その階段がお店の内部階段であり、階段が油で汚れて滑りやすくなっていた場合や手すりが壊れていた場合など、
施設管理上の責任があると認められれば労災が適用される可能性はあります。
- 雇用保険の教育訓練制度とは何か?
私は飲食関係の会社で経理の仕事をしています。
今度、簿記の資格を取るために学校に通う予定なのですが、雇用保険に加入していれば受講料を国が補助してくれると聞きました。
補助の要件など詳しい内容を教えて下さい。 - 雇用保険の給付制度の中に「教育訓練給付制度」というものがあります。
この「教育訓練給付制度」は、働く人の主体的な能力開発の取り組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的として定められたものです。
雇用保険の一般被保険者として一定の条件を満たす方が、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合、
学校などの教育訓練施設に支払った経費の一定割合額がハローワークから支給されます。
■支給対象となる方
次の(1)又は(2)のいずれかに該当する方であって、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した方が対象となります。
(1)受講開始日現在で雇用保険の一般被保険者であった期間が3年以上あること。
(2)退職している場合、退職日の翌日から受講開始日までが1年以内であり、かつ、それまで雇用保険の一般被保険者として3年以上が経過していること。
※初めて支給を受けようとする方については、一般被保険者であった期間が1年以上でも受給可能です。
また、過去に教育訓練給付金を受けたことが有る場合は、その時の受講開始日より前の被保険者期間は通算できません。
■支給額
教育訓練経費の20%に相当する額(上限10万円)。
4,000円を超えない場合は支給されません。
■支給申請手続き
支給申請手続は、教育訓練を受講した本人が、受講修了日の翌日から1ヶ月以内に、本人の住所地管轄のハローワークに、
申請書等の書類を提出することによって行います。
この期間を過ぎると受給できませんので、注意して下さい。
教育訓練給付金の支給は3年に1回が限度となり、同時に複数の教育訓練講座について支給申請を行うことは出来ません。
また、受講する講座が教育訓練の対象となるかについてはハローワークにて「厚生労働大臣指定教育訓練講座一覧」が閲覧できますので事前に確認して下さい。
- 休憩時間中の外出を許可制にすることは問題ないのか?
私は、和食料理店のホールスタッフとして働いています。
当店の規則では、休憩時間中に外出する場合、店長の許可が必要になっています。
銀行や買い物に行くのにも許可がいるのですが、これは法律上問題ないのでしょうか? - 休憩時間とは、1日の労働時間の途中で休息のために労働から解放されることを保障されている時間のことをいい、
労働基準法第34条第3項では、「使用者は休憩時間を自由に利用させなければならない」と定められています。(これを「自由利用の原則」といいます。)
しかし、一方では、休憩時間も所定労働時間の間の拘束時間中であり、使用者が業務管理上必要な範囲内で、ある程度の制約を設けることも認められています。
行政通達でも、「休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差し支えない」とされています。
よって、ご質問のような休憩時間中の外出許可制については、それがお店の規律保持や業務管理上、必要な限度内で行われており、
また、店内において休憩スペースが充分にあり、自由に休憩することが出来るのであれば法律上は問題ないとされるでしょう。
ただし、外出について「食事しか認めない」というように休憩の利用内容を制限することは「自由利用の原則」に違反することになります。
許可制にする目的を、お店側にも確認し、自由利用出来るように「届出制」にできないか話し合ってみるのもよいのではないでしょうか。
- 正社員から契約社員への変更を拒否することが出来るか?
私は飲食店で正社員として働いています。
先日、オーナーから有期契約の社員に変更することを条件に店長への昇格を打診されました。
契約社員になると身分が保証されなくなるのではないかと不安です。
この命令を拒否することは出来ないのでしょうか? - ご質問のケースでは、原則として、有期契約への変更に応じなければならない義務はありません。
有期契約の場合、事業主側が契約期間の満了によりその後の契約更新を行わず、一方的に雇用関係を終了させることができる可能性が高くなるからです。
このように労働条件が本人にとって不利益になるおそれがある変更は、原則として本人の同意がないと認められません。
また、契約変更の打診を断ったことを理由に解雇などの懲戒処分をすることもできません。
もし、契約変更を応じるのであれば、「職務内容や責任に応じた年収額が保証されること」や「契約更新する場合の判断基準」などについて納得するまで話し合い、
慎重に対応するべきでしょう。
- 身元保証人とはどのようなものか?
先日、甥っ子が飲食店に就職が内定しました。その際、身元保証人を頼まれたのですが、
身元保証人がどのような責任を負うのかわからず不安に感じています。
身元保証人の責任とは、どのようなものなのでしょうか。 - 身元保証とは、雇用契約に伴って事業主が労働者によって受ける損害を第三者に賠償させることをいいます。
例えば、従業員による売上げの使い込み等の不正行為により事業主が損害を被った場合に、親戚や知人などの身元保証人に、その損害を賠償してもらうことです。
◆身元保証の期間は?
身元保証はいつまでも続くわけではありません。
「身元保証に関する法律」により、保証期間を定めない場合は原則として3年間となり、期間を定める場合でも5年を超えることは認められません。
また、自動更新は出来ませんので、期間を更新する場合は、再度書類を取り直すことになります。
この場合でも5年を超えることは出来ません。
◆保証責任の限度
身元保証書にサインしたからといって、身元保証書の内容全てに責任を持つわけではありません。
「身元保証に関する法律」により厳しく制限されており、責任及び賠償金額は裁判所が決定することになります。
裁判所は、事業主側の過失の有無、身元保証人が保証をするに至った事由、払った注意の程度、労働者の任務や身上の変化など、
一切の事情を考慮した上で、身元保証人の損害賠償の責任や賠償金額について判断します。
◆事業主の通知義務
事業主は、次の場合は遅滞なく身元保証人に通知しなければなりません。
(1)労働者に業務上不適任や不誠実な事柄があって身元保証人の責任が発生しそうなとき
(2)労働者の任務や任地を変更したために身元保証人の責任が重くなったり、労働者の監督が困難になったとき
身元保証人がこの通知を受け取ったり、身元保証人自身がこのような事実があることを知ったときは、将来に向かって身元保証契約を解除することができます。
以上のように、身元保証人が不当に重い責任を背負うことのないよう、配慮されていますが、保証人になる以上は、それ相応の責任を負うことになります。
身元保証人の負うべき責任と、依頼者との関係などをよく考慮した上で、身元保証人を引き受けるかどうかを決められてはいかがでしょうか。
- 病気でお店を休んだ場合、社会保険から給付を受けることは出来るか?
病気治療のため、お店を1ヶ月休むことになりました。有給が5日程度しか残ってないのですが、欠勤扱いとなり給与が減ると、生活が厳しくなります。
お店では社会保険に加入しているのですが、何か手当てを受け取ることはできませんか? - 社会保険の給付制度の中には、「傷病手当金」という制度があります。
これは、業務上の災害や通勤途上での災害以外の病気やけが等により、
働くことができなくなった場合に療養中の被保険者やその家族の生活を補償するために設けられた制度です。
この「傷病手当金」を受けるためには、次の条件のすべてに該当することが必要です。
(1)社会保険の被保険者であること。(国民健康保険には原則として制度がありません)
(2)病気やケガのために仕事につけないこと。(「労務不能」の状態であること)
(3)療養のため働く事ができない期間について医師の証明があること。(所定の請求用紙に証明をもらうことになります)
(4)療養のため、4日以上欠勤したこと。(連続した3日以上の待機期間が必要)
(5)休み始めて4日目以降に、給与を受けていないこと。(給与を受けると調整されます)
以上の条件に該当すれば、療養のために休み始めて4日目から最長1年6ヶ月の期間に「傷病手当金」として「標準報酬日額」(標準報酬月額という社会保険の等級を30日で除した額)の3分の2が支給されます。
◆具体例…月給30万円の被保険者が30日間欠勤する場合
30万円(標準報酬月額)÷30日=1万円(標準報酬日額)
1万円×2/3×(30日-3日(待機期間))≒18万円
傷病手当金を請求後、ご本人の口座に上記の支給決定額が入金されることになります。
なお、待機期間(休み始めて3日間)は有給休暇を取得しても、「傷病手当金」は減額調整されませんので、
有給休暇が残っているのであれば有給休暇申請をしてはいかがでしょうか。
- 遅刻3回で欠勤1日という規則は有効か?
先日、当店の就業規則を見せてもらったのですが、「遅刻を3回した場合、制裁として1日分の給与を控除する」という規則がありました。
これは法律上有効なのでしょうか? - 遅刻を繰り返す従業員への対策として、就業規則で「遅刻を3回した場合、欠勤1日とみなして、1日分の賃金を控除する」
というような規定を定めているお店がよくあります。
ただし、この規定も注意しないと法律違反となる可能性があります。
賃金は労働の対価として支払われるものですから、遅刻または早退によって労務の提供がなかった時間分の賃金は「ノーワーク・ノーペイ」の原則に基づき、
支給する義務はありませんので、賃金を控除することが出来ます。
そして実際に遅刻した時間を超える賃金を控除する場合は、労働基準法に定められている「減給の制裁」にあたります。
【減給の制裁とは…】
「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」とされています。
◆例えば、1日8時間勤務の者(日給8,000円として)が、30分の遅刻を3回繰り返した場合、
500円(時給額1,000円の2分の1)×3回=1,500円を控除することは可能ですが、制裁分を含めて1日分の半額である4,000円を超えて控除すると違法となります。
以上により、実際に遅刻した時間にかかわらず、「遅刻3回で欠勤1日とみなす」という規則は、法律上問題があるといえます。
今後、労使間でトラブルにならないよう制度の見直しをお店側に求めてみてはいかがでしょうか。
- 一方的なシフトの減少は許されるか?
私は、週4日勤務の約束で飲食店で働いていましたが、今月になって「仕事が暇になったから」という理由で週2日しかシフトをいれてもらえません。
このままでは、収入が減り、生活が苦しくなるのでなんとかできないでしょうか? - 勤務日数などの労働条件を変更する場合、原則として次のような取扱いになります。
(1)合理的理由がない限り、一方的に不利益な労働条件に変更してはいけない。
(2)会社都合による休業の場合は、「休業手当」を支払わなければならない。
単に「仕事が減ったから」「客の入りが悪く暇だから」という理由だけでは、労働条件変更の合理的理由とは考えられませんので、
労働契約の変更に同意しない限り、お店との契約は週4日のままと考えられます。
また、この理由による2日間のシフト減は、会社都合による休業と考えられますので、
お店はあなたに週2日分の「休業手当(1日当たりの賃金の60%以上)」を支払わなければなりません。
まずは、入社時にどのような労働契約を交わしているかを労働契約書などで確認しましょう。
そして、シフトの減少理由についてはっきりとした理由とシフトを減らされる期間はいつまでかを確認して下さい。
お店側には、当初の契約通りのシフトに入れないか話し合い、どうしてもシフトが組めないようであれば休業手当の支払いを求めてみてはどうでしょうか。
お店あっての仕事ですから、お店側ともよく話し合い、双方納得した上で働きましょう。
- 当日の有給休暇の申し出を拒否することは違法か?
当日の朝、お店に「風邪をひいたので、今日は有給休暇をとります。」と連絡したのですが、
店長は「事前の届出が必要なので、認められない。今回は欠勤扱いにする。」と言われました。
お店が有給休暇を拒否することは違法ではないのですか? - 労働基準法では、年次有給休暇は原則として従業員が請求した時季に与えなければならないとされています。(これを「時季指定権」といいます)
しかし、お店側には「時季変更権」があり、
「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」とされています。
また、いつまでに有給休暇の請求をするのか等の手続きについては、法律上は何も定められていませんので、
会社毎に就業規則等で、請求手続きに関する事項を定めればよいことになります。
一般的には、年次有給休暇の請求から行使するまでの間に「時季変更権」を行使するかどうかを判断するための時間的な余裕が必要ですので、
少なくとも「前日の終業時刻まで」とするのが妥当な範囲と考えられます。
ご質問のケースは、当日の朝になってからの申し出であるため、
シフトの組み替えや代替要員の確保が難しく「事業の正常な運営を妨げる」ということになりますので、お店側が有給休暇の申し出を拒否しても違法とはなりません。
なお、事後の届出により、欠勤を有給休暇に振り替えるかどうかも、お店側が任意に制度を設けることが出来ますので、
一度、お店の制度がどのようになっているかを確認しましょう。
- 勤務時間外の研修に参加した場合、給与は支給されるのでしょうか?
最近、スタッフのスキルアップを目的に、開店前や閉店後、休日などに「研修会」として月に数回、調理や接客または営業に関する研修などが行われるようになりました。
このような勤務時間外の研修に参加した場合、給与は支給されるのでしょうか? - 従業員研修に関して、給与を支払うかどうかは、その研修が労働時間に当たるかどうかという点が、判断基準になります。
一般的には、その研修が業務命令による強制参加の場合、勤務時間外や休日に実施される場合であっても「労働時間」とみなされ、
時間外・休日の割増賃金を支払わなければなりません。
また、必ずしも強制参加ではなくても、不参加であることを理由に、昇給や賞与、人事評価などで不利な取扱いを受けるような場合は、
実質的に強制していることになりますので、「労働時間」であると判断されます。
逆に、全くの自由参加で、「研修に参加すれば今後の仕事上有利」程度であれば、「労働時間」とはみなされませんので、
給与の支払いは法律上義務づけられていません。
従って「研修会」の参加が義務づけられているかどうかで、給与の支払いの有無が決定されることになりますので、一度お店に確認してみて下さい。
- 遠方への転勤命令を拒否することはできるか?
私は大阪を拠点にした居酒屋チェーン店に正社員として働いています。
この度、関東地方進出のため、東京に新店舗をオープンすることに決まりました。
それに伴い、会社から新店舗の店長として転勤を命じられたのですが、私は1年前、大阪に住宅を購入したばかりで、
家には小さい子供と高齢の母親もいるため、引っ越しはしたくないですし、また、家族と離れて暮らすのも考えられません。
この転勤の命令を断ることはできるのでしょうか? - 同じ地域内での転勤とは異なり、御質問のケースのように大阪から東京への転勤によって住居の移転を伴うような場合、
その転勤命令が有効であるかどうかが問題になります。
原則としては、会社と従業員との間で、「勤務地を限定する合意」がない場合、
「業務上の必要性と合理性」があれば個別の同意はなくても転勤を命じることが出来るとされていますので、
たとえ転勤先が遠方であっても、合理的な理由なく拒否し続ける事は、懲戒の理由になることもあり、場合によっては懲戒解雇を受けることもあります。
ただし、会社も自由に転勤命令を出せるわけではなく、次のような場合は、転勤命令が無効となる可能性があります。
(1)労働契約書や就業規則などで勤務地を限定するような条項が定められている場合
(2)労働者の受ける不利益が著しく大きい場合
(3)賃金が減額されるなど労働条件が著しく低下する場合
(4)転勤命令に合理的な理由がない場合
(2)の「労働者の受ける不利益」についてですが、これまでの裁判例では労働者に非常に厳しい判決が出ており、
「家族と別居しなければならない」、「親の面倒がみれなくなる」といった一般的な理由だけでは、転勤を拒否する正当な理由にはなりません。
ただし、最近の裁判例では、「親や子供の病気が重く、自分以外に看病できるものがいない場合」や「転居先では治療できない場合」などは、
従業員に対する著しい不利益を与えるとして転勤命令が無効とされた判決がでています。
まずは、就業規則や労働契約書等に、転勤についての条文がどのように定められているかを確認してください。
勤務地限定の特約等がなければ、御質問のケースでは拒否することは難しいと思われますが、本人にとっては大きな負担となりますので、
会社側に転勤出来ない理由を明確に伝え、判断を委ねてはどうでしょうか。
また、どうしても転勤しなければならなくなった場合は赴任期間や賃金などの労働条件をよく確認しておくことが必要です。
- 妊娠を理由に退職を強要されるのは違法か?
先日妊娠したことがわかり、これを店長に報告すると、「うちは小さいお店だから休まれては困るので辞めてくれないか」と言われてしまいました。
このまま辞めなければいけないのでしょうか? - 結婚、妊娠、出産や育児休業の取得を理由にした解雇、
退職勧奨などの不利益な取扱いに対するトラブルが景気悪化のもとで増加している傾向にあります。
たとえ、不況等により経営環境が悪化していようとも事業主は、従業員が妊娠したことを理由に退職を強要したり、解雇することはできません。
男女雇用機会均等法では、結婚、妊娠、出産したことや、産前産後休業を取得したこと等を理由として、
解雇やその他の不利益な取扱いをしてはならないと定められています。
また、妊娠中および出産後一年以内の解雇は、事業主が「妊娠・出産・産前産後休業等による解雇でないこと」を証明しない限り、無効になるとされています。
お店から解雇を通告されたり、退職を強要された時は、その理由が何か、お店側に説明を求めましょう。
そして、「退職したくない」、「このまま仕事を続けたい」という意思をはっきりと伝えることが必要です。
あいまいに返事をしてしまうと、退職や解雇に同意したと思われてしまいます。
また、解雇等の理由を書面で提示するよう求めることやお店側とどのようなやり取りがあったかを記録しておくことも、
後日のトラブルを解決するために有効な手段といえます。
- 約束と時給が違う場合、差額を請求できるか?
大学の夏休みを利用して、居酒屋でアルバイトをしました。
最初は時給1,000円との約束だったのですが、店長からこの夏はお店が暇だったので時給800円分しか払えないと言われました。
時給については口約束だったので契約書とかはないのですが、これって契約違反じゃないでしょうか? - 短期間のアルバイトであっても、労働基準法上は労働者となりますので、
勤務時間や賃金などの労働条件については事前にお店側と話し合い、双方で確認する必要があります。
そして、お店側は、お互いに確認した労働条件を労働契約書などの書面にして労働者に交付しなければなりません。
このような書類がなければ、お店側が当初の約束があったことを認めない場合も考えられますので、
「言った」「言わない」のトラブルになってしまう事が多く見受けられます。
ただし、労働契約書がないからといってあきらめる必要はありません。
今回の御質問のように口頭での約束であっても、労使双方の合意があれば労働契約自体は成立します。
そして、この場合「暇だったから」という理由だけで、一方的に時給を変更することは出来ませんので、時給の差額分を請求することは可能です。
まずは、当初の約束をお店側に認めてもらい、差額を支払ってもらえるよう交渉してみてはどうでしょうか。
たとえ短期アルバイトであっても、労働条件を確認する習慣をつけて、労働トラブルにならないように心掛けることが必要です。
- 残業時間は何分単位で計算するのが正しいのか?
私の働いているお店では、残業時間を30分単位で計算されていますので30分未満の残業の場合、切り捨てられて残業手当はつきません。
また、例えば50分残業しても30分の残業手当になります。
友達が働いているお店では1分単位で残業手当がついていると聞いたのですが、どれが正しいのでしょうか? - 労働基準法第24条では、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と定められています。
このため、原則として、毎日の残業時間数(時間外労働時間数)については、端数を四捨五入や切り捨てすることは出来ず、
1分単位で計算し、その全額を支払わなければなりません。
ただし、端数処理の事務処理について、次の場合は認められています。
(1)1ヵ月における時間外労働、休日労働および深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合、30分未満の端数を切り捨て、
それ以上を1時間に切り上げること。
(2)1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に1円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げること。
御質問のように毎日の残業時間を30分未満で切り捨てるような場合は、賃金の未払いとして、労働基準法違反となりますので、
まずは正しい計算をしてもらうようにお店側と話し合ってみましょう。
お店側は、賃金の未払い額を請求されると最大2年間は遡って支払義務が生じますので、誤った計算をしていないか充分な注意を払い、制度を見直すことが必要です。
- 「旅行積立金」の返金請求はできるか?
私の勤めている店では、毎年1回社員旅行があり、毎月の給与から「旅行積立金」として、3,000円が控除されていますが、入社時には何の説明もありませんでした。
また、旅行に行けなかった場合や旅行前に退職した場合でも返金してくれないそうです。
これは許されるのでしょうか? - 労働基準法第24条では、「賃金支払いの5原則」が定められています。
この5原則とは「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。また、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」
とされており、この中の一つである「全額払いの原則」により、所得税や社会保険料などの法律で定められているもの以外は控除することが出来ず、
その全額を支払う義務があります。
従って旅行積立金や親睦会費などを本人の同意なく、一方的に給与から控除するのは、認められていません。
給与から控除するのであれば、「賃金控除に関する労使協定」(使用者と労働者の過半数を代表する者との書面による協定)を結ぶ必要があります。
旅行積立金というのは、本来自分の給与を社員旅行にかかる費用の一部に当てるために積み立てているだけですので、
旅行に行けなかった場合や使わずに退職した場合は当然返還の請求をすることは可能でしょう。
まずは根拠となる労使協定があるかどうか、旅行積立金の内容についてどのように取り決められているか、お店に確認してみてはいかがでしょうか。
また、お店側も後日トラブルに発展しないように、労使協定を結んでいるか確認し、内容について従業員にきちんと説明することが必要です。
- 「タイムカードの打刻を忘れた場合に欠勤とする」との規定は有効か?
私は飲食チェーン店の人事・総務を担当しています。
私が勤めている店の就業規則では「タイムカードの打刻をしなかった場合には欠勤とする」という規定がありますが、これは問題ないのでしょうか? - 労働者が実際に出勤し、働いているという事実がある以上、タイムカードの打刻を忘れたからといって欠勤扱いにすることは出来ません。
労働基準法では、使用者には正確な賃金計算を行うために労働日数や労働時間等を把握する義務があります。
また、タイムカードの打刻を忘れた場合であっても、同僚や上司にその旨を申告することで始業及び終業の時刻を確認することはできますので、
「タイムカードの打刻をしなかった場合には欠勤とする」という規定自体が無効となります。
ただし、度重なる打刻忘れがあるにもかかわらず、何のペナルティもなければ、
職場全体が労働時間の管理に対して非常にルーズになり、職場内の規律や秩序を乱すことになります。
その場合、就業規則の中に「タイムカードを打刻し忘れた場合は減給処分とする」という規定を明記していれば、
その規定に基づき、打刻忘れについて平均賃金の2分の1の範囲内で減給の制裁処分をすることは差し支えありません。
就業規則の服務規律に関する項目に「出社時及び退社時には本人が直接タイムカードを打刻すること」と明記し、
打刻を忘れた場合は服務規律違反として始末書等の提出を求め、常習者の場合は減給の制裁処分をするという手順を踏むのがよいでしょう。
なお、減給の制裁をする場合ですが、労働基準法で減給額の上限が次のように定められていますので、この範囲内で行うように注意が必要です。
(1)1回の額が平均賃金の1日分の2分の1以内
(2)総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の1以内
- 有期労働契約を反復更新されていた場合の雇止めは有効か?
私はパートとして飲食関係のお店に勤めています。
入社時に6ヵ月間の雇用契約を結び、その後自動的に契約更新して来月で3年になります。
採用時には「長く勤めてほしい」と言われていましたので、そのつもりでいたところ、
この度、社長から「次の更新はしないので契約が切れる来月末で退職となります」と言われました。
急に言われても次の仕事も探す時間がなく困っているのですが、契約期間がある以上仕方ないのでしょうか? - 雇用期間の定めがある契約を「有期労働契約」といいます。
通常は有期労働契約の期間が満了すれば、その期日をもって終了するのが原則となり、これを「雇止め」といいます。
会社側が「有期労働契約」を更新しない場合、次の事項に該当すれば契約期間の満了する日の30日前までに、予告をしなければなりません。
(1)「有期労働契約」が3回以上更新されている場合
(2)1年以下の契約期間の労働契約が更新または反復更新され、最初に労働契約を締 結してから継続して通算1年を超える場合
(3)1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合
ただし、契約を更新して契約期間が1年を超えたとしても、最終の契約に更新しない旨の合意があった場合や最初から更新回数に上限があり、
それ以上更新しない旨の合意があった場合には予告は必要ではありません。
また、この「有期労働契約」が何度も反復更新され、長期にわたって雇用されている場合は、実質的に「期間の定めのない契約」と変わらないとされることがあります。
この場合、会社が雇用関係を一方的に終了するには解雇と同様な手続が必要となります。
◇裁判例では次のような場合は、「期間の定めのない契約」と変わらないとされています。
・採用時に長期雇用を期待させる言動があった場合。(「長く勤めてほしい」等)
・更新時に本人の意思確認もなく、更新手続も形式的または、自動更新されていた場合。
・更新が何度も繰り返され、特に問題がなければ更新されている場合。
・他の従業員も同様に自動更新されていた場合。
「期間の定めのない契約」とみなされた場合、契約更新しないことについて合理的な理由が無ければ、解雇権の濫用となり、無効となります。
また、合理的な理由がある場合でも労働基準法の解雇手続として30日前の予告、もしくは30日分以上の平均賃金の支払が必要となります。
御質問のケースは、採用時に長期雇用を前提としており、また、複数回自動更新されているため、
実質的には「期間の定めのない契約」とみなされますので、雇用関係を終了するには合理的な理由が必要となります。
雇用契約書の更新についての記載内容がどうなっているかを確認した上で、一度、会社側と話し合ってみましょう。
- アルバイトから正社員になった場合の年次有給休暇はどうなるの?
昨年の2月1日からアルバイトとして1日6時間、週4日の約束で勤務していたお店で、
今年の8月1日から正社員(1日8時間、週5日勤務)になることが決まりました。
この場合、年次有給休暇はどのようになりますか? - 年次有給休暇について、事業主は次の条件を満たした労働者に対して、
継続または分割した10労働日の年次有給休暇を与えなければなりません。
(1)雇い入れの日から起算して6ヶ月間継続勤務していること
(2)その期間の全所定労働日の8割以上出勤していること
以後、1年ごとに、所定労働日数の8割以上の出勤率を満たしていれば労働基準法で定められた年次有給休暇(別表1)を与えることになります。
また、パートタイマーやアルバイトのように労働時間や日数が正社員より短い労働者に対しては、
その労働者の所定労働日数に比例した年次有給休暇(別表2)が与えられます。(これを「比例付与」といいます。)
今回の御質問のように途中でアルバイトから正社員になった場合などは、次の点が問題となります。
(1)継続勤務期間をいつから起算するのか?
(2)いつの時点で正社員としての年次有給休暇を与えるのか?
まず(1)について、労働基準法では「雇用契約内容に変更があった場合でも、実質的に労働関係が継続している限り勤務年数を通算する」こととされています。
次に(2)について、正社員として労働契約が変更になった後に発生する年次有給休暇の付与日から正社員としての年次有給休暇を与えることになります。
具体的に御質問のケースで考えてみると、アルバイトとして入社した2月1日から6ヶ月経過後の昨年8月1日に7日が付与され、
その1年後である今年の8月1日には正社員としての11日分が付与されることになります。
【別表1】◇週所定労働時間が30時間以上の労働者継続勤務年数 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月以上 付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
【別表2】◇週所定労働時間が30時間未満の労働者1週間の
所定労働日数年間所定
労働日数6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月以上 5日以上 217日以上 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日 4日以上 169~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日 3日以上 121~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日 2日以上 73~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日 1日以上 48~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日
- 残業時間と遅刻時間は相殺できるか?
私はレストランで働いていますが、先日、用事が長引いて1時間遅刻してしまいました。その日は忙しかったので、1時間残業したのですが、
店長よりその日の給与は「残業と遅刻分を相殺するから割増はつかないよ」と言われました。
これは問題ないのですか? - 遅刻した時間分だけ、通常の終業時間を繰り下げて働かせることは、労働基準法上は問題ありません。
労働基準法では「使用者は、労働者に休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働させてはならない。」と規定されています。
これを「法定労働時間」といいます。
このように労働基準法で制限されているのは1日8時間を超える労働ですので、割増賃金の支払については、遅刻したかどうかに関係なく、
その日の労働時間が8時間を超えた場合に支払えばよいということになります。
ただし、残業したことによって労働時間が深夜時間帯(午後10時~翌午前5時)に及ぶ場合は深夜労働の部分について割増賃金(2割5分増)の支払が必要になります。
また、前日の遅刻の埋め合わせとして、翌日に早出をする場合等は、その日の労働時間が8時間を超えれば、
たとえ前日の遅刻の埋め合わせであっても、割増賃金の支払が必要となりますので、遅刻した日以外の別の日の残業時間から遅刻時間を差し引くことはできません。
このような取扱いをする場合、お店は就業規則や雇用契約書に、
「やむを得ない場合は、所定労働時間を繰り下げまたは、繰り上げる場合がある」等という一文を定めておく必要がありますので、
一度、確認してみてはどうでしょうか。
- 配達中に店の車で事故を起こした場合の修理代は?
お弁当のデリバリーの仕事をしていますが、先日配達中に、車を駐車しようとして、バンパーをこすってしまいました。
店からは車の修理代(5万円)を全額払うように言われました。修理代は給料から差引くと言われたのですが、全額負担しなくてはいけないのでしょうか? - 一般的には、修理代を全額支払う必要はありません。
通常の仕事の範囲内で起こりうるミスや事故で会社の車などの所有物に損害を与えたからといって、従業員への損害賠償が認められることはほとんどありません。
損害額の全額を従業員に賠償させることができるのは、飲酒運転や交通違反などの故意や重大な過失によるものでないと不当行為になるでしょう。
事業主は、従業員が労働することの対価として賃金を支払い、その労働により会社の売上を増加させていることになりますので、
従業員の業務中に生じた損害も負担するべきであると考えられます。
ということは通常の業務上の行為に伴う範囲内での損害であれば、「お店側が全額負担するべき」となります。
また、通常は社用車には損害保険がかけられている場合がほとんどであり、損害保険から補填された場合、その分は原則として賠償しなくてよいでしょう。
配達などでお店の車を使用する仕事であれば、交通事故や破損の可能性はありますので、
お店が自損事故も補償の範囲に含まれる損害保険に加入しておくべきと考えられますから、
万が一、自損事故を補償する保険に加入していない場合は、お店側に責任がかかってきます。
次に、仮にあなた自身に重大な過失があったとしても、本人が同意しない限りは、
お店が給料から賠償額を「控除」して支給することは「全額支払の原則」に違反するため認められていません。
お店は給料を規定どおりに支払い、その上であらためて従業員に損害賠償を請求する必要があります。
ご質問の場合では、給料は全額支払ってもらいましょう。
その後、修理代の5万円のうち、あなた自身の過失割合がどの位あるかを検討し、過失があるようであれば、
その過失割合に応じて、お店が要求している請求額の減額を求めて交渉してみる必要があります。
- 制服に着替える時間は労働時間になるの?
私は居酒屋でアルバイトをしていますが、当店の決まりでは出勤時は制服に着替えてからタイムカードを押し、
退店時は着替えの前にタイムカードを押すように指示されています。この着替えの時間は労働時間ではないのですか? - 「労働時間」とは「労働者が使用者の指揮監督下にあって労働を提供している時間」のことをいいます。
出勤してから仕事にかかるまでの時間や、仕事が終わってから退社するまでの時間は「労働の提供されている時間」ではないので労働時間とはみなされず、
その時間について賃金を支払う必要はありません。
しかし、始業時間前の着替えや掃除の時間についてはどうでしょうか。
仕事のための準備時間や後片づけの時間などは労働時間になることがあり、着替え時間についても労働時間になるかどうかがよく問題になります。
これらの時間が労働時間であるかどうかの判断基準としては、次の3点がポイントになり、いずれかに該当する場合は労働時間になります。
(1)事業主の指示や命令がある場合(始業前の朝礼や、打合せ等参加義務がある場合)
(2)仕事を行う上で必要となる行為(開店・閉店準備や義務づけられた制服への着替え等)
(3)法律上で定められている場合(安全衛生法上定められている防護服を着る場合)
会社から義務づけられた制服の着替え時間や防護服等の着脱時間は、その都度使用者から指示されていなくても、
一定の強制力がある場合には労働時間に含まれます。
特に、労働安全衛生法などの法律で義務づけられた防護服等の着脱時間については、裁判でも労働時間に含まれるとされたものがあります。
一方、法律で義務づけられていない制服などの着替え時間については、通常、「就業規則」等で定められていればその定めに従い、
定めていない場合は職場の慣例によって決めるのが妥当とされています。
ご質問についての判断は非常に難しくなりますが、着替えが上着を羽織るだけ等、ごくわずかな時間で終わる場合と、
着物の着用が義務づけられているなど一定の時間がかかる場合では、事情は変わってきます。
前者は労働時間に含めるまでの必要性はないですが、後者は労働時間とするのが妥当でしょう。
ただし、だらだらと時間をかけて着替えたり、更衣室で何十分も雑談しているようでは、職場の雰囲気も悪くなってしまいますので、
法律を守ることとは別に、一人一人のモラルが重要となります。
- 試用期間中の解雇は自由に出来るのか?
ある飲食店で働き始めて2ヶ月経ちました。
「3ヶ月間は試用期間」と聞いていたのに、2ヶ月を過ぎた頃、店長からいきなり「うちの店には合わないようだから来週から来なくていいよ。」と言われました。
試用期間中であれば、このような扱いは許されるのでしょうか? - 会社が新しく労働者を雇い入れる場合、「試用期間」を設けることがよくあります。
「試用期間」とは、履歴書や面接だけでは判断が難しい労働者の勤務態度や能力、適性等を実際の業務を通して把握し、
正式に採用するかどうかを判断するための期間で、言わば会社と労働者の「お見合い期間」のようなものです。
この試用期間中に労働者の能力、適性等を総合的に判断した上で、雇用契約を打ち切ったり、正式採用をしないということは当然にあり得ることです。
通常、労働者を解雇するには、解雇に値する客観的に合理的な理由があり、就業規則等に明確に定められていることが必要です。
試用期間中の解雇は、通常の解雇よりも広い範囲で自由が認められていますが、まったく自由というわけではなく、
この場合も試用期間中の解雇扱いについて就業規則等に明確に定められていることが条件となります。
「やる気が感じられない」とか「何となく合わなさそうだ」等という抽象的な理由だけでは、客観的に見て合理的な理由とは考えられませんので、
店長に、解雇の理由が就業規則や雇用契約書に基づいたものであるかを確認するなど、きちんと納得のいく説明を求めましょう。
◇試用期間中の解雇予告◇
次に試用期間中でも、入社してから14日を超えている場合は、労働基準法に基づく30日前の解雇予告が必要であり、
予告期間のない即時解雇の場合は、平均賃金30日分の解雇予告手当を支払う義務が事業主に生じます。
ご質問のケースでは、相談者は14日以上雇用期間があり、解雇通知から解雇日までの期間が1週間程度ですので、
30日からその日数を引いた日数分の解雇予告手当の支払を事業主に求めることができます。
- 労働契約とは、どのようなものですか?
入社の際に社長から、労働条件について口頭で説明を受けましたが、あまりよく覚えていません。
知人から「労働契約の際は、労働条件をよく確かめたほうがいいよ」と言われたのですが、具体的に労働契約とはどのようなものでしょうか? - 労働契約とは、労働者が会社に対して労働力を提供することを約束し、会社がその対価として報酬(給与)を与えることを約束することによって効力を生じます。
求人募集を見た人が「働きたい」と申し込み、会社が「それでは、働いてください」と承諾するだけで、労働契約は成立します。
労働契約書の作成は義務ではありませんので、口頭の約束だけで効力は発生します。
ただし、口頭の説明だけでは労働者にとっては不安なところがあると思います。
入社したときに労働条件がきちんと明らかにされていないと、「仕事の内容が違う」とか、「賃金の額が違う」等、後でトラブルの原因になります。
そういったトラブルを防ぐため、労働基準法では、使用者に労働者を採用する場合には賃金、労働時間等の重要な内容については、
書面を交付して明示することを義務付けています。この書面を一般的に「労働条件通知書」といいます。
◇労働条件通知書には、次の事項について明示しなければならないことになっています。
(1)労働契約の期間について
(2)就業の場所、従事すべき業務の内容について
(3)始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、所定労働時間を越える労働の有無、交替制勤務をさせる場合は就業時転換についてすべての始業・終業時刻
(4)賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期について
(5)退職について(解雇の事由を含む)
もし、右記の労働条件について書面で明示されていない場合は、労働条件を明らかにした「労働通知書」を出してもらいたいと会社に話してみましょう。
また、これらの事項が就業規則に定められている場合は、就業規則の受渡によって、書面交付あるいは口頭説明を省略することができます。
なお、パートタイマーについても右記の労働条件については口頭の約束だけではなく、書面で明示することが必要です。











